表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/25

エマ・グレイス【推しの為に】

直談判イベントは、拍子抜けするほどあっさり終わった。

「護衛は王国騎士団をつけましょう」

「王妃様・・・神!」

深々と頭を下げて部屋を出た瞬間、エマは安堵の息を吐いた。


(よし。国外追放ルートの暗殺イベントは回避、これでレティシアは死なない)


そう思ったのも束の間。

廊下の向こうから、慌ただしい足音。

「急げ!ローゼンヴァルト公爵令嬢を拘束しろ!」

「宰相からの密告だ!」

「反逆の疑いあり!」

エマの顔から血の気が引いた。

(これって、宰相息子セドリックのルート!牢獄での衰弱死とされてるけど・・・本当はレティシアが穢され、毒殺される最悪のやつ!!)

拳をぎゅっと握る。

(でも、ここを乗り切れば、レティシアは助かる!!)


冷静になれ、エマ・グレイス。ここからは「レティシアの味方」だと悟られたら詰む。


宰相派閥に悟られず、裏で証拠を集め、最後に法廷でひっくり返す。

私は表情を消し、ゆっくりと歩き出した。

(私は関係ありません。レティシアがどうなろうと知りません。聖女は政治に関与しません)

そういう顔で。

そういう態度で。

先に看守を味方に付けて、毒殺回避。

そして・・・

セドリックが卑しい輩をレティシアに仕向けないように。


エマは、地下牢へ続く石段の前で足を止めた。

拳を軽く握る。振り返ることなく、階段を降りた。地下牢の前で、エマは看守に告げた。

「ローゼンヴァルト令嬢の件で確認したいことがあります。王妃様の命です」

看守は一瞬ためらったが、すぐに道を開けた。

(まずは内部から固める。毒殺ルートを潰し、外部接触ルートを封じる。それから証拠)

頭の中で手順を整理する。


証拠集め

・補給局

 → 山道襲撃に使われた武具の出庫記録を確認

 → 宰相府倉庫刻印と一致する証拠を確保

・護送部隊

 → 襲撃時の装備を確認した補給係の証言を取得

 → 宰相府からの命令書写しを回収

・諜報部

 → 私兵の確保

 → セドリック・ルートの命令による犯行だと供述させる

・文書局

 → 偽造書状の筆跡鑑定

 → 宰相府文官の筆跡と一致する証明書を作成


ゲームの知識を駆使。そして、すべて、揃った。

(これで盤面は完成。逆転条件、達成)


エマは、静かに立ち上がった。

(あとは法廷でひっくり返すだけ。待っていて、レティシア。必ず、助ける)


地下牢の扉の前で、そっと息を整える。

「レティシア様」

扉の向こうにいる彼女に、聞こえないと分かっていながら――

小さく、呟いた。

「次に会うのは法廷です。そこで、会いましょう」


踵を返す。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