教えて! シアさん先生!! その12
「……ん、ん? おっと、これは失礼を……、こほん。皆様御機嫌よう、その涙が世界中のどの宝石よりも澄んだ輝きを持つという姫様の忠実なるメイド、バレンシアでございます。またまたお久しぶりですね」
「また大袈裟で恥ずかしい……。アシスタントその1のシラユキです、ごきげんようー。ふふ、その1です」
「うわ姫可愛い。っと、アシスタントその2のメアリーです、御機嫌よう。なんで私が呼ばれたんだろ?」
「特にリクエストは無かったのにね。でもメアさんがいるだけでこの安心感、すっごくありがたいよ。シアさんも変な事ばかり言ったりやったりできなくなるんじゃないかな?」
「あはは。姫は裏話だとシアに苛められてるんだっけ? 駄目だよシア、姫苛めちゃ」
「むう、メイド仲間が一人いるだけでこのやり難さ……。ま、まあ、いいでしょう」
「はいはい、早速始めて行こー! 今回で今来てる質問は全部消化するつもりで行くよ。はい姫、始まりの挨拶」
「私? うん。ええと、何回だっけ?」
「十二回です。今回は二人にお任せするのもいいかもしれませんね……」
「それも面白そうだけどタイトルが変わっちゃうよ? それじゃ、第十二回、『教えて! シアさん先生!!』を始めます! さっきメアさんが言ったとおり、今回で残りの質問を全部答えちゃう予定です。多分無理だと思うけど!」
「なんかこのハキハキ喋る姫が凄い新鮮なんだけど……。でも可愛いね。シアずるいよ、いつもこんな可愛い姫と二人っきりだったなんて!」
「タイトルがタイトルですからしょうがないでしょう? では、次回からは『教えて! メアリー先生!!』が始まります。皆様ご期待ください。教シアは今回で最終回という事で……」
「それはちょっと……、極端だなあ。今のは忘れて忘れて。はい、気を取り直して質問読むよ? 『子供のころに運動して筋肉を発達させないと骨が伸びなくて身長が伸びないと聞きますが、シアさんはそれを見越してシラユキにあんまり運動させてないのかな?』。だってさ」
「シアさん!!?」
「ち、違います! 落ち着いてください姫様!! なんですかこの質問は! 私はむしろ姫様に運動を勧めている側だというのに……」
「あ、そうだよね。ごめんねー。反省」
「いえいえ。こちらこそ大声を出してしまい申し訳ありませんでした。反省です」
「シラユキが運動不足なのは一応私たちのせいもあるかな? 姫はちっちゃくて可愛いからどこへ行くにもついつい抱き上げて行っちゃうんだよね」
「ええ、もう幸せで幸せでしょうがありませんよね。あ、姫様は大袈裟な物言いではなく本当に羽のように軽いです、ご安心くださいね」
「先読みされた! それでも普通に……、今何キロだろ私、分からないけど普通に重いと思うよ? 二人とも腕細いし、ちょっと心配になっちゃう」
「20数kg、といったところでしょうか。まあ、本編ではお教えしていませんでしたが、長時間抱き歩く場合は魔法で補助を入れていたりもします」
「へー、そうなんだ? キャロルさんが剣を持ち上げるみたいに操作系の魔法で?」
「人によるかな。風、って言うか空気の層で押し上げる感じにしてたりね。キャロルの魔法みたいに姫自身に魔法をかけてっていうのはあんまりないんじゃないかなって思うよ」
「よく分かんないや。やっぱり人は物と違ってそういう魔法もかけ難いのかな」
「ええ。まあ、皆さんなんとなくで使われている魔法ですから言葉では表現し難いのですよね……。? どうしてこんな話になったのでした? お勉強会はまた後程……」
「確かに。んじゃ答え、『運動不足はシラユキ本人の出不精と私たち家族の甘やかしが原因で、シアだけのせいではありません』。でいいかな」
「はい、ありがとうございます。第一問目からかなりの文字数を使ってしまいましたね。やはり今回で全てお答えし切る事はできそうにありませんね……」
「二問目読みまーす。『世界の巨乳シリーズを全巻焼き払ったってありますけど、誰が焼き払ったんでしょうか? シラユキその時には灯の魔法しか使えなかったはずだし・・。シアさんが代わりにしたのかな?』。ああ、これは森編で書く予定だったのだね。うーん? 答えちゃう?」
「森編もがらりと書き方が変わってしまったので恐らく問題ないでしょう。実際に火を点けたのは私で間違いありませんね。まったく、あんないかがわしい書物を収集するなど王族の方がされていい趣味ではありませんよ」
「ただのグラビアじゃんあれ……。それに写真じゃなくてリアルに書いた絵だし。みんな露出は多めだけど服も着てるし、グラビアですらないんじゃないかなアレ」
