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9 ルベトの森 (受付窓口)

学園都市を夜出発し、深夜日付が変わる手前でルベトの町に到着した。

到着後すぐに町の冒険者ギルドに向かった。

学園の学生が多く来店する為、初心者にも分かりやすいようなギルド案内が出ている。


深夜だが、ルベトの冒険者ギルドの窓口が一つだけ開いていた残りの窓口は閉まっている。

どこの冒険者ギルドも、常に窓口には誰か常駐している。


一つ開いている窓口の向こうには黒髪の短髪で中堅冒険者らしい中年男性が防具の手入れをしながら座っていた。

私は、窓口に向かって進み中年男性に話しかけた。

「夜分遅くに申し訳ない。」

「お疲れ、何だ?晩くに、緊急か?」

男性が手元の防具を机に置いてこっちを向いた。


「いや、明日朝から、ルベトの森に狩に入りたいのだが、森案内と、野獣の持ち運び員を募集出しておきたくてね。狩予定の野獣は、ブックルだ。それと、入森手続きと狩手数料の申し込みを代行頼む。」


「・・・お客さん、赤兜で顔分からんが、もしかして、冒険者「赤」殿か?」


窓口の中年男性が身を乗り出して聞いてきた。

まあ、あの骨と皮の争いでちょっと有名になってしまったしね、そりゃあ聞くわね、だった私今、全身赤鎧と赤マントだもん。

そして、骨皮争いのあった学園の隣の町に来てるんだから、赤いの来たら私だと思うのが普通か。


言うよりもギルドカード出したほうがいいわね。

そう思い、ギルドカードを窓口に出す。


ギルドカードを魔術読み込みの石に近つけて、ギルドランクと名前の確認をした中年おじちゃんは、満点の笑顔で私を見た。


「やっぱり!赤殿であったか!お会いできてうれしいわい。」




この窓口の中年男性は、骨に賭けて勝ったと言って喜んで深夜なのに嫌な顔せずに喜んで受付けを開始してくれた。

これ、皮におっちゃんが賭けていて、負けていたら受付けしてくんなかったのかも、運が良かったと、本当に思った。





「ブックルかー、狩の狩猟手数料今一匹 小銀貨二枚だ。(10,000円)

森案内と持ち運び員は募集内容は?ここいらは大体朝から夕方まで銅貨二枚が相場だ(2,000円)、赤殿は、ルベトは初めてのようだが。ブックルが生息している場所は一番ルベトの森の奥だ、そこまでは学園の始めての子達が入るような森だから強い魔獣はいない。」


「ああ、初めてだよ。入るのも、ブックルを狙うのも。給金はその相場で払うよ、一匹狩したら、そこで終わるからな。夕方まででいい。早く終わっても夕方までの相場を払う。」


「いい案内や、力持ちの持ち運び出来るもんは、先の予約になってるところに入っちまってるから。」


「ああ、別にいいぞ。初心者ランクが入ってもいい、道案内もちゃんと出来るなら若い子でもかまわん、初心者だからといって手当ては引かんし、後は、ブックルのいらない部位は持ち帰ってもらってもいい、頭や内臓、脚、血、毛などはこちらは今回いらないからな。

ああそうだ、今回のブックルは生きたまま町まで持帰る、誰か町の慣れた人に解体してほしい、血抜きは絶対にしてもらいたい。

血抜きの出来ていない肉は味が落ちすぎて食べれないことは無いが、臭いからな、今回の肉は絶対血抜きをしたいんだ。ブックルの旨い肉が絶対必要でね、しかも血抜きが完璧に出来た旨いブックルの肉がいる。

だが、私はブックルみたいな大きな野獣の解体をしたことがなくてね、腕のいい人に頼みたい。」


「解体なら、町にいい腕のが居るから大丈夫だ手配しておく、だが手当てはそれでいいのか?内臓を報酬で渡すなんて、ブックルの内臓は粋がいい状態で取り出したら良い薬になるからすごい好条件だぞ?」


「かまわんよ。今回ほしいのは肉なんだ。まあ、私も昔は初心者の頃先輩冒険者達に色々してもらったからな、次は私がする返しだよ。だが好条件だが、私はある意味やさしい良い先輩では無いかもな。」


赤兜の中で相手に見えないがニヤリと笑った。


「知らずに初心者ランクの連中が好条件だけみて受けて悲鳴か・・・くくくく。」


窓口のおっちゃんも、私がニヤリと笑ったのが分かったんだろうな、同じようにニヤリと笑った。


「捕獲後、粋が良い状態で解体したいからな休憩なしで町まで帰るつもりだ。なあに治癒できるものが仲間にいるから治癒し続けるさ、ブックルを。」


「ブックルをか!アッハッハ最高だ! 解体はこの町で一番の精肉屋の親父に夜明け前に起きてるだろうから頼んでこよう。

粋のいいブックルを解体できるから店を閉めても必ず来てくれるだろうが、今回の内臓は絶対欲しがりそうだぞ?内臓買取を条件にしてきそうだな。」


「冒険者と精肉屋の駆け引きか・・・・・・初心者の頃思い出すよ。」

昔精肉屋に値切られたな、なつかしいな~

天井を見上げて思い出していたら、

窓口の男性も同じに思い出していたらしい。


「俺も若い頃あの親父に値切られたな。

初心者連中もあの親父に値切られて苦い思い出を作るのも、ありだな。」


「そうだな」


狩の手伝い募集依頼の手続きをすませると、宿屋に戻って朝一番に来るように言われた。






おかしい、なぜかこの三人はずっと食べ物を追いかけ始めてしまった。

おかしいわ、ファンタジーの夢のある世界に住んでるはずなのに。

原因は、やっぱり、私がお腹をよくすかしているのが原因なのかなあぁ・・・・

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