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廃村ハイデールと炎の双剣①

★「008」ナギト(17)♂ 武器片手剣 魔法剣士資質 Eランク

  スキル:(開眼)マナ寄せ、マナ返し 回転マナ返し

〇「009」ライガ(46)♂ 武器槍 槍突騎士資質 王下Bランク

  スキル:突撃の槍、亜空間魔法(収納激小)他

〇「011」ストナ(20)♀ 聖騎士資質 武器大剣 

  スキル:聖流剣 聖回復 亜空間魔法(特大)他

○「016」ユーム(38)♀ 炎勇旅団隊長 Aランク アーチャー資質

 雨矢 千本矢 心臓の矢 瞬速矢

○「019」エージナ (80)♂ 鍛冶細工資質

 スキル:熱風、火炎球、分解、適合(サーチ系)、火炎鳥

○「020」テロット (80)♂ 鉱山守資質 

 スキル:大地の鉄槌、稜角の翼、鉄板、

○「021」 ボールス (17) ♂ 演算士資質 Eランク 見習い

 スキル:空間把握、亜空間収納、空間浮遊

 鉱山都市ゴスラルはイーダーオーツより更に西にある。イーダーオーツから西に出ている街道をそのまま進み、西ラーフィン山脈の峰を登り始めると、その巨大都市は姿を現す。巨大な岩の塊の中に岩の様な建物が群がっている。別名城壁都市。

 標高1500メートルの高台に位置するその強大な城壁はクラスタル全体を見回す事が出来る。エージナ達の住むエチャメールも、地都イーダーオーツもざっくりと見渡せる。そしてこの街の最大の特徴は西に広がる巨大な城門である。東側クラスタルに向けてはまるで無防備な入り口であるが、南北と西の3方に巨大な城壁を作り、西には巨大な城門を備えている。理由はただひとつ。このゴスラルから西へ街道が通っており、その行き着く先は帝国となる。

 帝国からの唯一の交通拠点である。ただし、その街道も西ラーフィン山脈の3000、4000メートル級の山々を越える過酷なルート故、冒険者以外は殆ど使用していない。冬は人の侵入を拒み、夏でも遭難、滑落、高山病などのリスクの多いルートのゆえ、街道を外れると死体の山が出来ているとまで言われている。

 鉱山都市ゴスラル自体に鉱山はない。ここを拠点に南北へと街道が通っており、その街道沿いに小さな鉱山が何個も点在する。鉱山は発見されると、その入り口に街が自然と作り出されていく、そして数年後、数十年後に廃山と共にその街も廃墟となる。

 廃墟となった街にはいつの間にかモンスターや盗賊団が住み着き社会問題にもなっているらしい。


 その男はひどく怯えていた。その怯えた男の首根っこを持って大声で怒鳴った。

「何で、そんな数名で行かせた。」

 ライガの大声が響く。

「ライガさん、そんな大声出しても仕方ないですよ。」

 ライガは少し落ち着いたのか、小さな声で謝り、手を離した。


 僕達は今、ゴスラルの光の翼が運営している宿に来ていた。

 現在ゴスラルには光の翼の支部が存在している。光の翼の本拠地はイーダーオーツにある為、わざわざ、このゴスラルに支部を作る必要はない。しかし、光の翼はゴスラルの廃墟問題を解決する為にここを拠点として精力的に活動していた。

 ここに光の翼の3翼の1組 Aランク剣士資質のコイルズとAランク光盾防御士のレナが来ているとの情報を受けて、僕達は彼らを追ってイーダーオーツからゴスラルへやってきていた。

 しかし、ここにも彼らはおらず、既に別の場所へ旅立った後だった。

 今、ライガが怒っているのは、コイルズ達がいない事ではない。(多少はあるかもしれないけど。)

 彼等が2人で出かけた事である。いやこちらの忠告が無視された事だろう。


 僕達はイーダーオーツでコイルズ達(このゴスラル支店)に伝報砲を打ってもらい、事の重要性と現状を伝えて留まるか行動メンバーを増やす様に伝えたのだが、伝わっていなかった。

 むしろ、いたずらと認識されて無視されていた。いや、この支部長(さっきライガが首をしめた人物)の手で握りつぶされ、コイルズ達に届いていなかったのである。



 この支部長は今回の事情の重大性を今更知って顔面蒼白状態で話しにならない。

「おい、コイルズ達は何処に向かったんだ?」

「……。」

「聞こえない。何処だ、早くしないと3翼全てを失うかもしれないぞ。」

「……。」

「だめだ、完全に錯乱した。」

 ライガは支店長から話しを聞くのを諦めて、他の人を探したが支店には他に誰もいなかった。

 


 その男は僕の顔をまじまじを見ていた。何かを見定めるかの様に……。

「七本槍の道化衆?聖京都王下E?え?Fランク?隊長権持ち?どうなっているの?聖京都の冒険者連合は?あなた何か金を積んだ?」

 冒険者連合の職員がひとり薄暗い室内で僕達の履歴を眺めている。僕達、特に僕に向けられる視線が痛い。彼からすれば僕は冒険者連合のコネで色々な優遇を受けていると思っているらしい。

