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地都イーダーオーツ

★「008」ナギト(17)♂ 武器片手剣 魔法剣士資質 Eランク

  スキル:(開眼)マナ寄せ、マナ返し 回転マナ返し

〇「009」ライガ(46)♂ 武器槍 槍突騎士資質 王下Bランク

  スキル:突撃の槍、亜空間魔法(収納激小)他

〇「011」ストナ(20)♀ 聖騎士資質 武器大剣 

  スキル:聖流剣 聖回復 亜空間魔法(特大)他

○「016」ユーム(38)♀ 炎勇旅団隊長 Aランク アーチャー資質

 雨矢 千本矢 心臓の矢 瞬速矢

○「019」エージナ (80)♂ 鍛冶細工資質

 スキル:熱風、火炎球、分解、適合(サーチ系)、火炎鳥

○「020」テロット (80)♂ 鉱山守資質 

 スキル:大地の鉄槌、稜角の翼、鉄板、

○「021」 ボールス (17) ♂ 演算士資質 Eランク 見習い

 スキル:空間把握、亜空間収納、空間浮遊

 地都イーダーオーツ。クラスタル地方最大の都市にて首都である。人間側の4大都市、地都イーダーオーツ、鉱山都市ゴスラル、鉱業都市エセット、火薬都市ガーマイン。各都市を中心に政治経済がまわっている。

 4都市から選出された各20人議員、計80人がイーダーオーツに集まり政治を行う、議会制自治方式を取り入れている。そして、代々議長として就任するのが、大地の英雄の子孫となる。


 このイーダーオーツは帝国から最も遠い首都とも呼ばれている。

 西ラーフィン山脈を越えた西側には広大な帝国領土広がっている。しかし、帝国とクラスタルの交友は全くない。

 大地の英雄は魔王大戦直後に当時の皇帝を名指しで批判、その結果、この僻地に封じられたと言う噂もある。

 クラスタルは魔王大戦前から魔物が住む土地ではあったが、一部の人間やドワーフは元々住んでいた。彼の従者カルメはこの土地出身なのだから、カルメの為にもこの地の自治権を主張したと言う説が大半で、皇帝批判説はデマだと言う意見が多い。

 クラスタルと帝国の交友を遮断している最大の要因は、クラスタル北東に広がる死の大地と呼ばれる、瘴毒の沼地である。西ラーフィン山脈から海までの数千キロに及ぶ平地が瘴気と猛毒に包まれ、生きとし生きるものの命を飲み込む死霊の口の様な土地へと変貌している。ここに住んでいるのはアンデッド系モンスターのみ。冒険者でも全く近づかない未開の地である。この地がどうしてこの様に腐敗したかは謎。魔王大戦のきっかけはこの土地から魔王が帝国側へ攻めてきた事による。しかし、その時の記述にはこの土地の事はあまり書かれていない。魔王大戦集結後にはクラスタル北東にも村があったが今は瘴毒の沼の中に沈んだらしい。

 

 

 イーダーオーツにはクラスタルで取れた鉱石が一堂に並ぶ。鉱石好きのマルマルならさぞ喜んだ事だろう。

 鉱石の種類も様々である。装飾系から素材系まで各種の鉱石店が至る所に軒を連ねる。中でも、冒険系魔吸石は人気が高く、商店も豊富である。火の魔吸石専門店などの特殊な店まであるくらいだ。

「魔吸石に何でここまで専門店があるんだろう?」

「お前ではないからだ。」

 ?ライガの答えの意味が分からない。

「どういう意味?」

「天才は凡人の苦悩を知らない。だから、嫌なのよ。」

 ストナまでため息交じりにこっちへと冷たい視線を送ってくる。「いや、お前だろ。凡人の苦悩を知らないのは。」と言い返したかったけど、どうせ倍返しで言い返されるのがオチなので口を噤む。

「だから、どういう意味だよ。」

 今度はエージナが答える。

「魔吸石のマナ、いや他のマナ自体を使うというのは簡単な事ではないからな。同じ火のマナでもそのマナの質次第では使えない事もある。高レベルの魔道具師や符術士、魔法戦士でも、得手不得手がある。だから、自分に合ったマナを探しておく事が彼らの最初の仕事だ。」

