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ガテン系の女 愛より、恋より、修業中  作者: うらら桜子(旧 咲良ヤヨイ)
90/140

大らかで打算的 5

 



 高速を降りるまでに3つのサービスエリアに立ち寄った。

 千香良は子供の頃に来て以来、10数年ぶり。

 家が商売をしている都合、家族旅行はままならないのだ。

 

 フードコートの何軒かと土産物売り場は24時間。

 千香良は弓と自動販売機のカフェオーレで一服。

 男連中は夜中でもお構いなしでラーメンにサラダパンと立ち寄る度に腹に入れている。

 

 オフローダーに乗車した女子2人は熟睡していたらしく、最後に立ち寄ったサービスエリアまで降りてこなかった。

 

 そして最後のサービスエリアからインターを降りる間に夜が開けた。

 車窓から見える景色が街灯りから朝靄の民家に代っていく。

 千香良は感動的だと思った。

 

 そして、インターを降りて1時間。

 途中、コンビニに朝食を買うことにした。


「もう、降りるも面倒」


 運転席の北村がぼやく。

 結局、北村が1人で運転してきた。


「私、買ってきます。使い走りは現場で慣れていますから」


「サンキュー、流石、千香ちゃん。おにぎり、にコロッケパンだろ……そんでサンドイッチと菓子パンも……取り敢えず種類を色々、適当に……」


 千香良の申出に北村が乗ってくる。


「真くんは?」


「俺も降りるわ」


 千香良は何やら嫌な予感がする。

 少し表情が堅い。


 運転席の北村は眠気覚ましに会話は必須とばかりに、三上を相手に絶え間なく話をしていた。


 そして千香良は隣に座る弓と……

 しかし、三上は弓との会話に聞き耳を立て、盗み聞き。

 内容がお気に召さなかったようで、何度も振り返えられた。


『建設現場の男の人ってやっぱり、エロい?』 

 

 弓の思いがけない一言から始まった会話は建設現場の男がメイン。

 当然、真っ先に龍太の名前を出した。

 三上の悋気も承知の上だ。

 けれども聞かれたら正直な感想を答えるのが筋だろう。

 千香良は普通に話をしていただけだ。


「弓も千香ちゃんもマッチョが好きか……」

 

 おにぎりの棚の前で三上が呟く。

 手には『極みの鮭おにぎり』

 賞味期限を確認している。

 

 千香良は右手に持ってカゴを左手に持ち代えて、三上の左に並ぶ。

 三上の方が随分と背も高い。


「私はガテン系の男っぽいのは駄目だよ……私はインテリ君が好きなのです」


 千香良は三上の横ではっきりと口にする。

 そして強引に三上と腕を組んだ。

 拗ねた恋人の機嫌を直す。

 恋愛の醍醐味だ。

 楽しむための恋は大らかで打算的。

 千香良には切実な恋はまだ、まだ早い。


 三上は呆気にとられながらも赤面。

 感無量といったところか。


 そして、ようやく砂浜の海水浴場。

 それなのに千香良を初め、走行中に起きていたメンバーはパラソルの下で熟睡。

 体が砂に埋められているに誰も気が付いていない。

 

 陽も高く上がり、眩しい。

 元気な奴等は持ってきたビニールボートで海と戯れていた。


 しかしながら、炎天下に長居はきつい。

 予定を変更して、近くの温泉施設に行ことにした。

 寝ているメンバーが起きたら近くの温泉施設に行く。

 潮風にベタ付いた体を流すのに丁度良い。


 そして、キャンプ場は直ぐそこ。

 今宵の星は満天だろう。


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