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マルクロードと旅の踊り子①

★「008」ナギト(17)♂ 武器片手剣 魔法剣士資質 Eランク

  スキル:(開眼)マナ寄せ、マナ返し 回転マナ返し

〇「009」ライガ(46)♂ 武器槍 槍突騎士資質 王下Bランク

  スキル:突撃の槍、亜空間魔法(収納激小)他

〇「011」ストナ(20)♀ 聖騎士資質 武器大剣 

  スキル:聖流剣 聖回復 亜空間魔法(特大)他

○「015」オーウィズ王子(16)探求者資質

  スキル:探求


炎勇旅団

○ユーム(38)♀ 隊長 Aランク アーチャー資質

 雨矢 千本矢 心臓の矢 瞬速矢

○ウスイ(33)♀ 副隊長 Bランク 剣士資質

 なぎ払い 多段切り 疾風切り

○フミヅキ(23)♂  Bランク 魔法使い(火)資質 

 (ハズキとは兄弟)

○ハズキ (22)♀ Cランク 魔法使い(風)資質 

○ブンケル (29)♂ Dランク 書士資質 スキル:検索

○ボールス (17)♂  Eランク  演算士資質

    スキル:空間把握、亜空間収納、空間浮遊


光の翼

カプサイシン(32)♂ Aランク 剣士資質

パプリカ(30)♀ Aランク 回復士資質

ブッキーニ(22)♂ Dランク 戦士資質

キャロリー(29)♀ Dランク 幻術士資質

 僕達はオアシスの街ノルデーナへと戻ってきた。

 

 僕達は数時間の刻、砂漠の中をマルマルの名前を呼んで探し続けた。けれども、マルマルからの返事が返って来る事は決して無かった。オーヴィズとライガがこれ以上ここに留まるのは危険と判断し、捜索は中止された。

 思えば、伊吹鉱山、光る坑道以来の仲間だった。マルマルはボソボソと文句を言うタイプだったけど、そんな彼も嫌いではなかった。いや、むしろ好きだった。

 僕がそんな余韻にふける暇なく、七本槍の道化衆一行は次の目的地を目指してノルデーナに戻る事となった。


 ノルデーナでは祭りの真っ最中だった。2周間掛けて行われる収穫祭と呼ばれる祭りである。この祭りには大陸全土から冒険者や行商人が集まる。この時期にノルデーナには北のドワーフ達の名工品やシルクの反物などの露店が道狭しと並ぶ。そして、5年に一度の今年は目玉商品であるマルクの反物が祭りの最中に行われるオークションで競売に出される。A級以上の反物は炎英王が取り仕切る為さすがに出て来ないが、B級品はこの祭りで出品される事になっているらしく、マルク求めて多くの人が集まって来る。

 既に祭りは終盤に差し掛かっていた。マルクのオークションは既に終わった様子で、行商人の人集りや馬車の群れは少なくなっていた。

 驚く事に僕達がこの街を出て2週間以上の時が経っていたのだ。

 あの時、炎狐に飛ばされた時、少しだけ時空の隙間に入った様で、僕の思っていた感覚と時差が生まれていた。


 僕達はまず旅の疲れを取る為に、一日自由行動となった。

 炎英旅団と別行動をする事になり、オーヴィズ王子と僕達は食事を取るためにとりあえず食堂に入った。

 見た事のある顔が僕達に手を振った。それは光の翼のメンバーだった。蜃気楼の街へ向かう前に会った光の翼の3名が座っていた。

「蜃気楼の街は見つかったかい?」

「一応……。」

 僕は光の翼のリーダーであるカプサイシンに今回の旅の話を簡単に話した。ただ、2つの鉱石の事は伏せておいたけど。

「カプサイシンさん、マルクは手に入りましたか?」

 光の翼のメンバーはカプサイシン以外の全員が首を横に振った。そして、隣にいたパプリカが答えてくれた。

「この人、おかしいでしょ。マルクの反物の最低価格を最初に教えてあるのに、それすら持って来てないのよ。どうやって買う気なのかしら?無理でしょ。それでも、オークションで手を挙げるから、危うく持ち物全部処分されるかと思ったわ。」

