緊張して充実 4
千香良は原田への返信は保留にしてスマホで検索を掛ける。
短期間で千香良は結構な耳年増になっている。
現場で男連中の話が聞こえてくるからだ。
千香良は何人かに男子と間違えられた。
けれども中には冗談口調で「デートしようか……」なんて言ってくる叔父さんもいる。
そんなとき、龍太が一言。
『未成年だぞ』
『お縄か……』
大笑いが起る。
千香良を紹介したときの定番の遣り取りが出来上がりだ。
そして『プラスター工房ムラオカ』の車以外は乗るな、と釘も刺されている。
【大学生高校生ドライブ】
何件かのヒットを読んでみるが今一つ参考にならない。
こんな時、同年代の友達が必要だと痛感する。
千香良はスマホを睨み個別のラインを送ることを考えた。
けれども無理だ。
個別でも無視されたら、それこそ友人0人が決定してしまう。
幼馴染みに圭子は千香良が高校に入った頃から疎遠だ。
それにヤリマン疑惑がある。
そういえば『蘭々』の娘に、幼馴染みの悪い噂を聞いたと、溢してしまった。
誰にも言わずに胸に秘めておくと、何かの弾みで兄に暴露してしまう。
要するに、防衛策からの軽はずみ。
致し方ないとする。
勿論、名前や仕事は言っていない。
『噂は飽くまでも噂だけど……千香ちゃんは変な影響受けると困るから、近寄らない方がいいかも』
『蘭々』の娘からのアドバイスをもらった覚えがある。
けれども『蘭々』の娘は原田に近過ぎる。
色々と相談しにくい。
それならば亜紀……
現場絡みの相談はしている。
しかしながら、プライベートの相談を持ちかける間柄には至っていない。
折角のお誘いが憂鬱になってくる。
すると、また「チコン」と着信。
原田だ。
【ドライブは却下転々では電車デートに変更】
どうやら原田は千香良の逡巡を察したらしい。
それとも未成年をドライブに誘うリスクに気が付いたか……
非がなくとも誤解や些細な行き違いで犯罪者に身を落とす。
原田は頭の回転が速いようだ。
電車なら千香良も迷わない。
【了解、何時にどこですか?】
【『蘭々』最寄り駅 AM9時】
千香良はパンダが 'はぁ~い' と敬礼しているスタンプを送る。
そして行き先を尋ねる。
【未定だけど、どこか行きたいところある?】
千香良は考えてみる。
(映画はDVDが出てから家で見派だし……ショッピングモールはお母さんと行った方がいい。遊園地は予算的に行きたいなんて言えない……)
思いつかない。
(大学……見てみたいな……駄目かな……動物園)
【動物園】
【了解、お休み】
千香良も布団に入ったパンダのスタンプを送る。
そしてベッドから降りてファッションショーを始めた。




