重くて刹那的 2
現在地は三上の友人宅。
駐車場でバーベキューをしている。
敷地は300平米ぐらいだろう。
結局、千香良は参加。
心情としては家に居ても埒があかない。
此所までは三上の車に乗って来た。
Kの四駆で色は黒。
他にも女子2人が同乗。
三上とは同じ高校だったそうだ。
要するに優等生で賢い。
1人は長い髪を頭頂部でお団子にしている。
衣装は無地の白Tに花柄のキャミワンピ。
ほんわかして可愛らしい。
そして、もう1人はボブヘアーをアプリコットオレンジに染めた個性派女子。
衣装はヘソ出しのロゴ入りパーカーにスキニーデニム。
挑発的なスタイルで悩ましい。
2人ともナチユラルに盛ったメイクは上級者。
学業とお洒落を両立している。
それに引き換え千香良は黒のポロシャツにワークパンツ。
敢えてお洒落をしてこなかった。
しかも日焼け止めだけのスッピン。
理由は張り合うと惨めな気がしたから。
千香良は自分でも卑屈で嫌になる。
それでも行きの車の中では話が弾んだ。
美味しいスイーツ、好きなアイドル、お気に入りの歌……
個性派女子が話を振ってくれて退屈しなかった。
千香良はそれだけで来て正解だったと思った。
学歴コンプレックスは駄目だと、改めて思う。
そして今は男子諸君に囲まれている。
三上を含めて4人。
天気も上々。
肉の焼ける香ばしい匂いが漂う。
ここでも同じように会話は楽しい。
しかしながらスイーツはラーメン、アイドルは芸人、歌はゲームにとアイテムは代わっている。
「楽しい?来て良かっただろ」
千香良は頷く。
すると
三上が紙皿を渡してくれた。
肉は上手そうに焼けている。
三上はグリルの番人を引き受けたらしく忙しそうだ。
そして女子はもう1人が参加していた。
自動車免許試験場で三上と居た娘だ。
ワニのマークのシャツワンピースでお嬢様然としている。
千香良には厄介な人物だ。
視線を感じると、その先に必ず彼女の姿。
今も感じる。
「相葉さん?」
三上が紙皿片手に、ぼんやりしている千香良に気が付く。
声のトーンが心配そうだ。
「ごめん……彼女……試験に付き添った娘だよね?」
千香良はストレートに聞いてみる。
「うん、従姉だけど……千香良が気になるんだ」
三上は一瞬だけ視線を従姉に向けた。
千香良の訝しげな顔を見せる。
理由は察しが付くが従姉とは微妙だ。
「気にしないで……言いにくいけど……多分、千香良のこと俺の彼女だと思っている」
三上は千香良から顔を背けて説明していた。
耳を掻いていたのは気恥ずかしいからだろう。
「な~んだ、三上は、まだ告白していなかったのか」
側に居た友人に会話は丸聞こえ。
当たり前のように冷かされる。
三上はドジな展開に苦虫をかみつぶしたよう。
千香良も困る。
「此奴、馬鹿だぜ~好きな娘とは友達のままが良いだって、じゃあ、誰を彼女にするのって、なぁ……」
集まりには先輩も2人は来ている。
それに未成年でも飲む奴は飲んでいる模様。
アルコールが入って気も大きい。
囃し始める。
「どうしたの?」
するとガレージで陽射しを避けていた女性陣も輪に入って来る。
「三上が千香良ちゃんに交際を申し込むんだ」
もう、三上は後には引けない……
千香良は逃げ出したい気分だった。




