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8 きっと空も飛べるはず・・・・

「きっと~空も~飛べるはず~~~~~~~~・・・・フンフン~~ふ~ん」


黄金髪を頭の上で一つに纏め上げて碧眼の眼を輝かせながら歌いながら木建物設置作業をする美少女が一人。

金槌でリズムを取りながら歌う場所は学園都市の街からかなり離れている位置に面する湖の畔、近くには街も村も無く、また、モンスターが出るために森の狩人が近くを通ることがあるぐらいである。

作業している周り100メートルほどには迷彩魔法を施し作業中の少女側は見えない。

いつもなら貴婦人の装いをしている少女も今日は上下が繋がっている「ナンチャッテ空軍(笑)ツナギ整備士バージョン」を着て鼻歌だ。

一枚づつ木板を綺麗を設置し、金槌で打ち、一枚打つと、施術魔術「強化」を柱と木板を一緒に丁寧に施術していく。効する事によって、柱と板が同化し「強化」が2倍の威力を持つのだ。

「強化」魔術は大きなものに一度にすれば、魔力が膨大に必要だが、小さな木板とその面した柱部分だけの「強化」なら魔力は火玉一発打つぐらいの量でよい。さらに少女は昔から「強化」の魔術をそこらへんの工房員より施術しており、魔術量など、無いほどの微々量で行えるようになっていた。

板を設置、金槌で打つ、「強化」施術、設置、打つ、施術、設置、打つ、施術、設置 打つ 施術 ・・・・黙々と同じ作業   設置 打つ 施術 設置 打つ 施術・・・・


朝からずっとこの工程作業の繰り返しをリズム良く歌いながらフィオーナは嬉しそうに金槌を振る。

「きっと~ 空もお~」たまに金槌がマイクになる。


「フィオーただいま~。結構仕上がってきたね~秘密基地。本当にお腹すいたから戻ってきたーお昼!お腹すいたの!」

アリッサが担いできた大木一本下ろした。こちらも「ナンチャッテ空軍(笑)ツナギ整備士バージョン」を着込み、首にはタオルらしきものを巻き、腰には大きな鋸と大きな鎌を佩いている。森奥から秘密基地設置用木材を切り出しているのだ。


「あら、もうお昼なのね、作業してたら時間忘れてしまったわ。」


「フィオー・・・魚ついでに何匹か採ったんだけどコレ食べれるのかなあ・・・・湖水底チェック中に泳いでるからつい捕まえちゃった・・・」

こちらも「ナンチャッテ空軍(笑)ツナギ整備士バージョン」を着て黒大型淡水魚を5匹持ってきたエルザ。湖に何もないことの確認をしているのだ。魔法を使って水中に入っているので全く濡れていない。


「何それ・・・ え それ食べれるの?湖とかの魚って、確かドロ臭いから生きたまま2日ぐらい真水に入れて何も食べさせず内臓から泥だしきった後じゃないとおいしくないって聞いたことあるよ。」


ピチピチ尾を動かしている魚はとりあえず真水に入れておくことにした。

今日のお昼は、簡単にパンとハムとチーズと鶏の燻製を挟んでサンドイッチにした。


なぜこんな湖畔がある人の来ない森奥に秘密基地を作る必要があるのかというと、「にがりを作るため海上にある無人島」に行くための飛行艇を作成し隠すためであった。

テンションMAXの3人が「飛べないぶry・・・」の台詞にテンションHIMAXになり海まで行く交通手段はコレしかないと決めたため。滑走路もこの世界には無いし直線の道もあるはず無い飛行機を離着させるには海とか湖しかない。

アリッサとエルザは秘密基地に各自の研究用部屋がほしいと希望してきたが、それは、万が一この基地が発覚した場合、即破壊し撤去するので、フィオーナが却下した、もちろん破壊用魔法で飛行艇も破壊するつもりである。

この世界は飛行艇は存在していない。見つかれば大変なことになると2人に何度も説いた。

基地には基本最低限の物のみで3人の名前は絶対残さないし、身元が分かるような物は持ち込み不可とする、そこまで徹底した。



「ねえねえ そういえばさ、フィオー エルッチー! 学園の賭けどっちに賭ける?」

「あれですわよね、なんだか私達のせいでちょっと大変な賭けごとにまでなって、原因つくった当事者なのに賭けるコトなんか出来ないわよ。こんな事になるなんて。ふぅ・・・・」

「・・・・・・・・骨に賭けた・・・・・・」

ハム!エルザがサンドイッチにかわいく齧り付く。

「エルッチーーーーー!!!!骨!骨か! あああ~私はどーしよおお皮にしよっかな?」

「エ  エルザァァァ?!」

私は手に持っていたサンドイッチを強く握りすぎて中の具が飛び出てしまった。

なんと!エルザは骨に賭けてたとは、賭けの原因私達が作ってしまったのに、そう、飛行艇の外組用の皮と飛行艇の中の骨組用の骨、その二つを学園工房に注文したのだ。秘密基地を作成しているため、強化施術魔法を多重でかけるのに私の時間が足りない、量が多すぎる、施術を行う広い場所も無い、施術用の色々な素材も足りない、今から素材集めにも時間がかかりすぎる為今回学園工房に注文したのだ、だがこんな大事(おおごと)になるとは思っていなかった。

注文後即二つの工房で火蓋が切られ、現在すごい勢いで賭けの対象で学園都市新聞にも出ているのだ現在加工状況、進行状況、お弁当内容などが。

しかも、二つの工房では力入れまくりで生徒達は工房に寝泊りまでしているとか何とやら色んな噂が飛び交っている。

一番新しい噂は、食堂に弁当を注文しにいくのが「両方の工房学園長」にまで上がったらしいとの噂と、食堂が大量の弁当を毎日作成して、他の生徒達にも販売を開始したという噂だ。


なぜだ。なぜこうなった、ただ「多重強化」を工房に依頼しただけだと言うのに。



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