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お前の全てを奪ってやったぜ。と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?  作者: 月鈴
第一章 全てを奪われたのか?

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さぁ、開始の合図だ

 王城内で今後の勇者パーティーの話し合いが始まっていた。

 誰もがユリウスを忘れたかのような騒ぎの中で、大きな声で笑い出した者がいた。

 冒険者クラン不知火(しらぬい)の《剛拳》ギリだ。


「わははははは……」


 二メートルを超える身長に筋骨隆々のマッチョの虎獣人だ。

 声がデカい、カラダもデカい、態度もデカい。

 それに釣られて他のクランメンバーや対面のヨツバ総合商会それに辺境伯家寄子貴族家からも、大爆笑があり他の者達は圧倒されていた。

 ただ一部の勘の鋭い者は徐々に顔色が悪くなっていた。


「わははははは……」「あははははは……」


 そこら辺からも大爆笑がこちらに対してだと、ジメッツ王も気づき始めてきた。

 勇者パーティーの面々も不安げでその顔はアホ面だった。


 赤髪の虎獣人ギリがユリウスに向かい歩きだし、笑いながら拳を振り上げる。

 分かってない全員が固唾を呑んで見守るなかユリウスの肩に手を置いた。


「わはは……マジで追放されたな。腹痛てーな、旦那を追放って……わはは……」


 腹を押さえて笑いながら涙を流すくらい笑っていた。


「なっ、来て良かったろう。あははははは。もう多分こんな事は見れないから」


 ユリウスとギリが仲良く肩を叩きながら、話しをていた。

 そこにクランリーダー補佐の銀髪美女の《銀華》ユキミがやってきて、


「お疲れ様です。ご主人様。でもあまり愛しい人が笑われるのは好きにはなれません。ギリもいい加減にしなさい!!」


 そう言いながら黒龍の革で出来たコートを、ユリウスに羽織わせたナンバー【0】を……


 会場中がし~んと静まり返りその中で、一人の妙齢な美人女性が微笑みながらユリウスに近づいていく……

 それを見ていた人たちは、それぞれ違う反応をしていた。

 最悪を想定して震えるもの……

 生き残れそうな算段がないか考える者……

 逃げ出す者……

 失禁してる者……

 訳が分からず呆けている者……

 そして怒る者……

 様々な反応だがユリウスの腕に、《ヨツバ総合商会》シャルロット総括が金の腕章を付けた。


「そうですよ、会長。私達は皆がお慕いしてるんです。女心を分かってないですよ?」


 シャルロットがプリプリ怒りながら、自分にも黒いコートに袖を通す《三》番の……

 控えていたダンテも《五》番を着ていた。


「……すいません」謝らないと後が恐いから。


「若様」辺境伯家寄子貴族が膝をつき、深々と礼を深々とする。


「皆、お疲れ様。俺は少し王都に残るから先に帰って戦争の準備しててね」


 その瞬間に王城内は爆発したような騒ぎになった。各国大使は自国に報告のため使いを、送りこちらも王国に対して戦争準備を促す。

 各ギルドも急いで指示を出し、戦争に備えるように注意を促す。


「ジメッツ王、婚約は白紙ではなく、そちらの不貞による婚約破棄になりますよね。当然こちらは山ほどの証拠が有りますよ。今ここで開示してもいいのですがその場合、エリザベス王女様の残りの人生に関してはお約束出来かねます。それはミリアン嬢やアルメリア嬢にしても同じです」


 いやぁ、残念ですってジェスチャーをする。


「貴族として終わるのでなく人としてね。あんなに王太子殿下や勇者君のお部屋訪問してて、バレないと思ってたのかな?」


 頭の上で指をクルクル回してパッと開く。


「そして一方的な不貞による婚約破棄には、慰謝料が発生しますよ。私はこれでも最強クランリーダーで、世界経済の覇者で、辺境伯家の跡取りでもあります。肩書きが増えると慰謝料も増えてしまいます。これだけの肩書きはおいくらかしら?」


 タイタニア王国の貴族達は下を向いて震える。そこにエラソン王子から合図があり、近衛騎士団長がユリウスに後から斬りかかった!!


 その剣をわざと指で受け止め、

 少し傷が付く。

 近衛騎士団長のミスリルのフルアーマーの首を掴み

 持ち上げて、

 腹に裏拳を叩き込む。


 《ドガッ》と音がして、拳の形にミスリルフルアーマーが凹んで壁まで吹き飛んだ。


「あーあ、やっちゃった。交渉する気がないならサウス領に帰っちゃうよ。どっちにしろ暗殺未遂で慰謝料の倍率どんだよ。今現時点で、中央貴族達が持つサウス領と付近の利権全て引き上げさせますね。いいですね?」


 指に付いた傷から流れる血を見せつけて、ヤレヤレとポーズを取ってみる。


「悪かった。どうするかは返事は数日待ってくれ」


 ジメッツ王が顔を青くしながら頭を下げた。


「んー。まあ、いいかぁ。ここにお集まりの皆さん一週間後にウチの商会の所有している会場で、パーティーを開きます。そこに皆さんを御招待したいと思います。そこで今日の事を含めて今後のご説明しますね。王家はその前日までがお返事期限です。決まらなければそのまま帰ります……それまでの面会は他国の方のみに限定します。それでは失礼します」


 手をヒラヒラさせながら扉から出る為に歩くが、途中で突然振り返り……


「あー、そうそう俺は以前から、ギルドなんていらないと思ってたんだよね。新しい組織作るからお前ら老害が蔓延る所は潰すから!」


 じゃあねって感じで後を向きながら、バイバイと手を振り退場していく……それに従い次々と残ってたメンバー達が一人一人が、殺気を込めたり嘲笑ったりしながら退場していく。

 最後にヨツバ総合商会ダンテから、


「それでは皆様ご機嫌よう。是非、フィナーレまで走り抜けて我が主様のシナリオを超えられる方が現れるのをお待ちしております」


 王国式の礼をすると去っていった、これから起こることに頭が白くなり、殆どの者が動けなくなっていた…………

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