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ハリガネパンデミック  作者: ナガカタサンゴウ
悪夢へのカウントダウン
6/56

○六月十一日 「悲劇のカウントダウン」

「ほら、行くぞ卯月」

「うー」

 私はあの魔の部屋、解剖室の前で座っていた、やはり入りたくない。

「数十分でいいから」

「数分じゃないんですか!!」

「じゃあ解剖前なら」

「……それなら」

 そんな討論が続いて結局入ることになった

「うー」

「見る前から唸るな」

「それぐらい好きにさせてください」

「わかったよ」

 数十分経って私は部屋から出た

「うへー」

「大丈夫か?」

「大丈夫じゃないです」

「ほれ」

 志奏さんが投げてきた袋にはミント系の食べ物が入っていた。

「買ってきたのは俺っすよ」

 海籐がそういってコップを差し出してきた。

「ありがとう」

 ぐいっと飲むとのどの奥からだんだん熱さがこみあげてきて

「辛っ!!」

 海籐は笑いながらタバスコを揺らして

「気分まぎれたでしょ」

「ひゃいとーう!!」


「はあ…はあ…、先輩体力ありすぎ……」

「一時期は自衛隊を目指していたからね」

 私の手は海籐の腕をがっちり掴んでいる

「それは反則でしょ」

「関係ない、覚悟!!」

「そ、それより先輩どうだったんですか!!」

「何が」

「……被害者の共通点です」

「あー、忘れてた」

 確か志奏さんが資料をまとめていたはずだ

「いくよ、海籐」

「助かった……」

「後でシメるから」

「本当にすいません!!」

 その後私たちは会議室に行った

「では結果を報告しよう」

 志奏さんがレポート用紙を配る

「簡単に言うと卯月が見つけた小さい穴はすべての被害者に見られた」

 会議室がざわめく

「なお目撃者の言っていた糸のような物については判明していない、調査を続行する」

 志奏さんは持っていた紙を見ながら

「これからの活動は班制とすることが上で決まった、一斑、加藤、杉田、垣田……」

 長ったらしい班の説明を聞いているうちに私はうとうとし始めて……

「卯月!!」

「ふぇ? なんでしょうか」

「何を会議中に寝ている」

「えと……なんででしょう」

 横で海籐がにやにやしている。

「会議中に寝やがって……」

「そ、そうだ自分の班の指揮をとらなくていいんですか」

「だからその班のやつの教育をするところだ」

 海籐が口を挟んできた

「俺と先輩と志奏さんが四班っす」

「あー……なるほどー」

「わかったなら覚悟してもらおうか……」

「ぎゃー!!」

 こんなばか騒ぎをしている間にも、悲劇までのカウントダウンは続いていていたのだった。

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