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〇13-2.お兄ちゃんのお手伝い・中編

 火室目線。時期は、真夜と風天が付き合い始めた後のいつか。前編・中編・後編・オマケの4話構成の中編です。

 またこの『お兄ちゃんのお手伝い』では、前編・中編・後編・オマケ、全ての話に別のweb拍手が付いていますのでご覧ください。いつもどおり、拍手を2回送ると読める使用となっております。話によっては、本編よりも長いものもあるくらい私なりに頑張って書いたものです。

 お昼休み明けの授業は現代社会だった。あー、相変わらずこの爺さん、何言ってるのかさっぱり分からない。日本語をしゃべているのかも怪しい。だから、この爺さんの授業を真面目に受けてるやつなんか1人もいない。テストはセンター試験の過去問からしか出ないから、テスト範囲の過去問をひたすらといてればテストはできるしな。だから、殆どのやつはセンターの赤本を解いて授業を過ごしている。運動部のやつなんかは寝てるけどな。ちなみに俺はいつも寝ている。だが、例外も存在する。俺の親友2人はその例がいに属している。

 慧はいつも本を読んでいる。今日の本のタイトルは・・・・・・・・・、『犬の正しい躾け方~主人の命令は絶対!~・上級編』だと!?い、犬。慧の犬。・・・・・・・・・。ある1人の後輩、――――妹の友達が思い当たり、「し、死ぬなよ!」と心の中でエールを送っておいた。

 実は、幸せそうに目を細めながらうっとりと窓の外を眺めていた。実が何を幸せそうに見ているのか。それはクラスのやつ全員が知っている。そのため、席替えをしても3年になってからというもの、実は必ず窓側の席なのだ。くじ引きで実が窓側じゃない席に決まると必ず窓側の席に当たったやつの誰かが、実になんか理由をつけて代わってやってる。天然な実は、気を利かせて変わってくれてることに全く気が付いていない。あんなに相手が分けが分からない理由で変わってくれといってるのにも拘らず、天然な実は本気で気付かない。変わってもらうたびに「何で俺なんだろう?」と首をかしげる実は同姓の俺が見てもかわいいと感じるほどである。真夜が見たらさぞやうっとりと見とれることだろう。

 幸せそうな顔をしていた実が、急に目を見開いてその後、心配そうな顔をした。

(・・・・・・・・・・・、コケタな、真夜。)

俺の妹は日常生活の中、何にも無いところでも良く転ぶ。それくらい運動神経が無く、ドンくさい。それなのに、真面目に受けるんだよな、体育の授業。本人曰く、「真面目が1番!ありさ〇マークの引越し店!」だそうだ。何が言いたいのか良く分からないが、とりあえず、真面目にやろうとしている意思が歩くとだけは伝わった。

 実の表情が再び、幸せそうなものに変わった。如何やら、真夜の怪我は体育が続行できるくらいには大したことが無かったようだ。見ているこっちまで幸せな気持ちになるくらい幸せそうな顔だ。俺はこの光景が結構好きだ。大切な妹と大切な親友が2人一緒にいて幸せそうにしてるのを見るのが好きだ。2人の関係のような意味の好きなやつがいない俺にとっての楽しみとなっている。2人が一緒にいて幸せそうにしてるのを、2人の邪魔意なら無い程度の近くで見ていたい。そんな日がずっと続けば良いと俺は思っている。ずっとがいつかは分からないが、2人が俺が近くにいることを許してくれる限りは続けたい。だって、俺は妹も親友もす・・・・・・、大好きなのだから。だから2人は・・・・・・・・、結婚する(結ばれる)べきだ。そのためならば俺は兄として、親友として全力を尽くす。あの日にそう決めたんだ。