「そう言う事。そもそも、符術士って結構繊細な作業なのよ。あんな石をぶっ潰してマナを無理やり取り出して全員に符術させるなんて、符術士達から言わせれば、バカとしか言えないそうよ。」

「なんで、ストナが知っているんだよ。」

「友人に話たら、その人はバカか天才かどちらかだって。言ってたわよ彼女は、通常の火の符術士は画家が生まれながらに赤色の付いた筆を握っているようなもの。他の色をどう出すかを苦悩してるのよ。全く汚れのない筆で好き勝手に色を塗っているナギトには分からないって事よ。」

「どう言う事だよ。」

「すごいって事よ。自覚してないんだろうけどね。」

 エージナが大笑いした。

「マナを持たない事をマイナスに取らえているかも知れんが、技を極めようとすると最後の砦が自分自身のマナになる。我々鍛冶師もそうだ。自分の持つマナと相性の悪いマナをどう扱うか?もしくは扱わないか。それを見定めて行く事が技を極めると言う事になる。自分自身、元々火のマナが人より優れていた。その為、火のマナで鍛冶をする事が人よりも上達した。我が弟子のナンカンは違った。彼自身、マナが極端に弱い。幼少の頃は良くいじめられていた。ただ、鍛冶師にを極めるには弱いマナは強みだった。マナが弱い分、各マナに対する耐性も弱い。その為、マナに対して得手不得手が少ない。これほどの強みは何処にもない。要は有無や強弱も使い方だ。」

 話をしている内に目的へと着いた様だった。

「ここだ、入るぞ。」

 そう言って、エージナは中に入って行った。僕達も不安気にエージナの後へと続いた。


 僕達はユーム達と分かれてイーダーオーツで別行動をしていた。ユーム達は光の翼の事務所に情報収集。残った3聖女のひとりの行方の確認にあたっていた。僕達は…………。


 中は酒場だった。各国の冒険者でにぎわっていた。

 エージナは真っ直ぐに古い扉の横に立っている人物に話しかけた。

「いつものを買いたい。」

 エージナかそう言うと男は横の扉を開け、エージナが僕達も来るように招いた。そして、僕達もエージナに続いて中へと入っていった。

 扉を通り数歩通路を通ると通路は階段へと続いていた。薄暗い通路の終わりに地下へと続く真っ暗な階段。暗闇が口を開けている様な少し恐怖すら感じた。エージナは何事も無く闇に呑み込まれる様に階段を降りて行った。

 僕達もその後に続いた。細い螺旋状の階段を下ると再び通路があり、奥に扉が見えた。エージナはその扉を開けると奥の部屋が見えてきた。そこも上の空間と同じ、薄暗い部屋だった。

 

 魔吸石にはマナの濃度に応じてランクが存在する。幻吸鉱 などの特別な魔吸石を除くと、吸収率が50%を超える物は特別指定とされて一般的に購入出来ない。だから、こう言った闇市が存在する。

 魔吸石は戦時に重宝される事から、どこの国も貴重な資源であり、持ち出しを制限している。しかし、戦争が無ければそれ程使用頻度も無く、こう言った闇市に流れてくると言う。

 この魔吸石の補充が僕達の任務であった。今後の戦いに備えて少なくなった魔吸石を購入する為に、エージナ行きつけの魔吸石の闇市に来ているのである。

 今回のメンバーからストナより聖のマナ、エージナから火のマナを抽出可能ではある為、残りのマナの魔吸石を追加するためである。


 ドワーフの店員は笑顔でこっちに語り掛けて来た。

「どの魔吸石が必要ですか?」

「ナギト、足りないのは?」

 ストナの問いかけに、中身を確認してなかった事に気がついた。僕はマルマルの鉱石袋を開いた。

「ここで?先に確認しておきなさいよ。」

「仕方ないだろ。急に言われたんだから。」

 僕達は今回の戦いに備えて魔吸石の補給に来ていた。マルマルが管理していた魔吸石も一部使ってしまっている為、一通り揃えておこうと言う展開になった。

 僕はテーブルの上に鉱石を出した。

「バカ!」

 ライガが直ぐに袋に入れ、小声で僕を叱ってきた。

「石を出すな、例の石は持っているだけで殺される物だぞ。」

 僕はその言葉で焦り、魔吸石以外の石を直ぐに袋に戻した。例とはもちろん城の買える硬芯鋼と柔芯鋼の事だろう。ただ、見た目では普通の鉱石と変わらない。鑑定等のスキルが無ければ見分けは付かないが、用心に越したことはない。


