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第1話 プロローグ

「お兄ちゃん一緒にゲームしようよ!」

無機質な部屋に声が響く。

「ゲーム?」

「そう!ゲームだよ!ゲーム!」

部屋で漫画を読んでいる俺に妹は話しかけてくる。




こいつの名前は―黒崎 皐月(くろさき さつき)

小柄な体。愛くるしい顔。柔らかなセミロングの髪という容姿で、

家事や勉強ができるところや

いつも元気で前向きなところは

多分、世の男性の妹の理想を具現化したような存在だ。



そんな妹だが、ひとつだけ欠点がある、それはこの妹がブラコンだということだ。

それもかなりの重度の。

ひとつ例をあげると、俺が中学生になった頃の話だ。

俺は妹と一緒の部屋で寝ることや風呂に入ることをさすがにおかしいと思い、妹に抗議して、部屋を別々にしようとしたが、すぐに却下された。

そのあと親に頼んでなんとか別々にしてもらったが、妹は親に泣きながら抗議したり、俺の布団に夜な夜な潜り込んできたり……とまぁいいだすとキリがないのだが、とにかく相当のブラコンであることはわかっていただけただろう。




「で? なんで俺がそのゲームをしなくちゃいけないんだ?」

読んでいたマンガを閉じて妹の目を見る。

「決まってるじゃない! 私たち明日から離れ離れなんだよ!? 学校のせいでなかなか会うこともできないし、朝一緒に学校行ったりもできないし、それに……もうお兄ちゃんに夜這いしにいったり、お兄ちゃんの枕を匂いながらお兄ちゃんのことを妄想したりとか、お兄ちゃんのお風呂に侵入したりとかそういうことができなくなるんだよ!?」

後半は聞かなかったことにしよう……




しかしこれは事実である。

妹は昔から絵を描くことが好きで、将来は絵を描く仕事に就きたいらしい。

そのためにも、家から片道5時間以上離れた都内の有名美術学校に通わなければいけない。

ちなみに妹は最初は家から通うつもりだったが、両親と俺の説得によりしぶしぶ寮に住むことを決意した。

引越しの準備はすでに終わり、今日は引越しの前夜というわけだ。



「要は、お互い顔会わせられないからせめてゲームで一緒に遊ぼうというわけか・・」

「くそ短くまとめましたねぇ…… でもまぁ要するにそういうことです。」

俺は小さくため息をつく。


「で、どんなそのえーと、マックス、スター、オンラインっけ?」

「はい! マックス・スター・オンライン 略してMSOですね。 今若者にすごい人気なんですよ?」

知らないんですか?と目で問いかけてくる。

そういえば、うちのクラスメートのだれかが話してたなぁ……

「基本は敵を剣でズバっと斬っていって、仲間と協力してレベルをあげるゲームですよ。まぁドラクエみたいな感じですね。」

相変わらずわかりにくい説明だなぁ


「・・・て、そんなことはどうでもいいんですよ! で、どうなんですか!?やるんですか!?」

そんなに顔を近づけるな、うっとうしい。

「まぁ、別にいいけど。」

「ホントですか!?」

妹の目が輝く

「あぁ……」

「やったぁ~!!!! ふふ・・・それではさっそく準備しないといけませんね。」

それから、妹にはMSOのキャラ設定や操作方法を一晩中教えられた。

おかげで寝不足だ。

そして、妹は家を出て行った……




毎日ログインしてね!とか

彼女は作ったらだめよ!とか

健康には(ry

とにかくいろいろと言っていたがほとんど忘れてしまった。



俺は自室に入りパソコンの電源をつけた。

「めんどくせぇ」

と呟きながらも心のどこかでは早くゲームをしたい自分がいた。

言っておくが決してブラコンではない。俺はゲームがしたいのだ。



とまぁ、こんな軽い気持ちで始めたオンラインゲームが俺の平凡な生活を少しずつ変えていくのはすこし先の話だ。


小説とか初めてです。へたくそですがよろしくお願いします。

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