八月八日「ブレイカー再来」
大量のハリガネムシ襲撃から一週間が経過した。
どうやったかはわからないが死神のようなハリガネムシはラダーが俺の体から追い出してくれたらしい。
大量のハリガネムシは皆の力で鎮圧され、何匹かはサンプルとして捕獲も成功したらしい。
らしいを繰り返しているのは俺が目覚めたのが四日ほど前だからだ。
目覚めた時には凛はもうショックから立ち直っていた。
「調子はどう?」
凛が紙を纏めながら言った
俺は自分の足、あのハリガネムシの寄生口にされかけた足を動かす。うん、痛みもない
「ん、まあなんとも無いかな」
「良かったわ……無理はしないでよ」
「お、おう」
何と無く気恥ずかしい空気を思いっきり裂いたのは地響きだった。
「なっ、地震か!?」
「わわっ」
よろけた凛を咄嗟に抑えて机の下に押し込む。
しばらくすると地響きは収まった。
「大丈夫か?」
「ええ……」
上の空という感じの抜けた声を聞いて机の下を覗き込む
「何してんだ」
凛は小型のパソコンを何やら弄っている。
「今のは多分地震じゃない、横揺れと縦揺れが交互に、しかもこの短時間に入れ替わるとかありえない」
そう思わない、と顔を近づけてきた凛を離す
「……んなもん知らんがな」
「まあいいわ……何か大型の生き物が近くにいるのかも、しかも地中に干渉できる」
凛の言った意味を頭の中で整理して口を開く
「ハリガネムシか」
「その可能性が一番ね……恐らく最大級よ」
「避難しろ!」
ドアを開けて入ってきた男が叫んだ
「ハリガネムシですか」
「ああ……それもヤツ、ブレイカーだ」
「なるほど……個体No.1ならこの威力も納得だわ」
凛は何やら考えて
「修二さんは何処?」
「ブレイカーと周りのハリガネムシの進む向きを変える為に威嚇射撃をしている」
「そんなこと……今すぐ止めて! ブレイカーは実験中も規制対象に攻撃するくらい好戦的よ!」
男から修二さんの居場所を聞いた凛は勢いよくドアを開けて走り出した。
「おい、凛! 俺もついていく!」
勿論俺も追いかけていった。
「はぁ!? もう威嚇射撃やっちまったぞ!」
凛から話を聞いた修二さんは叫んで
「どおりで逃げねぇと思った」
と歯ぎしりをした。
「どうします、修二さん」
「戦うしか無いだろうな」
いずれ戦う事になるだろう、と修二さんは近くにいた通達係の男に言った。
「全員に通達だ、ブレイカーの野郎をぶっ潰す。 ただし今回は強制じゃねぇ、避難するやつは地下に潜り、戦うやつはロビーに来い」
「了解しました」
通達係が出て行くのを見て修二さんはこっちをみた
「お前はどうする、凛を守るってんなら地下に行った方がいいだろうが……」
「私は行かないわよ、ブレイカーの特性をよく知るのは私よ」
凛が遮るように主張する、俺は苦笑いで言う
「……みたいです」
「じゃあ行くか……ブレイカーの野郎を仕留めるぞ」