 僕もそう思うよ。

 誰だってそう思うよ。

 王下Eランクで隊長権持ちってありえないでしょ。逆の立場なら同じ様に疑うよ。

「魔災害、アタゴ山の戦いで……、……、魔王討伐?に貢献……。」

 その男は僕の顔を再び僕の顔を見直した。

「………………、何で王下Eランク?」

 僕もそう思うよ。

 誰だってそう思うよ。

 そう思ってストナを見たが、我関せずとしれっとしていた。あんただろ、この根源は……。

「王下Eランクの何がいけないの?」

 あんたが言うなよ。


 現在僕達は分担してコイルズ達の居場所探しに当たっている。ライガは引き続き光の翼支部で支部長の回復か他のメンバーが来るまで待機。ユームとボールス、エージナとテロットは居酒屋や宿の聞き込み。僕とストナへ冒険者連合で聞き込みをする事になった。



 僕達は事象をなんとか説明して、コイルズ達の居場所が分かるか問いただした。

「そう言う事か……。でもなー。連合でも、最近は居場所を教えるのは御法度なんだよ。任務の抜けがけや強奪だってあり得るから。…………。」

 連合事務員はそう言って、机の中をあさり出した。そして1枚の紙を机の上に置いた。

「任務を受けてくれるなら、これを渡す。どうする?」

 僕とストナは目を合わせた。

「何?」

「ここの議員達からの依頼書だ。廃村ハイデールにモンスターが住み着いたと言う情報あり、ただちに退治せよ。だと、コイルズ達が何処にいるのかは分からんが、今ゴスラルで一番の特級案件だから、ここにいる可能性が高い。どうだ。この依頼は複数登録可となっている。お前達が登録しても何も問題ない。登録したからには、必ずハイデールに行く事。最低でも現状のハイデールの情報を伝える事が条件だ。登録するなら、ハイデールまでの地図とハイデール村の地図とハイデール炭鉱の地図をやる。どうする?」

「分かったわ。やるわよ。」

「ストナ!まだ、やるとは言ってない。そもそも別の場所に居ることが分かった場合どうするんだ。」

「大丈夫!職員さん。さっきの話から、最低条件がハイデールの現象調査で良いって事だよね。」

 その職員は何も言わずに頷いた。

「だったら、コイルズ達が別の所にいても、合ってからライガに行かせればいいのよ。下見してこいって。」

 ストナはそう言ってから、依頼書にサインをして、地図を受け取った。地図を渡し終えるとその男はゆっくりと付け加えてきた。

「但し、くれぐれも気をつけな!その依頼書は3週間前からある。もう数部隊が向かっているはずなのに、まだ一件も報告すらされていない。ハイデールの悪魔が復活した可能性はある。」

「ハイデールの悪魔?」

「ハイデール炭鉱は掘り尽くして閉山した訳では無いんだ。良質な石炭が採れる鉱山だったよ。……。ハイデールの村もかなり栄えていたがな。20年前に突如として、黒いマントの男が現れて鉱員及ぶ冒険者を襲いだしてな。気がつけば、廃鉱にせざる得なかったんだ。」

「黒いマントの男?」

「わからんのだ、それがどんなやつなのか、ただ鉱員達はハイデールの悪魔と呼んで恐れたんだよ。当時有名な冒険者部隊の数十名が全滅したんだ。だから、気をつけろ。」

「今でもいるんですか?その男は?」

「わからんな。知らんのだ。誰も……。その後、鉱山は閉山立ち入り禁止に……。こう言う言い伝えがある。鉱山は下に降りるな。上に登れだ。」

「どう言う意味ですか?」

「分からん、生きて帰ってきたら教えてくれ。」


 歯切れの悪い話し合いを終え、僕達は冒険者連合を後にした。

 


 その後、ライガ、ユーム達と合流した。

 全員の集めてきた情報から推測しても、コイルズ達がいる可能性の高い地域は廃村ハイデールだった。

 明日の朝一にハイデールへと向けて旅立つ事となった。



 エージナはビール片手に串焼き4個を大きな口の中に差し込んだ。

「美味い。あー、最高だよ。」

 エージナ、テロット、ライガが酒を片手に盛り上がっている。その片手が僕の肩に力強く置かれた。

「ナギト、お前はからかわれたんだ。ハイデールの悪魔なんて、聞いた事が無い。」

 …………、やっぱりか。あの後ストナと話したけど、ストナもそんな話知らなかった。

 ユームもビールを頼んで、こっちの会話に入って来た。

「ハイデールの事だか。あれはただの廃鉱ではない。それだけは事実だな。あの村、鉱山には何かある。過去の履歴を調査したが、あの村への討伐依頼は過去30件に及ぶ。廃村となって20年で30回、どんだけ討伐に向かうんだよ。」

「ほー、さすがは炎勇旅団団長だな。あの村には昔からまことしやかに囁かれている噂がある。炭鉱とは名ばかりで本当は何か別の鉱石が取れるのではと言う話だ。しかし、噂と共に廃鉱となった。」

「怪しい。」

 ストナまで参戦し始めた。

「こんな話しを聞いた事がある。「鉱山は下に降りるな。上に登れ。」これを話た鉱員達は次々に殺された。」

「それ、本当?」

 エージナはストナと僕を見てから、もう一度ビールを飲み干して、大声を出して笑った。

「知らん、噂だ。噂。」

 エージナとテロットがふたりで豪快に笑う。

 その後、クラスタルの噂話を聞いたが、どれも信頼性に欠けた物だった。

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