表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガテン系の女 愛より、恋より、修業中  作者: うらら桜子(旧 咲良ヤヨイ)
55/140

真面目で不器用 5

 




 喧嘩は両成敗と言われるが、実際は強い方が処分を受ける。

 損な話だ。

 

 それは兎も角、話を聞く限り悪いのは相手だと思う。

 

 女の子に酷いことをしたんだ。

 千香良だって殴る。

 

 高校2年の夏休みに龍太はギャルと仲良くなった。

 切掛け(きっかけ)は毎朝、同じコンビニで遭遇したから。

 

 龍太は土建屋のアルバイト。

 ギャルは公園で仲間達とダンス。

 愛称は「コッコ」

 本名は分からず(じまい)


 深入りされたくない雰囲気があったらしい。


 それでもラインで繋がっていれば友達認定。

 関係が深まればお互いを知れる。

 

 龍太は、コッコが好きだった、と言った。

 目が大きくてスタイルも抜群。

 明るくて、よく笑い、面倒見も良く、気が利いたらしい。

 

 現場に龍太の様子を見に来ては、清涼飲料水を差し入れしてくれたそうだ。

 

 暫くするとコッコ達グループは建築現場のアイドル的存在に定着。

 

 そして1人の娘が鳶に誘われ、犯された。

 コッコと1番仲の良い娘だ。

 

 鳶の車はスリーポインテッド・スターのエンブレム。

 簡単だったと思う。

 

 けれども、鳶は逆ギレ。

 

 相手のギャルが年齢を偽っていたからだ。

 18歳と言っていたが、本当は15歳。

 中学生と分っていたら対象外だった……


 ただ不幸中の幸い。

 挿入は未遂に終わる。

 流石に中学生と告白されては無理。

 萎えたらしい。


 そんなの関係ない。

 性的暴力は犯罪だ。

 

 そして、事と次第を聞いた龍太が鳶を容赦なく殴った。

 相手が吐き出した血に折れた歯が見えたそうだ。


 けれども、龍太の混乱していたらしい。


 コッコは高校生のグループと言っていた。

 けれども嘘。

 本当はコッコも中学3年生だった。

 知り合ったのはSNS。

 年齢詐称は中学生だと遊んでもらえないから。

 ありがちな理由だと思う。


『俺、ラジオ体操、無茶苦茶上手いだろ。鑑別所仕込みだ』


 最期に龍太が自嘲気味に言っていた……

 



「何、ボーっとしている?飯が零れるぞ」


 気が付くと目の前に龍太がしやがんでいた。


「……」

 

 千香良は無言で微笑み返す。

 そして筍ご飯を咀嚼する。


「朝から嫌な話聞かせて悪かったな」


 千香良は首を横に振る。

 筍ご飯を頬張りすぎだ。


「俺の女難はまだ、まだ有るぞ。もっと、聞いておくか」


 龍太は呵々と哄笑。

 

 千香良は大きく頭を振った。

 冗談じゃない。

 人様の過去など聞くもんじゃない。


 千香良は黙々と弁当を食する。

 

「天気が良いぞ。飯を食ったら散歩にでも行ってこい」


 千香良は頷く。

 住宅街は外壁の仕様が色々見られて楽しそうだ。

 龍太は本当に優しい。

 そして強い人だ。


 千香良は兄貴と呼びたくなった。


「うん、龍兄」


「おっ、良いね、その呼び方」


 千香良の心は真面目で不器用に出来ていた。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