教えて! シアさん先生!! その6
「皆さん御機嫌よう。開始の挨拶の一言を考えるのが面倒になってきた、メイドのバレンシアでございます。次回からは姫様に丸投げしようと思っております」
「ええ!? 私そんなの考えられないよ? ヘルパーのシラユキです。私は自分の役柄を考えるだけで精一杯だよ……」
「またまたご謙遜を、次回はよろしくお願いしますね。まあ、次回があるのなら、ですけどね……」
「やらないよ! って何不安になる事言ってるの!?」
「ヘルパーのお仕事はタイヤから星を飛ばすだけではないのですよ?」
「カービィ? シアさんの中ではヘルパーはウィリー一択なんだね……」
「最初の掴みの一言を考えるのがどれだけ大変か……」
「まだ続いてるのそれ!? もう……、勝手に進めちゃうよ? それでは、第六回の『教えて! シアさん先生!!』を始めたいと思います!」
「姫様可愛らしい……!! おっと、失礼しました。では、お手紙をどうぞ」
「うん、今回は魔法についてだね。『宇宙一キュートな姫様の使う魔法ですが、使うのに必要な条件が今ひとつ分かりません。』っていう質問を貰ったよ。難しいねー」
「宇宙一キュートですか……、なるほど。ええ、本文は姫様の一人称ですからね、説明も中々分かり易くできないというもの。しかし、前提条件を一つ知って頂ければ理解し易いのでは、と思います」
「前提条件? 魔力とか?」
「いいえ、もっと簡単な事です。ウルギス様も仰っておられましたよね、魔法とは現象を再現するだけの物、と」
「うん。自然に起こりうる現象を魔法って言う技術で再現してるんだよね。ゲームの魔法はもっと色々な事ができそうだけどね」
「この前提条件の曖昧さが混乱を招いてしまっているかもしれません。火が燃える、物が落ちる等、物理現象でしょうか? その範囲でのみ魔法としての発動が可能になります」
「それは分かるんだけどね、物が燃えたりする原理の理解は必要なのかなーって。どうかな?」
「必要あると言えばあります。無いと言えばありませんね」
「なにそれ? 分かんないよー」
「そうですね……、一言で表現するなら、『当たり前』の事には理解は必要ありません。また曖昧に思われてしまわれるのではないかと思いますが、何となく分かりませんか?」
「な、何となくは……。それで、レーザーは撃てるの?」
「ここはメタ空間なのでそれが何なのか、どういう現象なのか分かってしまうのですが、本編での私たちには不可能ですね。姫様は如何です?」
「メタを抜くと……、なんか、光っていうのしか分からないね。多分凄く強い光の玉を出すだけならできると思うよ」
「そんなところでしょう。wikiってみるとよく分かります。なにこれイミフです」
「wikiってみよう……。なにこれイミフ」
「レーザーが当たり前のように、小学校の理科の授業で原理を教えているくらいのお手軽技術だったとしたら、姫様のみでしたら可能だったのでは、と思います」
「光を細く照射するっていうのはできるんじゃないかな。後はそれをどうするかだよね、分かんないや」
「魔法の応用はどうだろうね、風の鎧とか分からないんじゃない?」
「あれも何となくですよ? ルーディン様が土を圧縮してナイフを作り出しましたよね、それと同じです」
「何となく空気の圧縮層を作ったっていう事? でも、うん、イメージとしては分かりやすいね」
「物語の始まる前より、ウルギス様がお産まれになるよりさらに以前から世界には魔法が存在していた筈ですからね、技術の進歩、イメージ力の進歩という物なのでしょうか」
「何事も最初の人って言うのは凄いね。んー……、結局曖昧な答えになっちゃったかな?」
「ぶっちゃけますと、こまけぇこたぁいいんだよ、になってしまいます。何となくでも分かって頂けたのなら幸いです」
「何となくだねー」
「何となくです。後は姫様の能力説明回待ちですね」
「説明回が遅くてごめんなさい。もう少しだけ待ってくださいね」
「まだまだ先のお話なのですが、もう一度魔法の追加説明が入ります。二十話近く先の話でしょうか」
「遠いねー……。それで魔法に関しては一段落、って言う感じかな。お、お楽しみに!! ……ごめんなさい」
「二十話は遠いですね……。本当に申し訳ありません。気長にお待ちをお願いします」
