4 護衛騎士の独り言
まだ地味作業に到達できておりません・・・・
俺は、小さいころからあこがれの騎士になりてくて、必死にがんばり、とある領地の騎士団に見習い騎士として入団したのは12歳のときだった。
必死だった、農家の五男で生まれ、自分でのし上がるしかなかった、夢はいつも騎士になることだった。
痩せた土地に必死で種をまきその日の食事も薄いスープだけの生活、ほとんど水のようなスープだ。
しかも五男、大切に育てられるはずも無い。
必死だった 生きていくことに、必死だった。
食べていくことに 必死だった。
この貧困の生活からの脱出に、俺が居ても居なくてもいいという家族達
必死だった。
生きるということをおいかけることに
骨と皮だけというのが 俺の成長した姿だった。
12歳のときに、俺の住んでいる領地の祭りで小さな子供が参加できる模擬剣闘大会があった。
迷うことなく参加して絶対勝つ!
そんな心で参加した。
無残だった、骨と皮だけの俺がそんな大会に出ても、二回戦敗退だった。
あまりの悔しさに 声も無く叫んだ。
俺は、もっとのし上がりたい・・・・・・
もっともっともっと、食べたい。
もっともっともっともっと「俺」という、自分を生きたい!
貧困の中で必死で生活してきた
心から飢えていた、
俺は誰からも必要とされていないのか
俺はこの世界に意味の無い人間なのか
俺は生まれたことは意味あるのか
おれは
おれは
俺は・・・・
「ねえ。」
「鼻水と 涙で かおぐっしゃぐっちゃの そこの君~ちびっこさん~
剣術も何もできないのに 必死に振り回して 一回戦必死に死に物狂いで勝ったそこのあなたのことですわよ。
負けて笑えるぐらい涙で顔がぐちゃぐちゃで悔しい顔の貴方の事よ。」
空耳か?とてもきれいな声が聞こえた、内容はきれいじゃないが
「ねえ そこの ぐちゃぐちゃチビッ子!」
俺の前に、信じられないぐらいのお人形さんがいた、金髪碧眼、真っ白な汚れも知らないぐらい白いドレスを纏い金髪の髪には、見たことも無いほど輝く黄金色のきらめく艶々したお髪、その髪には宝石の髪飾りがついており桜色の唇、リンゴ色の頬・・・・・・・・
背は俺よりも とても低く
年齢は 4歳?5歳? それくらいか?
なんでそんな幼子に 俺は ちびっこと 呼ばれるのだろうか?
妖精か?
第一印象がソレだった。
「ねえ 鼻水ちびっこよ。 あきらめたら そこで 試合終了だぞ! by 〇〇先生!」
?????? え? 何先生?
「ねえ 鼻水少年 君って笑えるぐらい 負けず嫌いでしょ。
あそこまで鼻水と涙で悔しがって!
ねえ そんなに悔しいなら上に上がる気持ちは人一倍あるんでしょ?
上に上がる人は私は心が伴ってないと、あがれないと思うのよね
きれいな人間は上に上がる努力しないと思うんだよね 私が思うには」
強く拳を掲げて 妖精は 語る。
俺は妖精の言葉を一つも忘れまいと耳を澄ませた。
「向上心!
己の限界点の突破!
覇王!
欲求!
強さを求める欲求!