 石を数え終えると、光と水が足りなかったので、補充をしてから店を出た。

 そして、次の店に向けて歩き出した。

「でも、便利な袋ね。亜空間魔法の巾着袋か。」

「ストナは亜空間魔法があるだろ。」

「そうだけど、譲渡が出来るってある意味便利よ。」

 ストナと僕の間にエージナが入って来た。

「欲しいか?亜空間系袋?」

 ストナでは無く僕に言って来た。

「それはあれば便利ですけど……。」

「ウルミナールの粉と飢饉の……」

「あ、やっぱり要らないです。」

 僕はエージナが話しを遮った。

「ウルミ何とかって聞いた事がある。それで戦争が起きたやつでしょ。ムリムリ、絶対に要らない。」

 ストナが僕の耳元で囁く。

「鋭くなったね。」

「つまらん、奴らだ。」

 エージナは文句を言いながら、前を進んで行った。

 今度は少し大きな店に入って行った。

「ここがお主達のご要望の解体屋だ。」

 

 魔境で手に入れたリザードマンの死骸の処分含めて解体屋売ることにしたのである。

 自分達で綺麗に解体して、素材を売った方が金にはなる事は確かである。しかし、これ以上ストナの亜空間に入れておくと、彼女が怒り狂うので、ここは半額以下になっても解体屋で処理した方が良いと言う事に決まった。


 ストナは解体屋の裏口にリザードマンの死骸を全て出すと、気持ちスッキリした様で機嫌が良い。

 僕達は値段を見積もってもらっている間、店の中にてお茶を飲んでくつろいでいた。


 エージナがポケットから何かを取り出した。そして、それを僕のテーブルの上に置いた。

「やる。」

 僕はそれを両手で受け取った。鉱石だった。重みはあまりない。軽石の様だった。

「何ですか?」

「おぬしの好きなウルミナール鉱だ。」

「はあ?」

 僕とストナはほぼ同時に声を上げた。

「とっておけ、何かに役に立つかも知れん。やる。」

「ちょっと、そんな高価なもの要りません。」

「ただでやるとは言ってない。ちょっと頼みがある。」

 前にもあったぞ、この展開。エージナもオーヴィズと同じか?

 エージナは壁の方を見上げた。そこには大きな地図が描かれていた。クラスタル地方の地図である。

「あの左上の黒い部分が何か知っているか。」

「瘴毒の沼池ですか?」

「そうだ。その沼池の中央に小さな山がある。山と言うほどでもない丘の様なところだ。そこに洞窟があると言われている。その洞窟には世界中のすべての鉱石を掘り出す事が出来る。と言う伝説がある。我らエチャメールのドワーフ達の夢はその洞窟に行く事。」

「へー、そんな夢の洞窟があるんですか?……。って何で今のタイミングでその話をする?」

 エージナは袖を捲り上げて腕輪を見せた。

「これだ。お主がもう少し強くなって我々をそこへ連れて行け。その石は前金だ。」

「ど、どうやって?この腕輪は火のマナは防ぐけど、毒を防ぐ事は出来ないですよ。」

 エージナも両手を上に返して、分からない身振りをした。

「カルメはエイディとそこを歩いた。」

「どうやって?」

 再び両手を上に返す。

「分かった時で良いから、連れていけ。我々もお主に掛けてみたくなった。その目にな。」

 エージナはそこまで言うと笑いながら、奥の部屋に入っていった。

「ナギトの目だって。」

「からかわれてるのかな?」

「さあ?」

 ストナが両手を返す。

「今日はそれしかないのかよ。」


 まだ、査定額がでないうちに店舗の中へユーム達が入って来た。

「だめだ。街を出ている。」

「どこへ?」

「鉱山都市ゴスラルだ。」

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