●六月十二日「滅亡へのカウントダウン」
腹痛が収まって三日後、俺のいる大学はただいま休校中だ。
てなわけで特に何もすることがなくDVDをぼけっと見ていた時だった。
{あー、あー……マイのテス!!}
そんな謎の声が聞こえた、いや頭に直接響いてきた。
「え? は? へ?」
戸惑っている俺の頭にまた声が響く
{こちらは……horsehair worm}
「…………はあ?」
{こちらは……horsehair worm}
「……ワーム?」
{horsehair worm}
「…………」
なんだか疲れているようなので俺は寝ることにした。
しかしベッドに入っても謎の声は頭に響いてくる。
{こうしん……できてる}
{はんのう}
{はんのう……しめさ}
どうにか寝ようと目を閉じて羊を数える
「羊が一匹羊が二匹……」
{ひつじ?}
「…………」
{はんのう……しめす}
「だーっ!!」
俺は勢いよく起き上がって周りを見渡ながら
「誰だよ、こんな悪戯するの!!」
反応は無い、代わりに頭の中に声が響いてくる。
{いたず?}
「くそう!!」
精神科に行こうと思ったが今は午後十時、とっくに閉まっている。
「明日行くか」
俺はこの時明日どうなるかなんて知る由も無かった。