「これが強者の、持つ者の余裕というものですよ姫様」
「メアさんおっきいもんね……。あんな本に載ってる人たちなんて目じゃないんだよねきっと……」
「ああもう、こそこそ話さないの! シアだって小さくないってば。あ、姫?」
「うん? なあに?」
「名前だけだけどコーラスさんも載ってるんだよあの本。『エルフの巻』にね」
「マジで!?」
「こらはしたない。うんマジで」
「はー、さすがコーラスさんだね……。後で抱きつきに行こっと」
「そこは是非私に……、と、また話が盛大に逸れてしまいましたね。簡単にお答えしますと、『姫様とユーフェネリア様からのご依頼で私が処分する事になった』のです。焚き火の火付けに便利でした」
「焼き芋美味しかったです。ライスさんがとても下品でした!」
「あはは、また今度やろうか? あの本って実は結構大切な物だったりもしたんだけどね……」
「さくさく三問目! これは何とか全部いけるんじゃないかな? 『最初のころ、シラユキがメイド服着たがってましたけど、シラユキサイズのメイド服ってあるのでしょうか?』。え? 着たいの? 姫」
「え? ううん、別に? 私はメイドさんズのみんなが大好きなだけで、自分がメイドさんになりたいとは思ってないよ? メイドスキルの修行は結構してるけど。あったら着てもいいかなー、くらいだね」
「ではご用意しておきます。恐らくは姫様がまだメイド好きになられる以前の話なのでは、と思われます。姫様はよく私どもにその場でクルリと回って、とお願いされていましたからね」
「あー、あったねあったね。最近は、と言うかもうずっと聞いてないねソレ。ふわっとスカートが広がるのが好きなんだっけ? やーらし」
「いやらしくないよ! シアさんはちょっと短すぎてそう見えちゃうかもだけど……」
「うんうん。見えそうで見えないのがまた……。シアはスカートが上がると太腿チラしちゃうからね」
「シアさん凄く嬉しそうに回ってくれてたよね……。その頃の私って多分キリッとした服装に憧れてたんじゃないかな? 私は子供だから着ても似合わないと思うし」
「そこは姫様専用に可愛らしく誂えますのでご期待頂いて結構ですよ。まあ、確かに、その、体にメリハリが無いと見栄えがしませんよね」
「私たち三人は問題ないかな、自分で言うのもちょっと恥ずかしいけど。特にフランは……、何て言うんだろうアレ」
「姫様おっぱいランキング3位の実力は伊達ではない、と、そんな所でどうでしょう。私も長年メイド修行を続けてきたのですが、やはり天性の才能には勝てそうにありませんね」
「シアだってまさに絵に書いたような美人メイドのくせに……。カイナもクレアも美人だし、私だけなんか平凡だよね。背も低いし」
「えー!? メアさん美人さんだよ? その胸のサイズはどう見ても平凡じゃないよ!?」
「あら嬉しい事言ってくれちゃって。あー、姫は本当に可愛いなー。うーん、キスしちゃおう、おいでおいで。おっぱいも揉んでいいよ」
「わーい。メアさん大好きー! 舌入れようとしたらシアさんに殺されちゃうから気を付けてね、裏話だと遠慮しないから……」
「ああ、うん、睨んでる睨んでる。シアは本当に怖いなー……」
「んー! 姫かーわーいーいー!! ここだと二人っきりの時みたいに素直に甘えてくれていいね。また次も呼んでよ」
「きゃー! 耳舐めないで噛まないで!! ぞわぞわするるるる」
「ふむ……、残り三問ですか。もうそんな雰囲気ではありませんしまた次回、という事で今回はこの辺りで終了とさせて頂きます。メア、そろそろ代わってください」
「えー? シアはいつもこんな可愛い姫と一緒だったんだからもう少し我慢して。ひーめ、おっぱい吸う?」
「吸わないよ! でも揉んじゃう、頬擦りしちゃう。メアさんだーい好き!」
「くうっ。ま、まあ、いいでしょう……。私はメアが帰った後にたっぷりと……」
「帰った後に、何!? たっぷりと何されるの私!?」
「もしかして裏話だと本当にそういう関係? 姫は子供なんだからちゃんと優しくしてあげてる?」
「どういう関係!? ふーんだ、そんな事言うともう膝の上から降りちゃうんだからね!」
「ああ、拗ねちゃった。ごめんごめんねー。もう言わないから降りないでね、ひーめ」
「うん! ふふふ」
「ふふ。あー、幸せ」
「な、なんという疎外感……。姫様とメアはもう完全にこのコーナー自体忘れてしまった様なので、締めの挨拶は私のみでさせて頂きます。それでは皆様、また遠い次回にお会い致しましょう」
ネタ成分ゼロでお送りしました。
次で今ある分は全て消化できそうですね。
まあ、一月二月先の話になるとは思いますが……