パーティー会場 アルメリアの後悔
【タイタニ王国王都ルイン】
タイタニ城から真っ直ぐ南側へ伸びる大きな中央道を進むと貴族街から平民街に出る更に城門を抜けると通常は王都外になるがこの王都外の城門前の道の左右に巨大な建物がある
独自に壁を造り其処を商店街にしてしまった世界一の巨大商会『ヨツバ総合商会』だ
この中のダンスホールが今回のパーティー会場だ
このダンスホールは特別な時にだけ解放される場所で例え王族でも入ることが出来ない
それだけに今回の気合が皆違う
このダンスホールが会場に決まったときに招待された者は最上級の服装や装飾品を…そして女性達は美容に…とんでもない額が飛び交った。
全三階層の建物で1階がロビーと待合室とファンクションルームや調理場など
2階がゲストルームやスタッフルームになっている
そして3階が全て魔道具化したガラス張りの360度パノラマダンスホールで晴れの日は王都ルインの夜景など、生憎の天気ならばガラス部分に違う映像を流せるようになっている
当然、外から中が伺えない
エレベーターも稼働している
当日は暗くなってからの開始だが待ちきれない招待客が昼過ぎから行列になっていた
仕方ないので1階部分を解放して時間まで待機して貰っていた
「ほぉ、これが噂されているダンスホールですか。流石に格がちがいますなぁ」
「これは自慢できるな」「まさか、これほどとは」「私、今日の為に今、人気のドレスを作らせました、おほほ」
来場者には好評のようだが張り切りすぎて行き過ぎの人がチラホラ
舞台裏からそれを見ていたユリウスは
「確かにお金が掛かってるのは分かるが衣装がキラキラとし過ぎて目が痛いな、昔の日本のアイドル並みに自己主張が激しいな。女性は厚化粧し過ぎてもはやオバケ…を超えてアンデッドモンスターだ。お墓とかで出会ったら討伐してしまうな。その中でも何人かはボス級ではないか。最強装備でないとヤバそうだな。どっちにしろ無傷ではすまないな」
「ああ、なかなか厳しい戦いになりそうだな。久しぶりに楽しい戦いになりそうだぜ。アンデッドのスタンピードか?大将、俺が先陣を切るぜ」
舞台裏から一緒に見ていた冒険者クラン《不知火》の鬼人族の大男、4番隊隊長《羅刹》のダダンが飛びだそうとする
「うふふっ、ダダン止めなさい。貴方様もダダンを煽らないで下さい。本気にしてますよ」
エルフの妖艶な美女である6番隊隊長《旋風》のエリアだ
イブニングドレスに身を包みスリットから見える生足が…けしからん
「はい…調子に乗ってすいませんでした…」
顔が笑ってはいるけど目が笑ってない。
アンデッドよりこっちの方が…
パーティーには通常は婚約者と一緒に会場に入るのだが婚約者が複数いる場合は両手で、更に多い場合は後に妻の序列順に並ぶ
勇者ワルツ君はエリザベス第2王女様と元々の婚約者の伯爵令嬢だ(両方がペッタン娘だ、勇者君は徹底してるな)
エラソン王太子殿下は公爵令嬢ミリアンや侯爵令嬢など複数人を引き連れ最後尾に聖女アルメリアがいる(こちらは全員がロイヤル級だ、流石は王族だな)
その中、アルメリアは聖女ではあるが貴族の階級は子爵令嬢と1番低いからだ
列の1番後ろを歩くアルメリアに対して他の婚約者達はあまり歓迎していない
普通は王族は伯爵家以上の家柄でないと結婚は出来ない
そこに子爵令嬢ではあるが聖女だから割り込まれたようなものだ
まだ公爵令嬢のミリアンなら我慢出来るがアルメリアには容赦ない言葉の暴力やイジメに近い行為が行われていたがエラソン王太子は気づいていなく、またアルメリア自身もエラソン王太子に話すつもりは無かった。
「それがユリウスに対する私自身の贖罪だから」
パーティー会場が開きそれぞれ決まった席へ案内される
各国の大使や代表などは壇上に近くに
タイタニ王国はドアに近い方に席がある
エラソン王太子は辺境伯家が主体のパーティーであるから当然のように上座へ向かおうとするが止められる
「何故わが国の家臣が開いた宴に参加して国の王太子たるこの私が下座に座らねばならん?今すぐに改めよ。」
「申し訳ございませんがユリウス会長より席のご指定がされております。拒否される場合は退場して頂いて構わないとの事です。いかがなさいますか?」
ドカッと席に腰を下ろして「ふんっ」と鼻を鳴らす
エラソンの婚約者達も席に座り始めた
そこにピンク色の髪の美しい女性が目に入った
あの不敬なユリウスより奪った戦利品だ
アイツの悔しがる姿が見れるかもしれんな
「お前達は下がれ、アルメリアとミリアンは私の隣に居ろ」
エラソンが勝手に席を替える
これには侯爵令嬢始め他の婚約者達も反対する
「王太子殿下、ここは正式な会場でございます。申し訳ございませんがアルメリア嬢ではお勤めが難しいと存じます。」
「ウルサイ、私に意見するな」
「しかし、慣例というものが…」
「聞こえなかったか?私がこのような席を用意されること自体が、正式なパーティーではない証拠。いいから下がれ。アルメリアはこっちに来い」
「……はい。」
ミリアンを除く婚約者達の鋭い視線がアルメリアに刺さる
アルメリアはこの後にされるであろう嫌がらせを想像してウンザリするが自分の撒いた種だ、受け入れなければならない。
全くそれに気がつかないエラソン王太子はようやくユリウスにひと泡吹かせる事が出来ると上機嫌になっていた
更なる悲劇がすぐそこにあるというのに…
アルメリアは煌びやかなダンスホールで自分の権威に一生懸命しがみつく王太子を哀れに思いながらもあの時の雰囲気に流された自分が1番腹立たしかった
あのユリウスとの婚約期間がアルメリアに取って唯一の…あの夜に意地にならずにユリウスと話し合ってれば違う未来だったのかな?
あの頃に戻りたい…アルメリアは俯きながら王太子の言われるがまま王太子の隣で後悔するがもう遅かった
「ユリウスが有名なクランのリーダーでも世界的な商会の会長でも無くても私はユリウスが今でも…」
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ルナリン