「良いだろ、戻ればあるんだから。その指輪や腕輪、俺の剣売れば、買える値段だろ。」

「はあ?……」

 痴話喧嘩の始まった2人のやり取りをし無視してもう1人のブッキー二が色々と教えてくれた。


 光の翼、カプサイシン組。

 リーダー、カプサイシン。剣士資質のAランク。副リーダー、パプリカ。回復士資質のAランク。メンバー、ブッキー二。戦士資質のDランクともう1人、キャロリー。幻術士資質のDランク。

 光の翼は10組に分かれて大陸全土で活躍している。その中でもカプサイシン組を含めた3組は「鷹の3翼」と呼ばれている。ナス組、カプサイシン組、コイルズ組はAランク剣士とAランク回復士がトップとしてまとめている。この6人は3剣聖、3聖女と呼ばれており、6人共に美男美女である。言うまでなく、注目度が半端なく高い。現在僕が不自然な程に視線を感じるのはこの為だろう。


 2人の痴話喧嘩も終わったようで、再び話題が変わった。

「ライガさんにお願いがあります。」

 カプサイシンがライガに話し掛けてきた。ライガは思いもよらなかった顔をして、カプサイシンの方を見た。

「闇のマナ一族を知っていますか?」

「闇のマナ一族?」

 闇のマナ一族って?マナ一族って何?僕はライガの方を見たが、ライガも知らない様だった。

「その様子だと、ライガさんも知らないのですか?」

「聞いた事がない。何だ?闇のマナ一族とは?」

「闇のマナ一族とは……。」

 そう言って、カプサイシンは僕達に説明してくれた。


 闇のマナ一族を説明する前に、マナ一族についての説明してくれた。僕が想像していた一族とは何か違っていた。

 マナ一族とは、フラットフェイスと呼ばれる大陸北西部、現在の帝国領の北部を領土としていた一族である。特殊な力があったと言い伝えられている。マナの一族は4部族に分かれており、それぞれ「眼の一族」「腕の一族」「脚の一族」「心の一族」に分かれて国を作っていたと言う。

 魔王軍の侵攻により、最初に滅ぼされた国と伝承や歴史書には記されている。そして、その一族は全て滅んだと言うのが一般的な言い伝えであると言う。

 実際にはマナ一族は全土に散っただけであり、エイディなど、魔王大戦で活躍した人々も少なくない。

 しかし、マナ一族として明記された文献はほとんどない。各地、特に聖京都、ボルケーノ、クラスタルなどの魔王大戦以降に発展した地方には移り住んだ。と言うのが、一部研究者の見解となっている。

 ただ、クラスタル地方にマナ一族に関するひとつの文献が残っているらしい。

 マナ一族の中でも「脚の一族」が魔王侵攻の際に魔王軍へと寝返り、他のマナ一族を裏切る形で魔王軍を領土へ入れ込み、侵略の手伝いをした。と書かれていると言うのである。

 その魔王軍側に付いたマナの一族を「闇のマナ一族」とクラスタルの人々は呼んでいる。魔王側につき、魔王軍と共に連合軍と死闘を繰り広げた人々がいた事はあまり知られていない。魔王封印(討伐)後はこの大陸から去ったと思われていたが、一部がクラスタルで今も活動していると言うのである。


 ライガはその話を黙って聞いていたが、カプサイシンが一息付いたのを確認してライガが話し出した。

「で、わざわざ俺達が戻ってくるまでここで待っていて、何を頼みたいんだ?」

「待っていた?なんで?」

 ライガのカプサイシンへの質問に口を挟んでしまった。オーヴィズが僕に向かって言った。

「当たり前だ。マルクが手に入らなかったなら、帰ればいい。そんなに祭りを楽しんでいる様には見えない。そして、我々が帰ってきた場合に寄りそうな場所で待っていた。特にここには何日もいた様だ。」

