9.快楽
ガサッ
ふー!ふー!
生きてる!
俺生きてるよぉおお!「ピヨォオオ!」
狼!
狼は!?
うろうろして・・
振り返って・・
去ってった!
去ってったね!?
助かったああああ・・
マジ死んだかと思ったああああ・・
もういい。
臭くてもいい。
ここにいる。
ここから離れないもんっ!
ていうかさ。
森に入って即、狼とエンカウントってどういうことよ。
狼が多い?
すると農園が平穏なのはこの植物がかなり強力ってこと?
臭いだけならまだいいけど、ホントに毒とかないよね?
まぁ、毒だったとしても打つ手無さそうだし。
開き直ろう。
既に綱渡りの連続なのだから。
当座の拠点はこの悪臭植物にするしかないかな。
雨風も多少防げそうだし。
食料は・・最悪、ヤツの目を盗んでエサ場から頂戴すればなんとかなる。
となればネックはやはり今後の自衛手段か。
ひよこに・・成長したとして、鶏に狼と戦えるのか?
うーん。
やはり・・魔法的なモノがある以上、どうにかして目指したいな。
呪文詠唱が必須なのか、魔力の流れとかそういうので何とかなるのか・・
ちょっと待て。
なんか引っかかってるぞ。
・・あれだ!
ヤツが魔法を使った時。
ゾクッとしたじゃないか!
つまり、魔力的な何かを感知できたんじゃないの!?
おいおい、光明見えてきたぞ?
これはあれだ、考えるな。感じろ。
そう、内なる何かに集中して・・
・・臭い。「ピヨ」
臭ぇえええよボケェエエ!「ピヨォオオ!」
集中とか、全然無理。
どうしよう。やっぱり水浴び?
風邪引いちゃうかな?
なんだかんだで産まれたてだし?
無理は良くないね。
では別の方法か。
何かに擦り付けてみるか?
他の植物とか。
あ、地面でいいじゃない。
では転がってみよう。
ていっ「ピヨッ」
なん・・だと?
これは・・
「ピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨ」
・・楽しい。
・・楽しいじゃないか!
超絶楽しいんですけど!
この為に転生したんじゃないの?俺。
もうね、筆舌に尽くし難いというかね。
・・ええい!
これより修羅に入る!
「ピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨッピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピピヨッピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨ」
堪能してしまったぜ。
匂いはとれたかな?
まだ少し残ってるな。
仕方ないな。
まぁこれは仕方ない。
やるしかないよね?
もう一回☆
「ピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピピヨッピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨッピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨッピヨピヨピヨピヨピヨ」
・・ふう。
我が生涯に一片の悔い無し。
苦情は受け付けない。
しかしこれは・・堪らん。
イケナイ遊びを覚えてしまったぜ。
まあ匂いもとれたし。
実に有意義な時間であった!
そして心が浄められたようにスッキリしている。
これは集中できそうだ。
では。
仕切り直しといこうか。
気にならない程度に悪臭植物から距離をとって。
体内・・
周囲・・
五感以外に何か感じるか・・
これは風・・
違う・・触覚だ・・
・・温度・・も触覚・・
いや・・
決めつけは良くない・・
もっと・・
頭をカラッポにして・・
無の境地に・・
無・・
・・・
・・・
・・・
・・おっぱ○・・
・・・
いかん。なんか混ざった。
煩悩よ去れ。
・・・
・・ん?
無を目指してどうするんだ?
なんかズレてる気がする・・
悟りを開こうとしてるような?
それもアリ?
違うか。
いかんゴチャゴチャしてきた。
あかんわこりゃ。