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六月二十日「同じ部屋」
「凛、入っていいか」
「ちょ、ちょっと待って!」
凛は無事緊急治療を終えた、しかし俺達は休息、つまりは安静にしてろと言う事で仕事の方はしばらく免除なのだが……
「いいわよ」
凛の返事を聞いてドアを開ける
「何で俺らが一緒の部屋かねぇ」
「ははは」
凛が少し顔を赤らめて苦笑いする。
部屋を用意するといった修二さんだったが治療の終わった俺達に向かってバツが悪そうに
「すまん、綺麗な部屋が一つしかない」
俺は手をパタパタと振って
「いや、俺は別に綺麗じゃなくても大丈夫ですよ」
「ダメだ、傷口に菌が入れば死に至る可能性もある」
俺が葛藤していると凛が来て
「私は大丈夫よ、それに私一人じゃ色々と不便だし」
と乗っている車椅子を軽く叩いた。
「それは助かる、着替え等生活必需品はこっちで用意する、後で持ってくからよろしく」
そう言って修二さんは俺に部屋の鍵を二つ渡した。
そんなわけで今、俺と凛は同じ部屋に住む事となっていた。