「何日も?」

「ここは食堂だぞ。大きめのテーブルで片側に座って食事をする人がいるか?しかも、さっき皆が頼んだ食事に対して、店員から金銭の要求がない。すなわち、既にここでの食事のお金は後払い契約がされていると言う事だ。何日もいない客には出来ない芸当だ。更に、4人チームの一人がいないのは、外で監視しているのだろう。正解かな?」

「さすがは、オーヴィズ王子陛下。」

「王子の事も知っている?」

「調べさせてもらいました。七本槍の道化衆とオーヴィズ王子陛下並びに炎勇旅団の皆さんの事は。すみません。ただ、最初に話しかけたのは、本当にナスの事を知りたかっただけでした。ただ、この時期に蜃気楼の街に向かう事と、メンバー編成が気になって……。」

「で、俺と言うより、七本槍の道化衆になんの用だ?」

「皆さんに闇のマナ一族の壊滅計画に参加してもらいたい。」

「壊滅?」

 カプサイシンの顔から少し笑みがこぼれた。

「壊滅と言っても、完全に壊滅する訳ではありません。そもそも、彼等が闇のマナ一族かどうかも分かっていません。」

 ……?

「どういう事ですか?」

「現在、クラスタル地方では山賊が鉱石運搬を襲う被害が続出してます。この地方では昔から山賊と言えば闇のマナ一族と勝手な命名がされています。ここにきて、本部からその山賊のアジトのひとつを見つけた連絡を受けました。我々だけでは少し心細い為、皆さんの力を借りたいと思って待っておりました。」

「申し訳ないがその申し出は断らせてもらう。我々はエチャーメルの里を目指している。こちらも、急ぎの予定がある他を当たって欲しい。」

 オーウィズは瞬時に彼らの申し出を断った。

「エチャーメルってなんだっけ?」

 僕はストナに小声で聞いた。

「エチャーメルは8勇士の従者カルメの故郷と言われている里。「技法たたら」があるならそこしかない。って言うか?そんな事知らないで、これから何処に行くつもりだったの?」

「いや、どこだろう?」

「呆れた。何勉強してたの?」

「僕は習ってないんだよ。」

「大地の英雄ウルロール、従者カルメよ。常識。」

「違うよ、カルメの故郷がそのエチャ……何とかって事だよ。」

「エチャーメル。有名よ。炎帝御輪と炎粉飾剣もそこで作られたんだから。カルメの師匠が大陸有数の名工だったて噂よ。」

「その師匠の名前は?」

「知らない。」

「ストナだって、大した事ないんだ。……痛い。」

 痛い。ストナが僕の腕を思いっきりつねった。やめてくれ。その八つ当たり。

 こちらが別の話で逸れていたが、ライガ達の方も断る事で落ち着いた様だった。

「分かりました。今回の標的は小さなアジトですが、本部を叩く時には七本槍の道化衆の皆さんの力をお借りするかもしれませんので、その時はよろしくお願いします。」

 そこまで言うと、カプサイシン達は席を立って出ていった。


 カプサイシン達が出ていった後で、追加した料理がテーブルに並び始めた。

「お兄さん達、祭りは始めて?」

 店員の方が僕達に話しかけた。

「祭りに来たわけではなく、たまたま寄っただけなんだ。」

「そう、昨日から雑技団の演目が始まったけど、今日から本命の舞姫登場よ。」

「舞姫?」

「絶世の美女。全ての人を魅了する、その踊り天女の様で、皆彼女の事を舞姫と呼ぶの。」

「店員さんは見たのですか?」

 彼女の首を横に振った。

「今年初登場よ。去年は帝国を虜にしたって、噂で持ちきりだったから、楽しみで仕方ないのよ。」

 僕達は互いを見渡した。

「行く?」

「行こうか!」

 食事をしてから、雑技団の会場に足を運んだ。

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