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七月七日「死神襲来」

 健康診断は機器の都合により簡単な物となった、異常が見られた者だけが従来の健康診断を通して細かい診断をする。

  幸い私の班の三人は異常無しだった。

 今日はその異常が見られた者の再診断で私達を含めた数班がサポートに当たっている。


 場所が場所だけに薄汚れた白衣を着て眼鏡をかけた男性が私達に声をかけた

「卯月班……だったかな? 誰か一人倉庫から布を持ってきてくれないかい?」

「はい、行ってきます」

  反射的に稲葉が返事をして立ち上がった。

「じゃあ頼んでいいかな」

「はい、もちろんです」

  海藤に行かそうかとも思ったが当の本人は横でイビキをかいている。

「倉庫は第二エリアでしたよね」

「うん、武器庫の手前」

「了解です」

 稲葉が部屋の扉を閉めた

 

「ん……ああ、おはよーっす先輩」

  伸びをしながら海藤が目を開けた。

「何がおはよーっす、よ」

「んー、ああ昼ですね、こんにちはー」

「寝るなって意味よ……」


「別に何も無いし……あれ、稲葉ちゃんは?」

「布を取りにいった」

  海藤はわざとらしく頭に手を当てて

「あっちゃー、女子に荷物運ばせるとかやっちまったー」

「どこまで本気なんだか……」


「俺は本気ですよ」

「本気なら迎えにでも行ってくれば?」

「過去は気にしない性格でーす」

「まったく……」

 溜息をついて伸びをする、サポート班といってもほぼ雑用で海藤が寝るのにも一理はある。


 正直私の方も睡魔が襲ってきており言えた立場では無い。


「はい、次こい」

 白衣の男性が次の人を呼んで聴診器を当てた後その人をレントゲン室に入れた。

「はい、息を吸って……止めて」

 パチ、とレントゲンを撮る音が聞こえた。

「…………!?」

 白衣の男性の顔が固まった。何かあったのかと立ち上がろうとした時、レントゲン室から断末魔の叫び声が聞こえた。

「先輩!」

 海藤が立ち上がりレントゲン室に銃を向ける。

 機材を壊す音がしばらくした後、飛び出してきた。

 飛び出してきたのはハリガネムシ。しかし今までのとは形が違い細長いその体からひだのような物が何本も生えていた。


「ぐっ……あ」

 そのハリガネムシは私と海藤の間をするりと抜けて白衣の男性に突き刺さった。

 白衣の男性は白目を剥いて呼吸を荒くしながら部屋の扉を開けて走り出した。


「先輩……」

「寄生したんだと思う」

 海藤は首を横に振る

「そうじゃなくてあいつが行ったのって武器庫方面じゃ」

「あっ……」

 武器庫方面には稲葉がいるはず。

「先輩は隊長への連絡を頼みます!」

  海藤はそう言い残して走って行った。


 トランシーバーを取り出してボタンを押す

「卯月より各班に連絡、診断中に謎のハリガネムシが発生。 白衣の診察員に寄生したと思われる、恐らく武器庫方面に向かった」

 各班長からの返事を待たずに私は海藤を追いかけた。

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