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何事にも情報じゃ

魔王と侍女で一通り話してから先ずは情報収集と結論づいた後、二人で一室に向かった。

移動に掛かる時間は数十秒である。


何故なら魔王城は城とついてはいるものの、その実大した大きさの住居ではない。


精々10人程の居住スペースしかなく、玉座の間も食卓と兼用しているくらいである。



「リン、邪魔するぞ」


「はいはい、どうぞ」



レイラの声に部屋の中から間の抜けた返事が返ってくる。

ドアノブを回して二人は中に・・入られ無かった。



「・・・リン。また足の踏み場が無くなっているのだけれど」


「えぇ、そうかい? そことソコに跳ぶと良い感じに椅子まで来れるがね?」


「「・・・」」



侍女の掃除は定期的に行われているが、それにも屈しないのがこの部屋の主である。

ぼんやりした様子の彼女は獣の縦耳をヒクヒクと動かしながら、床に広がる紙の隙間を指差した。


ため息すら出ない二人は、互いに目配せしてから木椅子まで跳んだ。



「おっとっと」



椅子に座り机に突伏していた獣耳少女は、軽い衝撃に眼を見開いた。

そんな彼女にレイラは軽く頭を撫でた。



「我もあまり言えたものではないが、もう少し部屋の管理に気を配るのだぞ」


「うぅ…、善所するよ」



耳と尾を垂らして反省の色を見せる隣で、無言のまま頷く侍女。

そうしてから、レイラはこほんと咳払いをする。



「まあ今はよい。そんなことよりも勇者のことを調べたいのじゃ」


「えぇー、またかい・・。年に一回でいいって言ってたじゃないか」


「イヤイヤ、先ほど剣が抜かれた気がするのでな。至急頼む」


「あれま」



なんとも間の抜けたやり取りのあと、リンは近くのベットに飛び乗ると枕の下を漁った。



「・・結構高い水晶だから大事にしなさいよね」


「柔らかい枕に置くといい感じなんだよ。ヒルデも試すかい?」


「私は仰向けに寝ると羽が痛いから遠慮しておくわ」


「それは残念だ。・・で魔王様、何を映せばいいのかね?」



レイラは少し考えてから、ポンと手を打った。



「そういえば、あの剣に`眼´をつけていたであろう?」


「なるほど。では其処を基点に映すよ」



ここで言う眼とは、遠距離からでも発現可能な魔法の発現箇所のことである。ただし、周囲に影響を与えるような類いのものは発現できない。



この世界、魔界と人間界が歪にくっついた世界では魔法とはありふれたものである。


魔界では無意識や自然にといった感覚的に行使し、人間界では理屈や計算の元魔法を行使している。


とは言えそれは一般的なもので、何事にも例外はある。

事実としてリンは魔法を研究し、魔界では馴染みのない偵察や精査に関する魔法を行使している。



「・・んーっ、そろそろ見えそうだ」


「どれ、哀れな勇者の姿でも見てやろう」



水晶を淡い光が包むと、ゆっくりと霧が晴れるように景色が見えてくる。

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