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八月二十一日「絶望は無気力へ」
俺が目を覚ましてから一週間と少しが経った。
数日前からようやく動けるようになったが後悔と怒りは無気力に変わっていた。
ラダーの方も順調に回復しているが、今後ラダーをどうするかは決まっていない。
もしまたラダーに寄生されたとしても、その力を使う事は無いのだ。
凛という守るべき人はいないし生きたいとも思わない。
凛を殺したハリガネムシNo.1パワーは凛が死んだと同時に俺が殺した為復讐に生きる事も無い。
俺には……生きる意味も無く死ぬ意味も無いのだ。
そんな無気力な俺の前に転機が訪れたのは翌日、八月二十二日の事だった。




