子供達との訓練の日々
それからは勇者パーティーは幼年組《繭》と一緒に活動している。幼年組でもほとんどの者が魔闘技を使い魔物と戦っていた。勇者パーティーは遅れを取らないように必死で着いていく。
「だから、無闇に突っ込んでいくなよ。フォローする方もキツいんだから」
子供達に男性陣は今日も怒られている。
「ママ、抱っこして……」逆にアルメリアとミリアンには小さな子供達が集まり大人気になっていた。それを見ていたユリウスはエリザベス王女の一部を見て「あー、そうだね」と呟くと聞こえていたエリザベス王女が、
「失礼ね。私だって成長してるのよ。これからも期待値は高いんだから」
そういうと、目の前をジュディア(十一歳)が弾ませながらエリザベス王女(十八歳)の前を通り過ぎていく。
「期待値は……なんもいえねー」
エリザベス王女は「キー!」と言うとドスドスと足音を立てて離れていく。そして、その向こうでは信じられない光景が広がっていた。
「だから、勇者のお兄ちゃんはなんで私達の方ばかり見てるの? 危ないでしょ」
そう幼女達に言われている勇者君は、自分から尻を幼女の方に突き出して、蹴りやすい位置まで腰を落として万全の構えをする勇者の姿を捉えた。
幼女達も戸惑いながらその尻を軽く蹴るが
「もっと~、もっとだ。もっと気合い入れて」
なぜか顔を真っ赤にしながら怒る勇者君。
「どうなっても知らないよ。本気でいくよ」
魔闘技はまさに必殺技だった。もの凄い音が同じく魔闘技を使っている勇者君の尻を中心に響き渡り、その勇者君は
「あひえ~え~ぇ~ぇ~」
もの凄い良い声で鳴いていた。ホントに好きだよね。っていうか勇者君は〖ちっぱい〗なら幼女でも守備範囲なのか!?
ゴールデングラブ賞ものだな。
相変わらず、剛の者である勇者君のレベルアップはやはりスゴいモノがあるな。レベルアップの時の上がり幅が特別高いのかな?
勇者パーティーが全員下級の職業をクリアして本来の自分達の職業に戻っている。
その中で前回より上級職業になったのはエリザベス王女は弓術士から弓聖へ、ミリアンは魔導師から賢者へ、アルメリアは回復術士から聖女へクラスチェンジしている。
エラソン王太子と勇者ワルツ君はそのまま聖騎士と勇者のままで。
色々な職業を経験して積み重ねた勇者パーティーは戦力が大幅に上がり約束通りに装備品を渡すことにした。
エラソン王太子にはハイミスリル製のフルアーマー『真聖騎士の鎧』、同じくハイミスリル製の剣『真聖騎士の剣』、真紅のマントは魔物のヒクイドリから捕れる羽で作られた。全ての装備品に身体強化と魔力強化の付与がされた上、個人認証まで付与された専用装備になった。
エリザベス王女には木の魔物であるトレントの木とハイミスリルを合わせた複合弓に魔力で矢を放てる機能が着いた『マジックボウ』、ハイミスリルを繊維にして魔物のデススパイダーの糸を編み込んだドレスアーマー『スターダストアーマー』、全ての装備品に魔力強化と魔力吸収の付与がされた個人認証付きの専用装備になった。
ミリアンには木の魔物トレントの上位エルダートレントに魔法石と呼ばれる石を全属性を埋め込んだ『賢者の杖』とエリザベス王女と同じハイミスリルとデススパイダーの衣に魔水晶が埋め込まれた『賢者の衣』、全て装備品に魔力強化と魔力回復強化が付与され個人認証付きの専用装備になった。
アルメリアにはハイミスリルと アダマンタイトの複合した錫杖『聖女の杖』とハイミスリルを清めたホワイトミスリルとデススパイダーの糸を編み込んだ『清めの衣』、全て装備品に魔力強化と回復強化を付与された個人認証付きの専用装備になった。
そして勇者ワルツには例のスケルトンが持っていた聖剣を更にハイミスリルで鍛え直した『聖剣シルバーダイン』にハイミスリルとドラゴンの鱗をつけたスケイルアーマー『ドラゴンアーマー』、全て装備品に身体強化と魔力強化を付与された専用装備になった。
装備品も整い職業も取得できた勇者パーティーのメンバーは期日のギリギリまで子供達と一緒に魔の森での訓練をして己を高めていた。子供達からは最終的には慕われている。
同じ釜の飯を食べた戦友と認められたと言う事だ。
そこに不穏な情報が入る。
王国からの使者からの情報で現在、王国騎士団は東側に移動を始めているそれは、王国東側のイスマリ王国とハマト王国の軍事同盟が予想よりも早く動きそうな気配で食料などを集めて近々王国に攻めてくる。
勇者パーティーにも緊張が走り、いよいよ王国の運命をかけた戦が開始される。
それに伴って勇者パーティーに魔闘技《纏》といくつかの技を教えて送り出す事にした。
恐らく勇者パーティーが到着する前に戦争が始まってしまうだろうが勇者パーティーには万全の態勢で望んで欲しい。
緊迫した状況の中、子供達の励ましもあり何とか全員がユリウスの合格点を貰える所まで成長出来て出発を迎える事ができた。




