表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/29

3.ピヨッ



ひよこかぁ。


つまり鶏。







・・なんでやねん。


どうしてこうなった。


誰か説明ぷりーず。







・・はぁ。


とりあえず、だ。


夢にしてはリアル過ぎる。

現実なのだと受け入れてみよう。


その上でまず思いつくのが転生の可能性という辺り、俺も末期な気がする。


だけどなー。

他に思いつかないしなー。

まぁ、暫定的に転生したことにしておこう。


そうすると、だ。

俺、死んだってこと?

後悔しかないんですけど。

白井嘉章26歳。

二流私立大卒、暗黒と言って差し支えのない生産設備メーカーに就職。

就職後一年で彼女に捨てられ、以降は社畜として修羅場という名の日常生活に身を投じる。


それで終わりですか?



・・そう考えると猛然と腹が立ってきたな。



おい、神!

ちょっと出てこいや!

普通転生する時は出てきて説明とか謝罪とかあるんじゃねーのか!?

あん?

転生モノの読み過ぎ?

ほっとけ!









・・まぁ出てくる訳ないよね。

いいよ、そんなご都合展開は期待してなかったし。



しかし、鶏ですか。

働かなくていいと考えると、まぁ幸せなのかね?

何年くらい生きるんだろ?10年くらい?

まぁのんびりしますかね。



そういえば。

ここって日本?異世界?

どうなんだい?マイマザー。


マイマザーだよね?


ダメだ。首傾げながら真顔で見つめてるよ。

コミュニケーションは出来なさそうだ。


とりあえず小屋があるんだから人型の生物はいるんだろう。

農具らしきモノに金属も使われている。

最低でも中世ヨーロッパ程度の文明はあるとみていいんじゃないかな?

まだ現代日本の可能性も残していいかな。

ぶっちゃけ小屋の中で判断できるような知識は持ち合わせていない。



つか明るくなってきたのと、周囲を見回してみて気づいたんだが。マイマザーの向こうにいるのはマイファザーではなかろうか。


よろしくっ「ピヨッ」


よろしくと言ったつもりがピヨっと発音してしまった。

ちょっと恥ずかしい。

早くこの感覚に慣れねば。


両親は揃って真顔でコッコッと呟いている。

やはりコミュニケーションは諦めよう。

つーか目が合うとちょっと怖い。



改めて考察に戻ろう。

足元の土の粒、巣であろう藁?、両親、小屋や道具の大きさ。

比較するに記憶にある普通の大きさなのだと思う。

ひよこ視点なので色々と怪しいが。

ぶっちゃけ全部巨大にしか見えん。


うん、日本か外国か異世界かは判断つかないが、人間or人間に近い種族に飼われていることは間違いなさそうだ。






お?


パパンが立ち上がってウロつき始めたぞ?

ママンもなんかモゾモゾしてる。


あ!


ママンの下に卵が見えた気がする!


マイブラザーなのか!?

マイブラザーなんだな!?


おおお、前世は一人っ子だったからなぁ。

夢が膨らむなぁ。

何しようか。

孵ったら刷り込みさせてー。

後をついてくるひよこをー。


ん?


刷り込み?


俺は?


してるの?


うーん。


多分・・ママンだろうな。


超びびった割に感じた妙な安心感・・あれが刷り込みだったのかな?

そんな気もする。

まぁ、なんでもいいか。





色々考えてるうちに結構明るくなってきたな。

飼主?が農家的な生活をしていればそろそろ起きていてもおかしくないかな?

日本であれば、だけど。


あ!


そういえば照明っぽいものがない!


うわー現代の確率は低そうだなー。


ん?

鶏にとっちゃ文明度なんかどうでもいいか。


飼主が乱暴かどうかとかの方が大事な問題な気がする。


どんな飼主なんでしょうねー。

ちょっと緊張してきたかな?



お?

噂をすれば・・これ、人の足音じゃないの?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