 高2の修学旅行の二日目の夜。

「良い寝顔ですね。実。凄くすっきりした顔で。・・・・・・・・・おや、今笑いましたよ、実が。」

「そうだな。」

それもすごく幸せそうな笑顔だ。

「きっと、あの子の夢でも見てるんでしょね。」

「お前は実ことなら何でも分かるな、慧。」

「それはそうですよ。実とは睦よりも長い付き合いですから。」

自慢されてるみたいで若干イラッてきた。慧はそれを感じ取ったようでクククと笑い出した。

「大丈夫ですよ。実への愛情は睦には完敗ですから。」

と笑いながら言い、

「あ、でも2番目は誰にも譲りませんよ。あと、1番を譲るのは睦にだけです。」

と付け加えた。

「真夜は・・・・・・・・・?」

「ん?」

「真夜には譲ってやらないのか・・・・・・?」

俺は自分の意志がそう言おうとする前に口が勝手に動いていた。

「・・・・・・・睦。怖い顔して言わないでください。睦がやると可愛げが無いどころか、怖いくらいなので。」

怖いと言われ、近くにあったホテルの備え付けの鏡で自分の顔を見た。感想としては・・・・・・・・・、慧はともかく実と真夜にだけは見せたくはない顔だった。戻すのは難しいくらいの形相だったので、とりあえず、文句の出ない程度にはした。

「で、睦。先ほどの質問へ答えなんですけど、・・・・・・・・・・睦。」

「あ?」

「そもそも、あなたの質問が変です。」

「ど、如何してだよ・・・・・・・・?」

「だって・・・・・・・・、ほら。睦、あなたは実に恋をしてるんですか?」

「・・・・・・・・・・。」

(・・・・・・・・・・?)

ん・・・・・・・・?は、はぁーーーーー!?

「そんなはずないだろ!!」

「だから、そういうことなんですよ。」

慧はニコニコしながら言った。

「どういうことだ!?」

「私達の実への好きと、月影さんの実への好きは別の好きだということです。」

「あっ・・・・・・・!!」

つ、つまり・・・・・・・・!

「だからあの子は論外です。そもそも比べるのが変な話というものです。」

だ、だよな・・・・・・・・・・!

(や、やらかしたーーーーーー!!)

「月影さんが私達と別の好きの1番になりたいなら譲りますよ。」

慧は焦ってるおれの顔を見て楽しそうにクククと笑い出した。クソッ!しばらく(笑いの)ネタにされること間違い無しだ!

(穴があったら入りたい・・・・・・・・・。)

「睦は私が2人の仲を反対してると思ってさっき怖い顔をしていたのでしょ?」

あぁ、そうだ。

「なら問題ありませんよ。あの子のことはこれでも結構気に入ってるんです私。」

本当か!?慧に気に入ってるなんて言わせるなんて・・・・・・・・・・・、流石だ。流石は俺の(・・)妹だ!

「特にあの子の能力は目を見張るものがあります。魔法はもちろん、PCスキルなんかは私よりも上ですし。実には申し訳ないですが、あの子には私の後継者になってもらおうと思っています。」

「後継者って・・・・・・・・・・、生徒会長にってことか?」

「えぇ。支持率的には全く問題ないと思いますし、能力的にも運動神経以外、土田さんよりは断然上ですしね。」

聖魔高校の生徒会長の決め方はほぼ指名制だ。入学前に先生が選んだ新入生の総務会メンバー候補者達の中から3名を現役総務会メンバーに選出させ、その3名の中から、生徒会2名、風紀委員1名を先生が割り振る。この割り振りが先生でなかった場合、真夜は風紀委員になっていたことだろう。俺の意見ではなく(恐怖の女帝・)月影先輩の独断によって。風紀委員は各学年1名しかいないため、3年が文化祭終了を期に総務会を引退すると自動的に2年生の風紀委員が風紀委員長になる。しかし、生徒会に方は各学年2名いる。そこで決め方として聖魔高校が取っているのが半指名制度である。まずは、生徒会・総務会の仕事への能力を見て生徒会長が2名のうち片方を次期生徒会長に指名する。その後、文化祭の前、にその指名された次期生徒会長を支持するかどうか生徒1枚、投票用紙を渡し、支持率調査の選挙を行う。この選挙の結果は文化祭の閉会式に発表され、支持率が50%を越えれば、その指名された者が、50%以下だった場合もう片方の方が生徒会長となる。

「いや、いくら好きだからって、実も真夜に自分の後釜になって欲しいとは思ってないと思うぞ。それに、真夜じゃないなら土田だろ?それはちょっと・・・・・・・・・。」

なにしろ、土田はバカで変態だからな!

