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ドワーフの村エチャメール①

★「008」ナギト(17)♂ 武器片手剣 魔法剣士資質 Eランク

  スキル:(開眼)マナ寄せ、マナ返し 回転マナ返し

〇「009」ライガ(46)♂ 武器槍 槍突騎士資質 王下Bランク

  スキル:突撃の槍、亜空間魔法(収納激小)他

〇「011」ストナ(20)♀ 聖騎士資質 武器大剣 

  スキル:聖流剣 聖回復 亜空間魔法(特大)他

○「016」ユーム(38)♀ 炎勇旅団隊長 Aランク アーチャー資質

 雨矢 千本矢 心臓の矢 瞬速矢

○「017」ハズキ (22)♀ Cランク 魔法使い(風)資質 


ドワーフ達

○エージナ (80)♂ 鍛冶細工資質

 スキル:熱風、火炎球、分解、適合(サーチ系)、火炎鳥

テロット (80)♂ 鉱山守資質 

 スキル:大地の鉄槌、稜角の翼、鉄板、



 クラスタル地方は地都イーダーオーツを中心に鉱山都市ゴスラル、鉱業都市エセット、火薬都市ガーマインが発展している。

 この4都市は全てクラスタル地方の西方にある。クラスタルは西方を人間が治め、東方をドワーフが治めている。不干渉のルールがある訳では無いが、互いの領域を守っている。

 東方にはドワーフの村が点在しており、各自で自治権を行使している。

 その村の中でも知名度の高い村のひとつがエチャメールである。この村は2名の有名人を輩出している。(僕は知らなかったけど。)

 

 ひとりは8勇士、大地の英雄の従者カルメ。魔王大戦を終結に導いた英雄のひとり。8勇士のうち、唯一のドワーフ。鍛冶細工資質。他の8勇士達の武器防具を調達した人物。炎帝御輪やマナの剣は彼女の作と伝えられている。

 実は師匠からが作った物だったと先程知るまでは。


 もうひとりは名工サーゴ、マナの剣、炎帝御輪(炎粉飾剣)や炎のロッド、光の剣、暴風の眼、清水の瞳、大樹の幹を生み出した。

 カルメの師匠にして最高の名工。大陸三名工のひとり。

 マナの共鳴と言われる武器防具を開発したとして知られる人物。しかし、現代にその共鳴が何であったかはあまり分かっていない。炎帝御輪と炎粉飾剣の様に何かしら相互に力を出し合う様なものだと言うが、そもそも炎粉飾剣は壊れたとされ、炎帝御輪も僕が手に入れるまでは世に出ていなかったのたから、分からないのは当然だろう。



 そして、エチャメールにはマナの剣を復活させる為に必要なもうひとつの「技法たたら」がある。僕の持つ「技法玉鋼」とふたつが揃えば、マナの剣が出来ると言われる(エイディの幻が言っていた)が実際に「技法たたら」がどんな物なのかは分からない。そもそも、僕の持つ「技法玉鋼」を見せてくれと言われても見せられないし、証明すら出来ないが、心の奥にあるとだけは分かる。

 マナの剣もそうだけど、マナを吸い取る核を作り、ライガの息子を回復させないといけない。

 その為、僕達はドワーフのエージナとテロットの誘いを受けて、ドワーフの村エチャメールを目指す事となった。

 ただ、直ぐに戻るから炎英新都で持たせているオーウィズは間違い無く怒るだろうな。



 魔境を抜けて暫く歩くと、小さな広場に出た。少し下ると川も流れており、その場所で休息を取ることなった。

 食事担当はテロット。

 行く途中に倒したリザードマンの死骸をさばき始めた。僕とストナはただ目を点にして眺めるしかなかった。

 美味い、不味いと言うより、食べられるのか?そこだけが疑問である。

 テロットは手持ちのナイフを使って皮を剥ぐ。リザードマンの皮は高級素材として売れるが肉はあまり需要がない。

 僕も聞いた事がない。

 渡された皮は水で綺麗に洗って(僕が)、ストナの亜空間へと入れてもらった。と言うか、洗わないなら入れないと拒否されたからだ。

 次に肉の仕分け、食べられる部分とそうでない部分を切り分ける。

 食べられない部分はエージナの火のマナスキルに木をくべて焼き尽くす。

 最後に食べられる?部分を拳サイズに切り分け、木の枝で作った串に刺してから、焚き火の上で炙りだす。肉汁(オイル?)が垂れてくれば出来上がり?

 辺りに肉の焼けた匂い、いや、未知の物体の焼け焦げた様な匂いが充満している。

 そして、予想通り、最初にひとつ目の串が僕の目の前に置かれた。

 これを食べろと?

 僕はストナを見た。早く食べて感想を言えと言わんばかりの顔をしている。

 僕は勇気を出して口に肉を運ぶ。

 で、出来ない。

 身体も心もこの肉を食べる事を拒否している。


 そうこうしていると、ライガ、ユーム、ハズキ、ストナの順に串焼きが手渡される。

 けれど、4人が無言で僕を見る。

 僕?

