王国の反撃……ならず
話しが決まりお供のユキミとシャルロットと会場から出ようとドアまで歩いていくと会場の一角から声があがる
「ユリウス卿、待たれよ。貴殿の言う条件を全て撤回して頂きたい。辺境の人々を人質にするようで気が進まぬがこれ以上、強行されるようなら私の領地から食料は出せませぬぞ。だが我々と王国を脅かす他国との戦に轡を並べて頂けるなら盟友として迎えいれる用意がある。どうか、お考え直しを。」
発言したのはガルフ公爵
大穀倉地帯を領地に持ち王国の台所と呼ばれる領地を支配している
当然、王国内でも1・2を争う大物だ
時期宰相として有力候補の人物で勇者パーティーの《魔術師》ミリアンの父親で本人も魔法が得意で俺の義父になる予定だった人だ
名前をアレックス 紫色の髪に髭を蓄え厳つい顔をしたおっさんだ
「そうですな、我らも辺境伯嫡男殿がこれ以上頑なに、事を運ぶなら鉄鉱石を始めとした物資を止めねばなりませんなぁ。」
続いては偉そうな態度で髭を摩りながらユリウスを見下し薄ら笑いを浮かべるハーメツ侯爵
勇者ワルツ君の父親で領地は様々な鉱石や宝石を産出する領地で勇者の生家になるので最近ではどんどん態度が大きくなってきている勘違い野郎だ
そのデップリとした腹を揺らしガハハと笑う
名前はタンゴ 茶髪に赤目のメタボだ
「おー、そうだな。ガルフ公爵もハーメツ侯爵も良く決断してくれた。ユリウスよ、今回の事は無かった事にして王国はこれからも辺境と共に前に進んで行きたいと再確認した。この国難を無事に乗り切れた暁には再度、エリザベス王女、ミリアン公爵令嬢、アルメリア子爵令嬢の婚姻を認めようと思う。他に欲しい娘が居るならワシが間に入るぞ。」
息を吹き返したジメッツ王がここぞとばかりに言ってくる
「ユリウス、そうよ。国を救った英雄として私達を迎えにいらして。私の夫としてはそのくらいでないと釣り合いがとれないわ。」
元婚約者として代表してエリザベス王女が答えた
「どっちでもいい…お腹空いた。」
相変わらずマイペースなミリアン、栄養が全て魔境山に行ってるな
「…ユリウス…」
唯一、アルメリアだけは嬉しそうではあるが悲しそうなとっても不思議な顔をしていた
そして周りの貴族達も
「そうですぞ、我々は王国貴族としてこの国難に互いに力を合わせて立ち向かいましょうぞ。」
「必ずや、王の御前に首を並べて…」「手柄をあげねば…」「一族を引き連れて…」
う~~~ん、分かるんだけどね。
サウス領は食料を確かにガルフ公爵から買ってはいたがそれはミリアンと婚約していたからだ。
そもそもヨツバ総合商会の会長でもある俺が食料を買うのはガルフ公爵で無くても飛行艇もあるし、世界中に食料の生産者がいるし、今はサウス領でも農地改革して改善している
ガルフ公爵は切り札にしているらしいがその顔がアホ顔に見えるな
ハーメツ侯爵は更に最近では値段も吊り上げ始めたのでそろそろ鉱石売買を切ろうとしてたしな。
世界には君達の領地より良い所もあるんだよ
それを含めて会場中の人が注目集めるユリウスは立ち上がり例の言葉を言う
「皆さんの話しは分かりました。確かに食料は大事ですし、鉱石がないと魔の森があるサウス領で武器が不足するでしょう。………だが断る。」
会場中の人が「えー」ってなりガルフ公爵は眉間にしわを作り、ハーメツ侯爵は机を叩き「バカな。」と勢い良く立ち上がる。
ハーメツ侯爵、ヅラだったのね。
勢い良く立つから髪の生え際がずれてる
「ぷふっ、すいませんサウス領の弱点になり得る食料と鉱石をヨツバ総合商会の会長でもある俺がなんの対策もしてないと思っているのですか?シャルロット、サウス領は何か困る事ある?」
「いいえ。ございませんわ、会長。」
ヨツバ総合商会総括のシャルロットが答える(シャルロットも素晴らしい山だが攻撃重視なんだよな…嫌いではないがな)
「なんだとー」ハーメツ侯爵はまた激しく動くから更にヅラがずれた
「ぶふっ、はい。すでにサウス領ではお二方の領地から物資が無くても困らない対策積みですよ。」
「ふざけるなー」更にヒートアップするハーメツ侯爵
完璧にヅラが取れてしまったが本人は気づいていない
まわりのハーメツ侯爵の寄子貴族が気づき笑いを堪えていた
「ぶわはっ、当たり前じゃないですか。勇者パーティーの今までを見てれば婚約破棄まで予想出来るしそうなれば食料と鉱石の問題も出ますから。だからもうあなた方から食料も鉱石も私達(ヨツバ総合商会)が買う事はありませんよ。今までありがとうございました」
「貴様ー」掴みかかろうとするハーメツ侯爵を避ける
勢い良くコケた侯爵に素早く侯爵の寄子貴族が近寄り起こすフリをしながら侯爵にヅラを被せた
「おー、」この時、会場中がパチパチと盛大な拍手に包まれた
ユリウスもこの寄子貴族に惜しみない拍手で敬意を表した
こうして大事故?になりそうだった王国の最後の悪あがきも不発に終わり会場を後にする前に
「ガルフ公爵、俺はあなたが嫌いではなかったですよ。義理でも親子関係になれなかったのは残念です」
一礼するとお供のユキミとシャルロットを連れて会場を後にした




