勇者を辞めてもらいます
ここは居残り組の勇者パーティー強化合宿
勇者パーティー全員が地獄のサーキットをやり遂げて体力・魔力共に以前よりも強化はされたが今までサボってきた分、取り返したというところだ
「はいはい、こっち向いて!これから三ヶ月で強くなる為に貴方達には〖勇者〗を辞めてもらいます」
「「「えっ?」」」
勇者パーティーの全員が動きが止まる
「どういう事だ、ユリウス?」
当の《勇者》ワルツ君が反応する
「ああ、ゴメン。《勇者》だけでなく貴方達全員の《聖騎士》、《魔導師》、《弓術士》、《回復術士》の全てを辞めてもらおうか」
し~~~~ん!!
それも、そうだね。
今の世界の常識では職業は十歳の儀式で決まってそれからは一生変わることがない
だからこそ、伝説の勇者が現れたから切れ者のガルフ公爵が強硬手段に出たわけだが俺にはその方法がある
「貴方達が考えてる事は分かる。でも職業は変えられる。俺の職業は《転職者》だ。転職を司る職業だ。俺自身はもちろん、他人の職業も変更できる。そして、職業の力は積み重なる」
勇者パーティーをそれぞれの顔を見ながら
「聖騎士も、弓術士も、魔導師も、回復術士も、そして当然勇者も」
「くっ、それで我々には何になれと言うんだ?」
エラソン王太子から当然の質問がある
「そうだな、一通りは全てやって貰らいますよ。そして名前だけ勇者ではなく本物の勇者パーティーになってください」
「何故だ。キサマは何を考えてる? おかしいだろう? 何故俺達を強くするんだ、キサマにとってはタイタニ王国は憎むべき相手のはず、そして私やワルツはキサマから婚約者を奪っているというのに……」
「フフフッ……今、王国に倒れられるのはダメなんですよ、王太子殿下。ですから貴方達が俺達の為に全力で王国を守って下さい。 それが貴方達を鍛える理由ですよ、ちなみに婚約者を盗られたっていうのはもう、どうでもいいです。俺には可愛い婚約者達がおりますので……」
「「くっ」」エラソン王太子とワルツが悔しがる。見下していたユリウスが自分達を利用しようとしているのに、生き残る為にはそれにすがるしかないから。
逆に女性陣はユリウスに盗られても構わない女と言われて落ち込んでいる
「さぁ、時間は有限ですよ。まずは三ヶ月のうち二ヶ月は色々な職業をやってもらう。 最後の一ヶ月でそれぞれの職業を極めて強化合宿は終わりですよ、是非頑張って良い三ヶ月を過ごして下さいね……フフフッ」
そして、一人一人の肩に手を置き目を瞑る。その度に身体が光りに包まれて身体から力が抜けていく
勇者パーティー全員が終わった、その中でアルメリアは昔を思い出していた。
(アルメリア、大丈夫さ。俺を信じてくれ。 この職業は凄いから少し時間が掛かるけど)
「ユリウス、ひょっとしたら《転職者》で色々な職業を経験してるから強くなってるのね?」
「ん?ああ、そうだよ。だからこの職業は凄いよって言ったと思うけど」
そうなのだ、確かに言っていた。けど、信じ切れないアルメリアは裏切ってしまった
またひとつ、アルメリアの心に棘が刺さってしまった
「でも、おかしいだろう?ユリウスはほとんどの時間、俺達と一緒にいたはずなのに、そんな力を感じた事は少なくても俺はないぞ」
「フフフッ……アハハ。さすが勇者ワルツ君だね。勘が鋭いのか天然のなせるワザなのか。誰もが不思議に思うよね。勇者パーティーの荷物持ちである俺がキミ達よりも何故、強いのか。そして、どうやって巨大二組織を運営してるのか。でもね、それを親切に教えてあげるわけにはいかないよ。そうだな……勇者パーティーが戦争で王国が守れたら教えてあげようか?貴方達が生き残れないと聞けないから頑張るしかないね。」
今回は勇者パーティー全員が《戦士》になり武器を振り回している。次々と迫るゴブリン相手に。
そこでは元々前衛をしていたワルツ君と王太子殿下は慣れたもので、後衛の女性陣は苦労していた。訓練は全てが実戦でとにかく武器を振るっていくしかなかった
そして、意識させられたのは連携だった。
それぞれの動きを見て次にどう動くのか、どう動いたらいいのかという話し合いを戦闘後には確認し合い、次の戦いを行う
そんな特訓が三日経つころには武器を使う事にも慣れて五日経つとゴブリンの上位種とも戦えるようになる
一週間経つころには全員が一人前の戦士になっていた
「お疲れ様。どうやら戦士はもう大丈夫そうだね。じゃあ、次はね……」
武道家・盗賊・弓術士・魔法使い・回復魔法使い……
職業が変わる度に力が抜けて戦ってコツを掴んだころにはまた違う職業にを繰り返している。職業が変わると身体能力が下がるようだ
しかし憶えたワザまでは失う事はなかった
それは魔法も同じで全員が魔法も回復魔法も使えるようになり武器や格闘などの接近戦も出来るようになっていた。
劇的な変化に勇者パーティーは自分達が強くなっている実感と、ユリウス達はどのくらい強いのか底が見えない恐怖があった。