己の誇示! 今時代は世紀末! チャラ~ラ~ チャララララララ~ラ~ラ~
ユアッシャーーー!」
妖精が 大きな声で 叫んでいる・・・
何か 今まで聞いたことの無い詩を歌っている。
だた、ただ、 呆然と・・
俺は もう 呆然と何も考えれずに 妖精を見ているだけだ
涙もとまってしまった。
鼻水も止まったが 息が鼻水がつまったせいで口でするしかない。
「鼻水ちびっこ君! これから 頑張って強さを求める気はあるかしら?!」
妖精が 俺を指差したので
俺は 何も考えず 何も考えず 流れにそっって言ってしまった
「強くなりたい!死に物狂いで生ききてきた!今以上に苦しくても
俺は何でもします!」
そうして、妖精の家で 見習い騎士として 生活することになった12歳。
妖精かと思っていた少女は 侯爵令嬢で俺のお嬢様 そしてその弟君の侯爵令息の俺のおぼっちゃま
この二人の遊び相手っていうのが 俺の見習い騎士っていう立場だった。
「ねえ。もう12歳超えてるんだから 冒険ギルドいって登録して来なさい。」
お嬢様の命令は絶対だ! 登録してくるさ。
そして お嬢様と令息の二人が 山とかで狩してきた ゴブリンの討伐の証のシッポを俺名義でギルドに討伐報告して褒賞金をもらい、お嬢様と令息のおこずかいになる。
そして そのお金で 「クッキー」とやらの、素材を買ってくるよう命令がある。
俺にも お嬢様は 味見だといって 食べさせてくれる。
はっきりいって うまい 貧乏農家の五男として生活していた俺から見たら信じられないぐらいうまかった。厨房やお屋敷で働いている者たちも同じで うまいといって絶賛している。
だが、お嬢様 ゴブリンを発見したらまるで宝石を見つけたかのように瞳を輝かして叫ばないでください。
「きゃーーーー!!! ゴブリンよ!!! カイル! おこずかいよ!」
「ゴブリンだ! あ! あっちにも いますよ!おねえちゃま!」
「逃がしちゃダメですわよ!」
お嬢様と御坊ちゃまの二人が信じられないぐらいのスピードで追いかけっこを庭でしても、俺も血だらけになりながら着いて行くしかないんだ。たとえ骨折と裂傷が一杯できったって、付いていけれなかったらそこでクビになってしまう。
血だらけで 必死に追いついたと思ったら。
そこで お嬢様とお坊ちゃまが 素早さを上げる特訓だとかいいながら 石をぶつけながら信じられないスピードで避けながら魔力で身体強化している風景。
「カイル!まっすぐに攻撃してもフェイントには、ならないわよ!罠をかけなさい!
正面から攻撃しかしない 騎士道なんて意味無いのよ!戦場では!
傭兵や、野良騎士もいるのよ! 腹黒くなりなさい!腹黒い騎士のことを《黒騎士》と、呼ぶ王国もあるらしいわよ。」
どこにあるんですか?そんな王国・・・
「はい! おねえちゃま!人間は裏!裏あるから人間!人の裏をかく!」
ぼっちゃま・・ 侯爵継ぐ人ですよね?
「ココロがきれいな人が上に立っても ただの張りぼてよ! 裏で誰かに操作される人なだけ!」
何があって そんな言葉がでるのですか?お嬢様・・・・・
「おねえちゃま!ぼく操作する!人になる!」
お坊ちゃま・・・ 俺 なぜか 汗と涙でてきました。
「自分の限界を超えるために、今ある力の底を知らないといけないわ!魔力全部使い切って
使い切ることで 身体がさらに魔力量を上げないとって意識するの!さあ!今この幼い時代で魔力を毎日使い切って 自身の魔力量を増やすのよ!」
お嬢様 あなた そんなことしなくっても 左手団扇で、困ることなく生活できる人ですよね?
俺が心の中で つっこみを入れていたら・・・
コッチに矛先がきてしまった・・
「あら 鼻水チビッ子。 あなた早く自分の傷を治しなさい。
本当にヒール苦手な子ね~ そうだわ
苦手なら 毎日必死にヒールしなさい。
苦手だから 伸びないとか!自分には向いてないとかダメよ好き嫌いしては。」
ヒールが苦手な 俺はこの後 一ヵ月間 苦手治療魔法のヒールを克服するため 回ることになる。
侯爵様(お嬢様とお坊ちゃまのお父上様)の領地訪問についてまわり、各村でヒール・・・・
ヒーーーーーール・・・・・・・
常に村や町で いろんな人にヒール。
一ヵ月間 魔力が0になる毎日・・・・・・
お嬢様の一言で
「お父様 鼻水ちびっこね ヒールの特訓がしたいんだって
だからね お父様の領地訪問につれていって 毎日魔力がなくなるまで 各村でとことんヒールちゃってほしいの。
ちびっこは心の優しい騎士を目指しているのよ。だから沢山の人たちに癒しをあげたいのですって!すごいわよね~
お礼のお金とかは 教会に寄付してほしいんですって!
