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ガテン系の女 愛より、恋より、修業中  作者: うらら桜子(旧 咲良ヤヨイ)
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おせっかいでロマンチスト

 



 修了検定、仮免学科は一発合格。

 残りの学科、応急救護のレクチャー、路上教習も順調に終えた。

 そして今日、卒検を一発合格。 

 一念発起で頑張った賜物だ。


『勉強は出来るか出来ないかじゃなくて、するか、しないか、だからな』


 三上の言葉だ。

 

 千香良は兄にも言われたことがある。

 しかし、兄の言葉は心に染みない。


 火曜日に本免許学科を受けに行く。


 三上とは再会して日から度々、自動車学校で顔を合せている。


 今も一緒に送迎バスの中だ。


『三上整形外科』の医院長はやはり三上の父親だった。

 そして三上は後を継ぐ人生が決まっている。

 4月から医大に通う。

 

 千香良に、友達を紹介してほしい、と言ったのは期間限定の軽い乗り。

 羽を伸ばせる最期の春休みだからと、言い訳された。


 中学、高校と目的を持って勉強してきた奴は大学で箍が外れる。

 千香良は原田で学んだ。

 

 男子大学生の生態は三上にも当てはまるのだろうか……

 千香良は警戒しながらも興味深々。


「もう、自動車学校で会えないからライン交換しておこう」


 三上がスマホを取り出し提案してきた。


「うん、でも私は左官だよ」


 千香良は素直に嬉しいが、意外だ。

 兄が言っていたように、住む世界が違う。

 

 千香良でも話していれば分かる。


 人生に対する考え方とか、政治、福祉といった興味の対象、聴く音楽、読む本。

 全てがハイソサエティーで、千香良はちんぷんかんぷんだ。

 

 けれども三上は千香良と話すのが好きらしい。

 左官仕事の専門的な話からマンガ、お笑い、ファッション。

 何でも聞きたがる。

 

「何、それ?関係ある。生き方の違いだろ」


「生き方の違い?」


 千香良は眉間に皺を寄せた。

 意味が理解できない。


「それより、相葉の家ってウエイトレスって募集していないかな……」

 

 今度、随分、具体的な話だ。

 

「ウエイトレスって女の人だよね……」


「うん、俺の姉ちゃん。中卒なんだけど英語はネイティブ。オーストラリアに8年住んでいたから」

 

 三上はさらりと言ってのける。

 帰国子女ということだ。


「お兄ちゃんと同級生らしいよね」


 千香良は兄の話を思い出す。


「僕は小学生だったから、よく分からないんだけど……姉さん元ギャルでさ、訳ありなんだ」


 三上は平然と姉の過去を暴露してくる。


「私の師匠も訳あり、らしいけど過去は関係ないよ」


 千香良の脳裏に龍太が浮ぶ。

 

「だよな」


 三上のバラエティー豊な好奇心と、人格は家庭環境の複雑さにあるようだ。

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