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○03.相合傘

時期としては現役総務会が17、18期生のみのときのいつか

 本日、いきなり雨が降ってきた。毎日、折り畳み傘を持ってきていてよかったと思った。天気予報はおおはずれだ。晴れるって言ってたのに。帰るために、昇降口で傘を広げる私と瞬君。瞬君も毎日折り畳み傘を持ってきている。

「真夜ちゃーん!」

土田君が現れた。

「傘、忘れちゃったー!入れてぇ。」

「ヤダ」

「何で!?」

「私と土田くんじゃ、身長差ありすぎで、どっちも濡れちゃうよ。いや、それ以前に、土田君は電車通学じゃなくて自転車通学だよね?」

「雨だから歩くの。俺の家、駅から徒歩5分だから、駅から先は濡れて帰る。」

「それじゃあ、意味ないでしょ。」

「じゃあ、家まで送ってくれる?」

もしかして、それが狙いなのか土田。その手には乗らん。

「駅のコンビニでビニール傘買なよ。あと、私じゃなくて瞬君に入れてもらったほうがいいと思うよ。身長差があまり無くていい感じ♪」

「えー。」

「いいから、入れ!!」

瞬君が怒る。

「もー、瞬ちゃんがそういうなら、入って、あ・げ・る!」

「(イラッ)」

そして私は、怒った瞬君の傘にニコニコしながら土田君が入るの図を写メった。

「っあ!ま、真夜ちゃん!?」

「うん、よし!ゆかりんに送信っと♪」

ゆかりんに写真を送信した。

「何やってるのー!」

「いや、ゆかりんが喜ぶかと。まぁ、私はいらないから、データ消そうか?」

「何かいろいろ悲しい・・・・。」

私達3人が歩き出そうとしたとき、

「おい!真夜。」

「・・・・・、何ですか、火室先輩。」

火室が私を呼んだ。

「傘が無い。入れろ。」

「ヤダ」

「俺にぬれて帰れと・・・・?」

「それくらいじゃ風邪、ひかないでしょ。」

アホだし。

「それに、身長差を考えてください。あまり、折り畳み傘を過信しないでくださいよ。」

クククと言う笑い声の後、

「そうですね。確かに折り畳み傘では無理ですね。」

と言って金島先輩が現れた。後ろには風天先輩がいる。

「すみません、月影さん。睦が傘を忘れただけなら問題は無かったのですが、実の折り畳み傘が開きもしなくて使い物にならなかったんです。」

「ゴメン、壊れてることに気付かなかったんだ。」

「あー、それでですか。」

私が納得すると、金島先輩は少し考え込み、顔を上げ総務会メンバー全員を見る。

「月影さん」

「はい。」

「実を入れてあげてはくれませんか?」

「ふへ?」

そうきたか!!と驚き思わず間抜けな声がでてしまった。

「身長差という点ではまだましな組み合わせだと思います。」

金島先輩は笑顔でそう言う。

「えー、 風天先輩、ずるーい!真夜ちゃんと相合傘なんて!!」

土田君が言う。た、確かにそうだ。何かドキドキしてきた。

「まぁ、いいじゃないですか、土田さん。実より背が高いということで。」

「さ、慧!別に俺は小さいわけじゃないから!平均身長よりは大きいからな!!」

「はいはい、知ってますよ、それくらい。ただ、この中では、月影さんの次にに小さいのは事実でしょ。」

「っう・・・・・・・。」

風天先輩をからかうの好きだよね、金島先輩。まぁ、眼福ものだから文句無しだけど。

「と、いうわけで、月影さん。よろしくお願いします。」

と言い、金島先輩は火室先輩を自分の傘に入れて、無理無理、瞬君と土田君を連れて行った。そして、私と風天先輩のみが残された。

「・・・・あ、どうぞ入ってください、先輩。私のほうが背が低いので傘を持っていただけますか?」

「分かった。ありがとう。」

風天先輩がうれしいそうに笑いながら言う。先輩が私から傘の柄の部分を受け取り私たちは歩き出した。

 あくまでも折り畳み傘なので、肩と肩がぶつかる寸前までくっつく。それだけではなく、顔を上げれば風天先輩が私の大好きな優しい笑顔を返してくれる。

(幸せ・・・・、幸せすぎる・・・・・・・!!)

乙女ゲームや漫画だと定番だけど、リアルとなると実在することがなかなか無い。こんなに幸せなら肩が濡れてもノープロブレム!・・・・・・あ、あれ?そういえば濡れてない。折り畳み傘ひとつで、高校生2人が納まるはずがない。

(ま、まさか!!)

と思い先輩の外側の肩を見たらずぶ濡れだった。

「せ、先輩、ずぶ濡れ・・・・・!」

「あぁ、別にいいんだよ。俺が傘が壊れてることに気付かなかったのが悪いし、それで真夜が濡れるのはおかしいだろ?」

流石風天先輩、優しい。そういうところが大好きです!!でも、ひかないだろうな・・・・・。

「なら」

「真夜?」

「・・・・・・・、よし!」

私は先輩の濡れていた方の肩にハンカチを乗せた。これでしのげるとは思ってはいない。だが、ましにはなる。

「ありがとう、真夜。」

その笑顔で私は大満足です。

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