〇09.ハロウィン
真夜高校1年生のときの話。最後だけ高校2年生。
「トリック・オア・トリ」
「はい。」
私は土田君の言葉をさえぎり、土田君に飴を渡す。
「ひどいよー、真夜ちゃん。せめて全部言わせてよー。」
「いや、時間の無駄かなって。」
土田君は飴を見ながら言う。
「しかも、この飴の袋、ハロウィンじゃなくて、七夕じゃん!」
「うん。8ヵ月半先取り♪」
「先取りしすぎだよ!!」
「と言うのは嘘で、七夕が終わった後、安くなってたから買ったやつ。3ヶ月半前から考えたんだよ、このネタ。あ、賞味期限はまだまだ先だから大丈夫だよ!」
「あ、そう・・・・・・・。ちゃ、ちゃんと食べれるんだね・・・・・・・。」
私は自分のパケットから同じ飴を取り出して、口の中に放り込んだ。うん、美味しい。
風天先輩と金島先輩が生徒会室にやってきたので七夕柄の飴をあげた。
「月影・・・・・・・・、これ七夕・・・・・・・。」
「8ヵ月半先取りです!」
風天先輩のコメにそう返した。
「3ヶ月半後取りの間違いですよね。」
と金島先輩がクククと笑いながら言った。
その後、遊びに来た風紀委員組にもやった。瞬君はこのネタのことを知っていたから何も言わなかったが、火室先輩は、
「あぁ、今日は七夕か・・・・・・。」
と言って、本気で騙されていた。
「え??」
思わず私はポカーンとしてしまった。
「せ、先輩。今日は何日ですか?」
「何日って・・・・・・・、10月31日だが・・・・・・・・?」
「七夕って、漢字でかけますか?」
「・・・・・・・、こうだろ?」
とその辺にあったいらない紙で七夕と書いた。うん、書けてる。
「先輩、その漢字の中に数字がありますよね?」
「あぁ、7がな。」
「今日は?」
「10月31日・・・・・・・・?」
「も、もう無理・・・・・・!プ、ハハハハハハァーー!!」
土田君が声を上げて笑い出した。どうやら今まで我慢していたようだ。
「や、やめてよ、ップ、つ、土田君・・・・・・・・、僕我慢してるのに・・・・・・・・!」
瞬君は堪えようとプルプルしてる。金島先輩は元々笑い方が静かなのでクククと堂々と笑っている。
「り、睦・・・・・・・・。」
「何だ?実。」
「今日は・・・・・・・・・、」
「七・・・・・・・・・・、」
「違う!」
という、風天先輩の言葉に続いて、
「ハロウィンです!」
と、私が言った。
「!!?」
何!?その「う、嘘だろ!!?」という顔は!?
というのが去年のハロウィン。そして今年・・・・・・・。
「今年は騙されないぞ・・・・・・・・・・。」
今年のハロウィンの日。私の教室に遊びに来たお兄ちゃんの第一声はそれだった。
「そーですかぁ。なら、『トリック・オア・トリート』て言ってください。」
私はビデオカメラを構えながら言った。もちろん録画中。皆に後で見せようと思ってね。
「・・・・・・・、トリック・オア・トリート。」
「はい、どーぞ。」
と言い、私はお兄ちゃんに飴をあげた。
「・・・・・・・!そうか!今日は本当は・・・・・・・・、」
お兄ちゃんは飴を握り締めて、
「ひな祭りだったんだな!!」
と「よくも去年は騙してくれたな!」という風に言った。そう、今年は4ヶ月ちょっと先取りして、ひな祭り柄の飴を用意した。
「違う!!」
「!!?」
一般常識無さすぎだよぉ、お兄ちゃん・・・・・・。
あ、録画してたのは皆で放課後、生徒会室で見たよ。勿論、笑いましたとも!
本日午前10時に本編を1話up