 うん……。

 と、言わんばかりの視線の攻防が続き、僕は人生を諦めて、その肉片をほんの……、ほんの少し噛み切り、口の中に入れた。肉片を噛む……。オイルが口の中に充満する。

 ゆっくり飲み込んだ。


 4人の視線が僕と僕の口に集まる。

「どう?」

 頃合いを見計らってか?ストナが僕に感想を聞いてきた。

「うーん?見た目通り。」

「はあ?見た目通りってそんな感想要らない。」

 そう言われても、美味くも、不味くもない。あえて言うなら、肉なのか?別の物体なのかも分からない。今まで食べた事のない奇妙な味が口に残る。でも、決して不快ではない。でも、美味いとは全く思えない。

 辛うじて答えるなら、食える。と言う感想だろう。

 他のメンバーも僕が食べた後、食べ始めたが、一口食べて、それ以上何も言わなかった。

「どうかな?この美味は?いけるだろ?」

「……。」

 エージナの質問に誰も答えない。

「我々の村に錬金術師資質を持つ者がいる。そいつは金を作れる訳では無いが、ある物の生成が得意だ。」

 そう言うと、エージナは持っていた大きなリックの横ポケットをあさりだした。

「これだ。」

 そう言って、瓶に入った粉を取り出した。

「変味調味料だ。」

「へんみちょうみりょう?」

「これを振りかけると、味が好みの味に変わると言う不思議な粉だ。」

 変味調味料と言っておきながら、最後に「粉」と言った事に違和感を覚えたが、気にしない事にした。

 エージナはやはり僕の持つ串刺しにその粉を振りかけた。再び僕への食レポ沈黙コールが鳴り響く。

 再び無理やり口に物体を入れてわずかに噛み切った。

「あれ!」

 確かに美味い。食感は変わらないけど、味覚が変わった?美味い?美味い様な気がする。

 多分何知らずに食べたなら、美味いと答えた思う。今、僕の脳裏で気持ち悪い肉の記憶と変味調味料が戦っている。

 …………。

 結局、3口だけ食べた。それ以上は無理だった。

 ストナは1回だけ口を付けただけ。

 ただ、ライガとドワーフ2人が全てを平らげたのだった。



 食後に今度は奇妙なお茶が手渡された。

 もういいよ、早く解放してくれ。と願うやばかりだった。

「ナギト殿、おぬし、マナを持たない能力者か?」

 の、能力者?

「マナは生まれながら無いですが、能力者か?と、聞かれても何とも……。」

「ナギトの目の事を言っているの?「開眼」は何か特別な能力なの?」

「分からない。」とエージナは僕とストナの質問にぶっきらぼうな返答をした。

 ???

 お互いに何を言っているのか分からない状態となった。エージナは変なお茶を飲みながら、僕の顔をまじまじと見た。

「昔から、マナの一族ではマナを持たない者を能力者として重宝したと言われていたからな。ただ、実際の所は我々も知らない。」

 その話しにライガが入って来た。

「聖京都側のマナの一族はマナの一族としてのアイデンティティはもはや無い様に思える。魔王大戦以降、日常生活の中に埋没していったのだろう。俺の師匠はマナの一族の研究をしていたが、ナギト達の村をマナの一族と断定していない。いや出来なかった。だから、ナギト自身も彼自身がマナの一族と言う事を知らなかった、そしてマナの一族がどんなものかすら、俺達は知らない。」

 エージナはライガを見た。

「我々も知らない。ただ、魔王大戦より、はるか昔に魔物と我々の祖先が戦ったと言う言い伝えがある。その時、ドワーフ一族とマナの一族、そしてマナ獣が協力したと言われている。」

「はるか昔って?」

「分からない。単なるおとぎ話なのか?本当の事実なのか?全くの謎だ。」

 エージナはそこまで言うと、人差し指を伸ばして僕達に見せるように顔の前に持っていった。

「ひとつだけ真実はマナの剣は大師匠のサーゴが作ったと言われている。それは事実だ。しかし、正確には元々あった物を復活させたと言うのが正しいと師匠が言っていた。すなわち、魔王大戦以前、はるか昔に作られていた物を魔王大戦に再び作った。はるか昔とは?それがはるか昔の言い伝えの戦いなのか?別の時なのかは分からない。我々が知るのはそこまでだ。」


 

 魔王大戦以前と言われても、魔王大戦すら100年前なのにそれ以前、いやはるか昔って何年前なのかも分からない。

 ただ、エイディはマナの剣を作って直ぐにその作り方を封印した事になる。

 偶然出来た剣にそんな事をするとは考えにくい。それなら、作り方の封印してあったマナの剣の封印を解いた。解いた後、危険?と考えて、本剣と予備剣だけを残してマナの剣の作り方を再び封印したと考える方が理にかなっている。

 僕は思い切って聞いてみた。

「エージナさん、マナの剣は危険なんですか?」

「危険?どんな道具も使われ方次第だ。ただ、マナの剣と言うより、異質物質である硬芯鋼、柔芯鋼は通常武器防具にする事ができないとされている。硬芯鋼は硬すぎて熱を加えても、冷やしても、何をしても変形しない。逆に柔芯鋼は柔らか過ぎて少しでも力が加わるとこっぱ微塵に消えてしまう。技法たたらはこの硬芯鋼を鍛造する秘技が記され、技法玉鋼は柔芯鋼を使う極意が記されている。このふたつが無ければマナの剣は出来ない。けれども、師匠カルメ達はこのふたつの書がひとつとなる時に封印が解ける仕組みを作った。そして、ひとつはエイディ自身が保持し、もうひとつを我々の里が保持する事とした。危険と言うより、何か別の事を後世に伝える為ではないだろうか。」

「何を?」

「分からん。ただ、おぬしが村に来ればその理由がわかるだろう。」

 本当にマナの剣を復活させて良いのだろうか。

 ストナが僕の手の上に手を置いてきた。

「大丈夫。みんなついているわよ。」

「ありがとう。」

 いよいよ。明日にはドワーフの村エチャメールに到着する。

 

 封印が解かれる。どうなるのだろうか。

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