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5.純潔

少々、教育によろしくない表現があります。(今更とか(ry )

ご注意下さい。



バシャンッ


水の玉が陶器らしき器に落ちる。


あ、なるほど。

俺らの飲み水ってことね。

こりゃどうも。







・・って!


そうじゃねえだろおおっ!「ピヨオオッ!」


いかん、魂の叫びが。落ち着け。

いや、落ち着ける訳ないだろ。


魔法ですよ?

魔法。

いやー。

初めて見たわー。

地球じゃないことは確定か?

念じたらメニュー画面出るかな?


出ないな。

呪文か?コマンドワードがあるとか?


メニュー!「ピッ!」

あ、発音できねーや。

そういえばひよこでしたわ。


成長・・したところで無理か。


つか、飼主何か呟いてたよね?



つまり・・呪文詠唱が必要なのでは?









はい、詰んだー。

なんだよー。

期待させるなよー。

あーもーやる気なくした。

座ろ。

お、案外楽だな。

一瞬で立ち上がれるし。

実に合理的だ。

ひよこ素敵。

魔法さえ使えればな。


・・はぁ。

魔法使いたかった。



あ。

飼主が去っていく。

なんだよ魔法教えてけよこのやろー。「ピヨー」

お?

飼主戻ってきたぞ?

なんだなんだ?

や、やんのかこのやろー!「ピィー!」



あっさり掴まれました。

至近距離でジロジロ観察するおっさん。

や、やめろや。

なんか恥ずかしいだろ。






!!?






おもむろに足を広げー




や、やめろ!「ピ、ピヨッ!」




だめーー・・アッ「ピヨーー・・ッ」






















もう・・お婿にいけない・・


アタシ・・汚されちゃった・・





!!!





飼主のヤロウ・・

ため息ついた挙句、首を横に振りやがった。




あうっ「ピヨッ」


しかも放り投げやがった。



なんという・・屈辱。

絶対に・・許さんッ!

俺は普段、絶対という言葉を使わない。

人のすることに100%などあり得ないからだ。

その上で誓おう。



絶対に・・許さんッ!

今生をかけて貴様に復讐してやるッ!

絶対にだッ!



よし・・切り替えよう。

この感情を魂に焼き付けろ。

鮮やかなまま、焼き付けるんだ。

そして今は忘れろ。

怒りなど持続できるものではない。

復讐する時に感情を呼び起こせれば良い。

そう。

今は寝ておけ・・。




















よし☆何も無かったよ!


繰り返す、


ナ・ニ・モ・ナ・カ・ッ・タ・ヨ・?



















さて、飼主は俺の性別が気になるも判別出来なかった様子。

ひよこ鑑定士ではないらしい。

自分の性別がわからないのは落ち着かない。

が、仕方ない。

メスだった時の覚悟だけしておこう。


問題は飼主が気にした理由だ。

単純な興味なのか。

それとも、他の理由があるのか。



実に、嫌な、予感が、する。



アレだ、部長が隣の会議室で怒鳴り始めた時と同じだ。



能ナシの次長か、慌て者の課長が何かしらやらかすのだ。

そして、部長に静かに呼び出しを受けるのだ。

企業戦士にとってそれは不可避。

業務命令という名のデスマーチ宣告。

既に手遅れな問題を何とかしろ、との無茶振り。

そして現在進行中の業務を代わってくれる奴などいない。

同時進行。当然、苛烈を極める。

納期明けなど、生きている自分に生命の神秘すら感じる。



そのデスマーチの皮切りとなる部長の怒鳴り声。

その時の絶望にも似た、確信にも近い感覚。


それを、今、何故か、感じる。



・・はっきりさせよう。



ひよこが俺を含め、3羽。

換羽期とみられる雄鶏が1羽。

雌鶏が7羽。

離れた小屋にパパン&ママン&マイブラザー(卵)。


鶏を飼うということ。

すなわち、それは畜産だろう。

パパン&ママンのつがいは、新たな命を。

雌鶏達は、無精卵を。

極端に少ない雄鶏は食肉用として。

畜産として考えるならば、それが合理的というものだろう。



つまりだ。

俺がメスであれば良し。

オスであれば・・約束された死へのカウントダウンは始まっているということだ。


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