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王家の影の下で


馬車は、ゆっくりと進んでいた。

だが、その周囲を取り囲むのは、王家の紋章を掲げた精鋭の騎士たち。

前回と同じく襲撃にあったがすぐに制圧した。

(今回は違う)


「・・・・あなたは、運がいい」

向かいに座る騎士団長ヴァルター・ゲーヴェンバウアーが言った。

「王妃様の直命でなければ、ここまでの護衛はつかない」

「なぜ、王妃様が」

「さあな」

彼は肩をすくめる。

「だが、貴族社会というのは思いもよらぬ縁で動くものだ」

馬車は、山道の手前で一度止まった。


「補給のため、少し休憩する」

騎士たちが周囲を警戒しながら配置につく。

私は、馬車の中から外を見た。

その時だった。

「ローゼンヴァルト令嬢」

低い声。

馬車の外に立っていたのは、黒衣を纏った銀髪の男だった。


「魔術師団長、ノア・アーカイブ様」

自然と、名前が口をついて出た。

彼は、私を見つめた。

「あなたは、本来ここにいないはずの存在だ」

背筋が、凍る。彼が私の暗殺を計画していた存在なのだろうか。

「どういう意味ですか」

「意味を知る必要はない」

私は、思わず拳を握りしめた

「アーカイブ様は、私を殺すつもりですか」

「・・・・・・」

沈黙。

魔術師団長は、ゆっくりと視線を逸らした。

「・・・・まだ、判断は下っていない。結末次第だ」

霧が、風に流れる。


「あなたは私の敵なのですか」


「私は、敵ではない。・・・今は」

彼はそう言い残し、背を向ける。

騎士たちが、彼に道を開ける。誰も止めない。


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