「私も土田さんにやらせるのはちょっと・・・・・・・・・・、という点では同意見です。ですが、あの子は性格上、人の上に立つよりも、人の上に立つものを支える方が向いています。」

確かに、真夜は1番より、2・3番目ぐらいが向いている。めんどくさがってるだけで、細かいことにも目が行くし気も利く。生徒会長となり仕事が忙しくなって、細かいところまで目が届かなくなった(それでもほぼミスが無いくらいきっちりしているが)慧が見逃した小さなミスを発見するのはいつも真夜だ。それくらいの能力があるの拘らず、総務会が進行を詰める行事の司会進行などの目立つ仕事はしたがらない。無理やりやらせると何かか(コケルとかコケルとかの)小さな事故を起こす。だから、真夜は人の影からサポートする方が断然向いている。

「そこがとてもしんぱいなんですけどね。まぁ、話が逸れましたが、私が言いたいのは、私がそれくらいあの子のことを気に入っていると言うことです。なので、反対する理由が無いということです。」

(なら良かった・・・・・・。)

俺はホッとした。慧のお墨付きというのも良い。

「睦は如何するんですか?」

「・・・・・・・?何をだ?」

何のことを訊いているのか・・・・・・・・・・・・。分からん。

「いつものように排除しますか?」

「!!」

おれは驚いて慌てて慧から目を逸らし、

「な、何のことだ!?」

と言った。このときの俺のはさぞや泳いでいたことだろう。

「惚けないでくださいよ。あの子以外のたいていの生徒は知っていますよ?睦、あなた2学期が始まってから、あの子に隠れてあの子に気がある男性を片っ端から始末していることを。

「・・・・・・・・・・・。」

駄目だ!慧と目が合わせられない。合わせてはいけない。

「『お前、自分が真夜に相応しいと思ってるのか?』」

「!!」

そ、それは・・・・・・・・!

「『なら、真夜を守れるくらいの力ぐらい、持ってるんだよな?』」

な、何故だ!?

(何故、)

「『なら、試してやる。』」

(慧が、)

「『真夜の兄である、この俺がな!!』」

(そんなことまで知ってるんだーーー!!?)

「っと言って、相手を問答無用でボコボコにするんですよね♪」

と、慧は楽しそうにニコニコしながら言った。

「何でお前がそんなことまで知ってるんだよ!!?」

「そんなことまでって・・・・・・・・・・、睦のセリフまでってことですか?それはもちろん、調べたからに決まってるじゃないですか。」

「当たり前みたいな顔して言うな!何でそんなことしたんだ!?」

「何でって、親友がおいたをし過ぎないように管理するのは、親友の役目の1つだからですよ?」

いや、違う。絶対違う。そんな善意から来てるような行動では絶対にない。だってあの慧だそ?後輩ども(真夜達)から影で魔王と呼ばれてる男、慧だぞ?娯楽の一部に決まってる!

「あ、ちなみに。調べてみて分かったんですけど、水原さんも睦と同じようなことをやってるみたいですね。18期生(1年生)限定ですけど。1,2年生2人はそんな感じ、3年生は月影さんの姉。そんな3人で構成されてる風紀委員が生徒達から何と呼ばれてると思います?」

知るか、そんなもん。

「〝月影真夜の保護者団体〟ですよ!良かったですねぇ、睦。学校公認で月影さんの保護者、兄を名乗れて!」

「そ、そうか!」

(それは良かった!)

