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お前の全てを奪ってやったぜ。と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?  作者: ルナリン
第四章 勇者パーティー強化

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SS 操り姫 ミリアン

 ミリアン・フォン・ガルフ


 アレックス・フォン・ガルフ公爵と側室アヴリルの間に生まれたガルフ公爵家三女

 父親のアレックスは王国でも有数の大物貴族で魔法使いとしても優秀だ

 アヴリルは平民の出だがその魔力において宮廷魔術師に匹敵(ひってき)し、王国の魔女と呼ばれるている

 また美貌(びぼう)も持ち合わせた女性でアレックスに見初(みそ)められた


 アレックスとアヴリルの間に生まれたミリアンは当然、魔法に関しても期待され十歳になる前から、公爵自ら魔力の訓練を行いまた素質も抜きん出ていた

 そんなミリアンを母アヴリルは優しく抱きしめて


「ミリアンは頑張り屋さんね。でも疲れたら休んでもいいのよ。ミリアンはミリアンのペースでやればいいのよ」


 優しく笑いかけてくれる母アヴリルがミリアンは大好きだった


「ママが喜んでくれるから。お父様の言う事をよく聞いてミリアンは頑張るよ」


 そんなミリアンを母アヴリルはニコニコと見ていた。

 母の心配をよそにミリアンの実力はドンドンと上がり魔法は十歳の職業がないので使えないが魔力だけでも母アヴリルに日々、近づいてきた。


 そんなミリアンが七歳の時に事件が起きた。

 社交界シーズンを終えて領地に帰る馬車が盗賊に襲われた

 馬車には母アヴリルと腹違いだが優しい一番上の姉ラティアとミリアンが乗っていた

 護衛騎士達が応戦する中、騎士の数名が裏切り盗賊に味方した

 一人また一人と騎士達が倒れる中、母アヴリルも魔法で応戦したが特殊な魔力遮断魔道具が使われ母アヴリルは捕まってしまう。

 同じ馬車にいた長女ラティアとミリアンもまた捕まった

 そこからは地獄だった、恐らくは建物だろう薄暗い部屋の中で閉じ込められて、盗賊達の気分で殴られ蹴られ泣いたらもっとひどく……


 母も姉も盗賊達の気分で殴られ蹴られ酷い目にあっていた


「なんであの人達は笑いながら酷い事するの?私達は何もしてないのに」


 毎晩、盗賊達にバレないように声を殺して泣いていた。うるさくするとまた……

 そんなミリアンを母と姉は優しく抱き締めてくれて


「きっとお父様が助けてくれますからね。ミリアンも頑張りましょうね」


 いつもあの大好きな笑顔で笑いかけてくれて、姉も自分が辛いにも関わらず優しくてミリアンは安心できた

 そんな母も姉も度々(たびたび)監禁部屋から出されしばらくすると戻ってくる

 必ずその日の夜は二人とも声を殺して泣いていた

 ミリアンはどうしていいのか分からず黙って朝が来るのを待ってるしかなかった

 そんな日がしばらく続き、ミリアン達は何も変わらず相変わらずな毎日だったが姉ラティアが監禁部屋から連れて行かれてからいつまで経っても戻って来なかった

 次の日も、その次の日も……

 母は盗賊に姉の事を聞いていたがその度に暴力を振るわれている、そして母も連れて行かれた

 一人で心細くなりながら待っていると突然、母の魔力が急速に高まり大きな爆発音が鳴り響く

 《魔力暴走》感情の高ぶりなどで起きる魔力災害の一つ。それが近くで起きた。

 ミリアンは恐くて部屋の隅で震えていたが爆発で部屋の壁が崩れ落ち隣の部屋が見えた


 そこには…………


 もう、ミリアンの頭を優しく撫でて貰えないだろうグッタリとした姉とその姉を身体中傷だらけの母が抱き締めている姿だった

 盗賊達はみなが倒れているようでミリアンは母に近づいていく、母は辛いにも関わらずミリアンが大好きな笑顔でニッコリと笑いかけて


「ごめんね、ミリアン。お姉ちゃんとママはもう、ここから出られないの。ミリアンはすぐに逃げて幸せになってね。お父様の言う事をよく聞いて良い子にしてるのよ。そうしたらまた会えるから……」


 母はそう言うと力無く崩れ落ち倒れた

 母の座っている辺りは赤い池になってひどく鉄のようなニオイが部屋中にしている


「ママ…、ママ?起きてよ。ミリアン一人じゃ寂しいよ。お姉ちゃんも起きて。ねー。」


 うわ~ん、うわ~ん……

 そこからはよく憶えていない……ただミリアンは魔力を全部使い切り《魔力暴走》を起こしたと後から聞いた。

 二度の魔力暴走で建物が崩れ瓦礫(がれき)で埋まる中ミリアンを守るように偶然に母アヴリルと姉の遺体が(おお)い被さりミリアンは傷一つなかった

 ミリアンは母と姉が助けてくれたと思っていた


 それからだった厳しくもありでもその中に優しさがあった父アレックスはある行動に出た。

 盗賊達を使っての妻と子供達の誘拐にはアレックスの政敵(せいてき)の貴族が関わっていた。妻子(さいし)を無事に……と脅迫されている中での今回の事故だった。ミリアン以外は助からなった、犯人はその貴族で間違いないのだ。

 単身、その貴族の屋敷に乗り込みその屋敷にいた貴族家以外の者は全て殺された

 その貴族家と裏切った騎士とその家族はガルフ公爵邸の庭に(はりつけ)られた。そこにミリアンも連れてこられ


「ミリアン、魔法暴走をコイツら使い殺しなさい。アヴリルと姉ラティアの仇討(あだう)ちをさせてやる」


 ミリアンは戸惑っていると頭の中から大好きな母アヴリルが


「お父様の言う事をよく聞いて良い子にしてるのよ。そうしたらまた会えるから……」


 あの優しい笑顔の母アヴリルが言う


「うん、ママ。ミリアンはお父様の言う事を聞いて良い子にしてるよ。また、会いに来てね」


 その日の公爵邸の庭に大きな爆発の後が出来ていた。

 お父様の言う事を聞いてると必ず母アヴリルが姉と一緒に会いに来てくれて喜んでくれる、たから今日もお父様の言う事を聞く。こうして《操り姫》と呼ばれていく


 ユリウスと婚約したときも、勇者パーティーに入ったときも、エラソン王太子との出来事も全て父の言いなりだった


「ママ、私はママに会えるのが嬉しいの。だからお父様の言う事を聞くのは嬉しい事なの。そうしたらまた夢でも会えるよね……ママ……お姉ちゃん」

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― 新着の感想 ―
父親が権力を求めるようになったのもミリアンの件があったからミリアンや周りの人達を守るために次期宰相になろうとしたのかな?
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