表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/56

七月七日「踊る死神」

  銃を構える海藤を見つけたのは武器庫の前だった。

  銃口の先にはサバイバルナイフを持った白衣の男性、そしてその後ろ、武器庫の扉の前には稲葉が布を抱えて固まっている。恐らく男性が持つナイフは稲葉の物だろう。


「稲葉ちゃんを離しな」

「…………」

 もちろん白衣の男性は答えない。

 海藤が白衣の男性に狙いを定めた時、稲葉が叫んだ。

「海藤さん! 火気厳禁!」

「あっ!」

 ギリギリのところで海藤は銃を下ろした。白衣の男性の後ろにあるのは武器庫、もし貫通でもしたら大爆発するだろう。

「なら……」

 海藤は内ポケットからサバイバルナイフを取り出した。

「一気うちと洒落込もうか、ハリガネ野郎」

 海藤がナイフを構えるといきなり男性の目に黒が戻った。

「え……うわ!? 何でナイフ!? 何で武器庫!?」

 驚く事に男性の意識が戻ったのだ。

「なっ……」

 これには私含め三人共戸惑った、男性が生きているとなれば単純に男性の動きを止めるわけにはいかないのだ。

「僕は……何でここに?」

 男性はナイフを落として困惑している。

 海藤がナイフをポケットに直した、その瞬間男性の目がぐるんと回ってまた白目になった。

「え……」

「なにぃ!?」

 私達が戸惑った一瞬の隙を突いて白衣の男性はあり得ない速さで走り出した。

 海藤が稲葉の元に駆け寄る、私はトランシーバーを取り出した。

「卯月より各班に連絡、逃しました! 白衣の男性は出入り口方面に逃走」

  トランシーバーから落ち着いた隊長の声が聞こえた。

「俺だ、そいつが出入り口から勢いよく出て行くのを目撃した隊員がいる、あり得ない速さだったらしい。

  とりあえず警護以外の各班は地下研究所に集合だ」

「了解しました」

  各班長が同時に返事をした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