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ハリガネパンデミック  作者: ナガカタサンゴウ
⚫︎原始の狂乱者
41/56

八月八日「出撃」

「個体No.1ブレイカー、強い攻撃性から実験中にも数々のネズミを殺してきたわ」

 それ故に、と凛は続ける

「進化した今でもその攻撃性は強く、寄生力が他のハリガネムシと段違いのはずよ」

「この前あいつは地面から突き出して来てたけど……」

「それは環境適応能力ね、乾いた空気中より水分のある地面を選んだんだと思う」

 修二さんが武器の手入れをしながら

「ブレイカーの野郎は触手でも持ってんのか? 様々な場所から同時に突き出してきやがる」

 凛は少し考えて

「それはブレイカーが多数のハリガネムシを繋ぎ合わせた個体だからよ」


 繋ぎ合わせた? 俺と修二さんの驚きの表情をみて凛は続ける

「ブレイカーは最初に作られたハリガネムシ、実験をして始めて原型をとどめて生き残ったハリガネムシよ。

  最終的には遺伝子操作となった実験、でも最初はハリガネムシを繋げようとしたの」


 凛を含む全員が手を動かしながら、戦闘準備を進めながら凛の話に耳を傾ける

「寄生主に攻撃する本能の薄いハリガネムシだけを集めて繋げれば攻撃性はほぼ無くなるはずだった」

  濃度の薄い食塩水同士を混ぜれば濃度が更に下がるようにね、と凛は補足した。

 正直その補足が無ければわけがわからなかった。

 でも、と凛は続ける

「失敗だった、何らかの異常から攻撃性が優先的に表に出たの。

  個々は僅かだった攻撃性も集まれば巨大な物となるわ」

 こんな所かしら、と凛は立ち上がった。


「ま、ようするにブレイカーの野郎は攻撃性が高いんだな」

「……そうなる、かな?」

 あまりに大雑把に纏められて少し不満気な凛の肩を叩いて俺は言う

「あまり前にでんなよ……お前は俺が護るんだから」

「う……うん」

 バカップルめ、と周りから冷やかしが入る。


 修二さんがゆっくりと立ち上がって大声を上げた

「これよりブレイカー及び周りのザコ共をぶっ倒す! 各自準備はいいな!」

 周りの者も士気を高めるためか大声で返す

「危なくなったらすぐ逃げろ! それとブレイカーには複数人で挑め!」


 出撃! 修二さんの大声での合図で皆は戦地に飛び出した。

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