司祭様もきっと勝手に癒しても何も言ってこないわよ。
ちびっこは特訓のためのヒール(治癒)なんだから。
とにかくお父様毎日ヒール(治癒)させまくってあげてね。」
ヒール(治癒)は 魔力保持者の初心者の治癒魔法です。
だけど簡単な治癒どまりっていうのが普通。
俺もお嬢様に教えてもらって やっと小さいが治癒魔法ができるようになった。
初めて自分の傷を直したときには 感激した。
かすり傷や少しぐらいの傷なら 俺のヒールで治癒できる。
それ以上の傷のときには 一つ上の治癒魔法が必要になってくるが 俺はそこまで あがっていない。
「汝の小さき傷を我が魔力にて治癒しよう ヒーーーール!」
一ヵ月間毎日 本当に毎日 言いまくった・・・・・・
言ってない日は無い・・・・・・・・
領士様の横について一ヶ月間 毎日 同じ言葉をいった・・・・
街がかわり、村がかわり、 だが、言葉は おなじ・・・・・・・
やっと一ヶ月後に 屋敷に帰宅して お嬢様と御坊ちゃまに 再会できて涙したとき
「おかえり~ あ これ 褒美ね!」
お嬢様から 渡された本は・
〔癒しの心 ああ 癒してあげたい あなたの胸板・・私胸板で 心は すでにあなたの胸板の中・・・胸板どっきゅん 胸板ヒールドッキュウン! 第一巻〕
「・・・・・・・・・・・・・」
なんじゃあああああああああ こりゃあああああああ!!!
いらねえ! マジでいらなええ!こんな褒美いらねえ!
うわ! 鳥肌たった!
「鼻水ちびっこ! この一ヶ月で 治癒できない重病に何人あった?」
ああ・・・・ その 言葉は きついです・・・
涙がでそうです。
いろんな村で重病な人が 俺のヒールでは 痛みだけしか 和らげなかったのです。
直すこともできない、だけど 痛みを排除するしかできなかった
痛みを飛ばすだけで 涙で 「ありがとう」と 言ってきてくれた・・・
俺は この一ヶ月間 うれしいことと つらいことの 本当に 両極端を 行ったり 来たりしていた
ちいさな子供の「ヒール」だけで 小さな村のお婆は本当に 涙ながら言ってくれた
「生きててよかった」
って・・・・・・・・・
「鼻水ちびっこ!
この本の治癒者は 変態だ!
マジ変態だ!
神聖変態だ!
だけど!
治癒の能力はすごいとおもうんだ・・・・・」
お嬢様・・・・・・・変態・・・・なんだよね?この本の著者・・・・・
「変態だけど 治癒にかける情熱は
この大陸で一番だと あたしは確信してる。
変態だからこそその粋に達成できたのかなあ~
ねえ 鼻水ちびっこ!
騎士を目指す少年は 大量にいるじゃん?
あんたさ!
ヒール苦手っていってるけどさ!
苦手なら がんばればいいじゃん!
まあ すこしココロの奥においておいてよ!
戦場ではやっぱりアノ台詞が必要だと思うのよね〔衛生兵ヘルプミー!〕とか〔団長が怪我をした!衛生兵!こっちだー〕とか
今はこの世界に衛生へ あ 兵士じゃないか
衛生騎士!うん!こんな感じかな?
あたし戦場では絶対必要だと思うの
つくってみたいんだ!」
俺は アンタに 拾われたんだよ?
お嬢様!12歳で お嬢様についていくって決めたんだ
あんたが ソレを作成したいっていうなら 茨の道だっていうなら
俺がその道を一番に通ろう!
衛生騎士・・・・・
(いあ 変態騎士か?・・・・・)
お嬢様がソレ(変態騎士)を作るというなら
なりましょう
一番きつくて
一番汚れても
一番・・・へん・・・
たとえ それが 変態だとしても・・・・
とりあえず この第一巻 読むしかねえか・・・
だけど何だよ この胸板に飛び込んで来いっていう第一章はさ・・・・
その前に お嬢様 この本 どこで買ったんですか?
それが気になりますよ。