「で、実排除するんですか?月影さんの保護者さん。」

と、慧はニコニコしながら言った。・・・・・・・・て、コイツ・・・・・・・・・・。

「分かってるのに訊くな。慧。」

「分かっている、という点は否定しませんよ。ただ私は、その答えを睦の口から直接聞きたいんです。いや、実の保護者である身としては、聞かなければならないんです。」

(コイツ、ついに自分で言いやがった!!)

自分が実の保護者だと。保護者。確かに保護者なら自分の保護相手のために、確かめなければならないだろう。保護者として、保護対象の安全安全を確保するのは当然だ。それが保護者の仕事の1つだ。

「何で、俺が親友()を始末しなくちゃならないんだ?」

だから、答えてやる。保護者という、同じ立場の人間として。

「なら、認めるんですか?実を月影さんの恋人(相手)として。」

そんなの・・・・・・・、

「あぁ。そうだな。」

当たり前だろ。

「おや。意外とあっさり。誰であろうと、あの子に気があるというだけで、問答無用で排除してきたのに。」

「確かにそうだ。だが、実になら真夜を嫁に出して良い。」

「ップ・・・・・・・・!」

慧、何故そこで笑うんだ!?こっちは真面目に言ってるというのに!

「よ、嫁って・・・・・・・・・、ちょっと早過ぎませんか?まだ、2人とも学生なんですから。」

ちょっと笑ったどころか、ツボッタらしく、クククと、口を手で覆いながら数十秒間くらい笑い続けた。ここで俺がイラッてきたのは、決して俺が悪いわけではないと思う。

「睦。その理由は?」

「・・・・・・・、真夜は良いやつだ。」

いつも、めんどくさいと言ってるくせに、ブツブツと文句を良いながらも直ぐ人の世話を焼く妹。

「実も良いやつだ。」

人が良すぎて、見てるこっちが心配になってくる親友。

「つまり・・・・・・・・、お似合いだと言いたいんですか?」

「あぁ。そうだ。」

実なら真夜を幸せにするだろう。何より、実本人がそうしたいと思ってるはずだ。実は真夜が傍に居てくれれば幸せなのでそれで良い。まぁ、真夜も実が粗朶にいるだけで幸せなのだが。

「それに真夜は実のことが好きだからな!」

そう。2人は両思いなのだ。それならくっつけない理由が無い。見つけようが無い。

「え・・・・・・・・?」

以外にも、慧が驚いた。

「何だ。知らなかったのか?」

「そんなはずないでしょ。あんなに分かりやすいのに。分からない実にツッコミを入れたいたいところです。」

「じゃあ、何に驚いたんだよ?」

「いや、別に。気にしないでください。そんなことより、ほら。さっきのセリフの続きを、どうぞ。」

たっく、何だよ。まぁ、言う気のない慧に口を割らせるなんて、俺どころかこの世の殆どの人間に不可能なことなので、割らせないがな。割らせようとするだけ時間の無駄だ。

「妹の願いを叶えてやるのも兄の仕事だ。だから2人は・・・・・・・・・、とっととくっつくべきだ!」

俺が兄として、親友として、何とかしてやるからな!

(俺に任せておけ!!)

「睦。あなたは凄く頓珍漢な人間ですから、やりすぎないでくださいね。」

慧。それは酷くないか?


 〝2人がくっつく〟という目的を果たした今。次の目標となるのは、やっぱり・・・・・・・・・・、間違いなくこれだ。

(結婚、だろ!)

そう俺は、実の親友として、真夜の兄として、2人を結婚まで導かなければならない。そして俺は2人の結婚式で真夜の兄・実の親友という立場で感動的なスピーチを完璧に読み上げて見せる!

 そのためには、2人にラブラブでい続けてもらわなければならない。正直、人前でイチャツカレルと心のそこから2人の関係を祝してる俺でさえも「空気を読めお前ら!!」と言いたくなるが、それは我慢しよう。何しろ俺は、2人が結婚できるように全力を尽くすと決めたからな!!

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