甘くてやるせない 2
龍太のアドバイスに従い千香良は就寝前にスタンプを送った。
その為に人気クリエーターのスタンプを購入。
序に無料スタンプも数点をダウロードした。
そして今日は可愛くもギャグタッチの乙女。
布団にくるまって寝ているイラストが可愛らしい。
返信も直ぐに帰ってきた。
【お仕事お疲れ様、おやすみなさい】
これだけ千香良は甘酸っぱい。
スマホを胸に抱いてドキドキしている。
漸く恋人が出来たことを実感出来た。
【明日、暇だったら子供のフットサルの練習試合を見に行かない?】
そして金曜日ライン。
何じゃ、そら?
【行きまーす。何時に、どこですか?】
それでも千香良はOKの返事。
フットサルは後から調べる。
試合だからスポーツだろう。
そして土曜日。
三上は家の前まで迎えに来てくれた。
千香良は興味津々の母を押さえ込むのに一苦労。
未だ未だ、親に紹介する段階じゃない。
「晴れたね」
運転席の三上が天候の挨拶。
どうやら千香良は晴れ女らしい。
暑からず寒からず気持ち良い日。
千香良はスポーツ観戦らしくヤンキーズのキャップを被ってきた。
そして衣装は白のタンクトップの上から水色のストライプシャツ、白のミニキュロットを合わせて着た。
当然、靴下は紺で靴は白のスニーカー。
三上は少しゆとりを持たせた白のTシャツにスキニージーンズ。
足元のスニーカーは水色だ。
中々、似合いのカップルだ。
「フットサルを子供達に教えているのはサッカークラブで一緒だった人なんだ」
運転席から三上が話し掛けてきた。
「へ~」
千香良の小鼻が少し膨らんだ。
昨晩フットサルを検索。
少し得意になっている。
サッカーのルールや用具を縮小した室内や屋外の小さなコートで行われるスポーツだ。
5人対5人対でする。
正直な気持ちを言えば千香良はスポーツ観戦には興味が無い。
ましてやフットサルなどルールも虚覚えだ。
けれども三上との初めてのデートにそんな本音は口が裂けても言えなかった……
そして三上の応援するチームは圧勝。
昼ご飯はラーメン。
思い出の『唐式』で食べた。
変わりなく混んでいて、変わりなく美味しい。
前に来たときに千香良が意識した可愛らしいパートさんも健在。
また少し尻がでかくなっていた。
三上との交際は常に健全そのもの。
デートは昼間。
絶叫コースターの遊園地、淡水気水族館、野球のデイゲーム観戦。
1日を楽しんで早めに送り帰す。
別れ際に人目を気にしてする軽いキス。
それ以上は先に進まない。
それでも土曜日は毎週デートと暗黙のルールが出来ていった。
なぜなら日曜日は千香良も三上も都合が悪い。
千香良は3級左官技能試験の実技の講習会。
三上は塾の講師のアルバイト。
お互いのフィールドを大切にしていた。
親の望む10代の恋愛。
千香良は何度舌先で突かれても上手く唇を開けない。
どうしても体が硬くなる。
それなのに……
物足りなさを感じていた。




