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9 ルベトの森 (休憩場所・後半)【三人娘視点】

前方に黒い毛の獣がいる。



真っ赤な眼をこちらに向けて、涎を口から出し威嚇している。

うん、威嚇してるね。コッチを


太陽からさしてきた光が雲の切れ間から伸びてきたから、その獣の姿をはっきりと見ることができた。


その瞬間 わたくしは、威嚇を無視してまっすぐに獣に進み、体に纏っている赤い炎の色のマントを左手で広げ一瞬でマントを実際の炎に魔法転換させた。

炎は私の身体を包み込み、炎兜は両端から後方へ羽のように炎を出し、胴体は炎鎧となり、背のマントは炎のごとく熱く燃え防御魔法が動き始め、左手には炎により炎大盾が握られ、右手には炎剣を出現させたの、この盾と剣は普段は右左篭手の中に収納させてるんだ、じゃまだし外に出したら周りの皆があっついんだよね~って苦情がくるんだよね、とくにエルザから・・・だって炎だからさ、それは熱いよね。




さあ!かっちょよくいくじぇぃ!

炎を纏いし わたくしフィオーナ=ランズベルク 御歳12歳!ピッチピッチ少女よ!



ん?


なんか聞こえる?


どこから?






(フォオオオオオオ!)


後ろにいる アリッサの副音声が聞こえてくるような気がするが・・・



(アチョーーーーー!)


ん?

さらに別方向から、まだ何か聞こえる・・・



(タッターンターンターンターンタタラ~タッタタターーーン!)


え?これは?まさかアノテーマソング?

ブルース・・・・・


 エルザが鼻歌で歌ってる!

白よ!君は後方支援なんだからね?ヌンチャクだしちゃだめだよ?

武道まったく出来ないでしょ? エルザ貴方は、まったくっと思ってたら。

BGMまだ続けるのね。






 わたくしの炎盾で獣の攻撃を受けて、炎盾の捕術により獣の動きを止め、炎盾からロープのような炎を地面に這わせ獣の脚に絡みつかせ固定させたの。


獣の動きが悪くなったところで、 アリッサが上から二刀の魔剣で獣を狙う。


そこで・・・BGMが・・・・・



(フォアチャアアアア!!!!)


青がキメポーズしながら何か聞こえない声で叫んでる・・・




(タッターッタン!)



白がルーニー達へ防御魔法の壁をつくりながら鼻歌でBGM中ナウ・・・・






三人組のコンビネーションプレイの裏でBGM・・・


盾、攻撃音(奇声)、BGM(鼻歌)そして、私の心のツッコミ各々の役目が完成されている。



これが、初心者芸能人だと、役割以外のことを行おうとしたり、盾は嫌だとか、目立ちたいと思う心などで立ち回りがおかしくなり番組壊滅になるミスを起こすのが初心者芸能人でよくある。


自分の役回りを他の役回りを見ながら行うことがお笑い会の一番条件なのだ。








「すごいな、さすがだねえ。」

と、無精髭の生えた顎を右手で触りながらルーニー殿は笑顔なのか惚けたのか分からない顔でコッチを見てた。


 私達の戦い(お笑い芸人トリオ)の戦いを見守ってくれてありがとうございます。


(フォアチャアアア!!)


(タッタータン!)


皆様に聞こえてない声があるのですけど・・・




「ああ、大したもんだ、学生と比べるのも悪いが、ここらの森あたりの獣クラスは余裕だな。いや、森奥までの余裕だろうな。本当に今回の運び役依頼はおいしすぎるな?ネルソン。」


 ベルガドさん達(パジャマ軍団)が戦闘を終えて歩いてくる私達を見ながら言う。





うん、聞こえないままでいいよね。




「ああ。本当にそうだよ、ベルガド。しかし、あの炎魔法鎧。防具屋が見たら泣くだろうなあ。あんなの普通の町防具屋にはないぞ。あの盾、炎でできているのかすごいな。 

ブックルを親父連中首を長くして待ってるだろうからな最短コースいくんだろ?この道選んだってことは、ルーニーさん。」


「俺も久しぶりにあの道に挑むが、最短だろ?これは、それ以外ねえだろ。」



ほほう。最短コースいっちゃいますか?

いいじゃん このペースなら、かなり早い時間帯に戻れそうよね?

まあ、ブックルがいればの話なんだけどねえ。

学園が連続休暇の間はルベトの街と森を往復してブックルを捕まえるつもりだしね。




その後同じような軽い戦闘が何度かあり、 エルザのBGMという鼻歌を聞きながら戦ったんだけど。


前方に切り立った丘が見えてきて。丘を指差しながらルーニー殿が言った。


「あの丘を越えた場所には小さな泉があって、そこに休憩場所があって、水もそこで補給でききるんですよ。あそこは獣も魔獣も出現できないように魔法が施術されてるので安心して休めれる場所になっていて。たまに別の学生PTもいます。」


休憩場所になっている場所には簡単な骨組みで作成し、雨風を凌げる屋根があるだけで壁はなかったが、休めれる木のベンチと綺麗な水場と簡単な火を焚ける場所があって。

高台にあるため回りを見廻せて、今は風がふいておりとても気持ちいいわ~。



「このルベトの森は、初心者冒険者PTの為に、このような休憩場所が十数か所設置されていて、もし学生PTなどが逸れたり、迷子PT、戦闘不能PTになった場合にはこの休憩場所で助けを待つための場所でもあるんです。

常に巡回PTが休憩場所を決められた順番で回っているので、最低でも二日こういった休憩場所で待てば巡回PTと出会えますからね。

町に近い休憩場所は、今いる休憩場所よりも簡易的に作成されてます。

今居る森の中心部クラスでこれくらいの整備しかありませんが、周りには一応薬草や食べられる食物が生えているんです。

ルベト森最奥場所にある休憩場所には魔法力回復と体力回復の水晶も設置されてるんですよ。」


ルーニーが地図を広げながら現在地と最奥場所を指し、これから向かうブックル生息地を指差し最短のルートを選んでいく。強い獣と、強い魔獣も出る可能性が高いというか、絶対出るらしいが、他メンバーも反対することなどなく、進む道は決まった。



よし、休憩が終わったら奥までいっちゃおうぜぃ。



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