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9 ルベトの森 (走る~走る~ベルガド)

BGMは、やっぱりアレだと思う。走る~走る~☆

町人達はまだ普段なら起きる前だが、商売で仕込みが必要なパン屋は準備などの為に店内に明かりが点いている、パン屋に片手を上げて朝の挨拶をしながらベルガドは日の昇る前のルベトの町裏から裏小道を走りぬけた。

裏小道から、石補強された道に出て、町で一番のメイン大道路を横断する。

そして、別の裏小道に入る。

先ほどは肉屋があった食品を多くそろえた店がならぶ町並、いま居るのは道具店、鍛冶屋、武器などを取り扱う店並みが並んでいる。

その中の道具屋の横にある小さな通路に入ると、裏口のドアを叩く、小さく叩く。

コンコン、

道具屋の親父は、神経質なので大きな音だと、不機嫌になるのがルベトの町の常識である。


「肉屋の息子のベルガドだが。朝早くで悪い。親父さん起きてくれ。」


すこし待つと、中に明かりが点いた。

裏口の鍵を開ける音が小さくカチャリと鳴り、中から神経質そうな細い白髪と黒髪が半分まだらになった男性が不機嫌そうに出てきた。

小さな音で起こしたが、やはり不機嫌になったようだ。

「用件を言え。」

朝のあいさつも無しということは、不機嫌がかなり大きいなと、ベルガドは思った。

手短に言わないと、後々言われそうだ。


「おはよう親父さん、時間が無いので手短に簡単に言うな。

最近うちの町でも話題になった冒険者「赤」殿が、ブックルを調達で今日朝から本人が護衛で森に入る、赤殿の仲間が治癒魔法で興奮状態で町に持ち帰り。

町でうちの親父が血抜きでしとめる、赤殿が欲しいのはブックルの肉のみ、解体内蔵、皮、生血は、冒険ギルドで依頼を受けた運び人の報酬、6人募集、まだ誰も依頼を受けてない、先着順。

俺は従兄三人をこれからたたき起こしギルドに依頼を受けに行くから親父さんの所の上の息子二人も今すぐに冒険者ギルドに運び人の依頼を・」

「すぐに起きろ!!!!!!おい!!」

ベルガドが全部を言う前に、神経質そうな道具屋の親父にまったく似合わない大声で二階に向かって怒鳴った。

「今すぐ三人連れて来いギルドに。」

旨い話だと即分かったらしい道具屋は、棚にいって赤い小瓶を手に取り、

「まだ暗いから馬よりも走ったほうが安全だ、さっさと飲んで走れ。うちで用意何かあるか?報酬は6人で割るんだよな?」

体力回復のポーションをベルガドに渡した。


「さっきルーニーが店にきて、話聞いて親父が今準備をしてる、報酬は親父に聞いてみてくれ。」

一気に飲み干すと空になったポーションの小瓶を道具屋に渡す。


「肉屋に行くか、 網は・・たしか強いのがあったな・・・・」

不機嫌がまったく消え、小声で独り言を言い始めた道具屋に、回復ポーションの礼を言うとベルガドはまた日が昇る前のルベトの町を走り始めた。




裏小道を抜け切り、山側にある住宅地区へ向かう。

途中何人か市場に働きに出ている人にすれ違う、早くギルドに行かないと、そう思いペースを上げた。


住宅地小道の明かりのまだ無いうす暗い道を上がり、住宅地区にある噴水広場を越え、近くの住民のペットらしい小さな愛玩動物を跨ぎ、二階建ての家の玄関扉をベルガドは叩いた。

小さな愛玩動物が扉を叩くベルガドの方を眠たそうに見る。


トントントン!


目的の家まで走ったが回復ポーションのおかげで休憩無しで走れた。

家から何も音が聞こえない、時間を急いでいるベルガドは迷いなく、先ほどよりも強く音が出るように叩いた。


ドン!ドン!ドン!


愛玩動物が音がうるさいなとでも言いたげに見る。


すぐに家の中で誰かが不満げに起床した声がし、二階の窓が開いた。


勝手知ったる従兄の家で、自分の親父の弟の家で、早くギルドに依頼を受けないと、早起きの運の良い冒険者にでも取られたらそれこそ親父の雷が自分にも落ちるが、この家にも落ちる。

ここで伯父さんに怒られるよりも、自分の親父に怒られるのが何十倍も怖いと分かっている。

即おこして3人を連れてギルドに向かわなくては、それが今一番重要なことだ。

ベルガドは躊躇せず大声で二階の開いた窓の方へ家人の名前を呼んだ。







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