第1章➖学園➖
これは、選ばれた人間 日向 翔という人間の話…
ではなく、その友人である一般人Aの話である。
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「文化祭費が盗まれたぁ!?あれがなければ全然準備が進めれないぞ!ちゃんと探せ!」
「いや、探しましたよぉ、昨日棚に入れたのは確かなんです…。でも今日見たら無くなってたんですよぉ。」
教室の前の方で何か騒いでる声を聞いてると、隣に座っていた男が話しかけてきた。
「なんかあったみたいだね。大丈夫かな?」
こいつの名前は、日向 翔。
成績優秀でスポーツ万能、才色兼備でクラスの人気者だ。体格にも恵まれ、身長も180を超えてる。
「大丈夫だろ。ほっとけ。」
と答えとく。
そんなこいつとは小学校からの友人だ。だからどんな性格かもよく理解してる。こんなときやつは…
「ちょっと聞いてきてくるね!」
必ず首をつっこむのだ。
そのまま、前の方へ歩いて行った。
俺は、月島 涼。特に特徴があるわけでもなく、名前でいうと田中太郎みたいな感じだ。
そして、ここ私立道楽高校の生徒である。この学校は名前の通り、理事長の道楽の一つとして建てられている。
理事長はよほどの金持ちらしく学費はそんなに高くないにも関わらずいろんなところに金が使われている。特にイベントごとが大好きらしく、前の運動会の優勝した組にはには組全員での沖縄への7泊8日の旅行券が与えられたらしい。
そんな学校も今は文化祭の季節だ。
文化祭ではクラスの出し物の人気投票があり、1位になると豪華賞品が与えられるらしい。だからどのクラスも本気になってやってるみたいだ。