三日目《部室》僕×姉妹
「ごきげんよう」
「あっ、おはようございます」
「あら、あなた侵入部員?」
「ええ、『新入部員』です」
「じゃあ、あなたがあの・・・」
「あの?」
「変態さんですか」
「違います。変態は部長の方です」
「いえ、部長さんには、もうお会いましたよ?」
「じゃあ、僕と部長以外に新入部員がいたんですね」
「今年の新入部員は二人らしいですよ?」
「・・・」
「なんでも、勧誘時に辱められたと聞きましたが」
「僕の方が辱められてたような」
「そうでしたか」
「そうなんです」
「話に聞く、『M』という方なんですね」
「違います」
「そんな謙遜なさらないでも」
「これっぽっちも謙遜していませんから」
「まあ、誰でも性癖は隠しておきたいものですからね」
「・・・」
「若いっていいわね」
「なの、そろそろ、お隣の方をご紹介いただけませんか」
「あら、そうでした。この子は私の妹です」
「ああ、どうりで似てる訳ですね」
「ええ、よく言われますわ」
「ちなみに、どうして先ほどから妹さんは黙っておられるんですか?」
「あら、そうでした。変態さんとは口を聞いてはいけないと言い聞かせているものですから」
「もう、誤解はとけましたよね?」
「ええ、もちろん。危険はない変態さんだとわかっていますよ」
「どうやら、まだ説明が必要そうですね」
「まあ、そんな些細なこと気になさらずに」
「非常に重要なことですが」
「妹はもともと人見知りがひどくて、初対面の変態さんとはあまり話せませんので」
「そうでしたか。なら、僕となら大丈夫ですね」
「それよりも私ちょっと席を外さなければなりませんので、少しの間、妹のことよろしくお願いしますね」
「ええ、僕でよければ」
「では、失礼しますね」
「さて、待ってる間なにをするかな」
「「さっきからうるさいぞ、カス」」
「ん?いま何か聞こえたような」
「「せっかくのお姉様との有意義な時間を台無しにしおって」」
「ああ、妹さんか。改めて・・・」
「「軽々しく話しかけるな 」」
「なんだか、言葉使いがトゲトゲしいような」
「「お前のようなカスと交わす言葉は無い」」
「・・・」
「「・・・」」
「・・・」
「「・・・」」
「・・・。あの、」
「「・・・」」
「はあ、この部活にはまともな人はいないのか?」
「「貴様、お姉様を侮辱するとは、校内を引きずり回すぞ」」
「⁉・・・・」
「「これ以上喋ると息の根を止めるぞ」」
「・・・」
「「全く、下等なクズほどよく喋る。クズはクズらしく、部屋の角で転がっていればいいものを。よりにもよってお姉様と会話するとは。全く身の程をわきまえよ。」」
「なんだかんだで、妹さんもよく喋りますね」
「「もしもし。ああ、私だ。仕事を頼みたいのだが」」
「あの、どちらに電話されているのですか?」
「「ただの掃除屋だ」」
「へ~」
「「なに、社会のクズを掃除してもらおうと思ってな」
「調子に乗って、すみませんでした」
「「いまさら謝って・・・あ、お姉様お帰りなさいませ」」
「あ、用事はお済みにナラレタンデスカ」
「ええ、それでは、私たちお先に失礼しますね「ええ、お姉様帰りましょう」」
「オツカレサマデシタ」
「それでは、ご機嫌よ~」