「まだあるよー。『現世一らぶりぃな姫様の服装ですけど、ノースリーブ+アームウォーマーやミニスカ+ニーソの場合、変な日焼けをしちゃいそうで心配です。そのあたり、バレンシアさんがどんな対策を立ててるのか教えてください。』だって。ら、らぶりぃ……。ん? そういえば日焼けってしてないね。もしかしてシアさん何かしてる?」
「いいえ、特に何もしていません。日差しの強い日は帽子を着て頂いていますので、お顔の部分はいいとして。腕の露出部分や絶対領域は確かに日焼けしそうですよね。姫様が何かしらしておられるのでは?」
「え? バリア? ってシアさん何かクリームみたいなの塗ってくれてたじゃない、あれじゃないの? あ、あれって滑り止めと、留め紐の締め付けで肌が痛まないようにするためだっけ?」
「はい、それです、日焼け止めの効果もあるんですよ。実際姫様に日焼け止めです、とお薦めしたとすると、どういう反応を返されました?」
「日焼け止めなんていらないよー、か。さすがシアさんだね……。子供のうちはそんな事気にしなくてもいいと思うんだけどね……」
「美容は子供のうちから、ですよ。それに、姫様の日焼けは恐らく赤く腫れてしまうのではないのでは? 本当に真っ白な肌ですから、不安になってしまうんですよね」
「か、過保護すぎる……。でも、ありがとうね、シアさん」
「いえいえ、当然の事です。お礼はまたキスでもさせて頂ければ……」
「嫌だよ!! 今度はどこにする気なの!?」
「言ってしまったらさせてくれないじゃないですか」
「答えてるも同じだよ! 絶対駄目ー!!」
「残念です。次は姫様からしてくださいね」
「うーん、それくらいならいいかな、恥ずかしいけど」
「キスして頂く場所は私の指定の箇所へとお願いしますね。ああ、ご安心を、唇は避けますから」
「どこ!? どこにさせる気なの!?」
「言わせないでください、恥ずかしい」
「言わないと分からないよ!!?」
「指で示すますからそこへお願いします」
「なんかいやらしいよそれ!! ……ブロントさん?」
「普通にかみまみた」
「もう……、シアさんの相手は疲れるよ……。最後の質問いくよ? 『結局バレンシアさんのバストサイズ、正確にはトップとアンダーがいく(ゴギィィッ‼ ツー……ツー………プツッ)』。折れた!? え? 何が折れたの今!? あ、電話? 電話だったのこれ? ん? ……あれ? シアさんどこに行ったの?」
「ただいま戻りました。すみません、姫様、急用が入ってしまいまして。何も言わぬままお側を離れてしまった事をお許しください」
「あ、おかえりシアさん。そんな事気にしなくてもいいよ。それじゃ読み直すね」
「それでは、今回はここまでとさせて頂きますか。次回はそろそろキャラ紹介を入れたいですね、姫様はどなたがいいと思います?」
「あれ? 終わっちゃうの? 私が簡単に答えちゃおうかな、シアさんのカップは確かCだよね」
「Dです」
「そうだっけ? ギリギリDに届かないCじゃなかったかな……」
「Dです」
「あ、痩せたの? アンダーが細くなったのかな。トップは確か」
「Dです」
「う、うん。なんかごめんね……。あー! えーと! 『私』さんでいいんじゃないかな! 主人公だしね!!」
「人気的には『奥さん』さんが一番だと思われますが、ここはやはり主人公からですよね」
「名前無いと分かり辛いよ! どうしようか……、名前は全員あるんだよね? 公開しちゃう?」
「その時その場で考えましょう。必要なら公開、必要でないならそのままでいいでしょう。名前によって本文でのイメージが崩れてしまう可能性もゼロではありませんしね」
「分かった、そうしよっか。とりあえず、ですけど、キャラ紹介の一人目?二人目?は、『私』さんになる、かもしれません」
「姫様はまだ最低限のみの紹介でしたからね。話数が進めば、またキャラ紹介に登場して頂くことになると思います。楽しみですね」
「私はどうせ本編で色々書かれるからいらないと思うんだけどね」
「私としては、姫様以外の方の説明など必要無いと思うのですが」
「もっと私以外にも興味を持って!!」
「また次回、キャラ紹介か教シア、どちらかと言えばキャラ紹介でお会いできたら、と思います。それでは、メイドのバレンシアがお送りしました、御機嫌よう」
「キャラ紹介はリクエストも受け付けてますよ。その他、疑問質問お待ちしています。ヘルパーのシラユキでした、ごきげんようー!」
「露骨な感想の要求、さすがは姫様です」
「シアさんうるさーい!!」
「ふふふ、申し訳ありませんでした」