第96話 近衛騎士との遭遇
離宮に着いて2日目の朝。
リアは内心ドキドキしながらも、昨日の別れ際の出来事には触れずジークフェルドといつも通りの挨拶をし朝食を一緒にとった。
その後、午前中はジークフェルドに離宮の案内をしてもらった。
昨日も感じたが離宮内は人が少なく、警備の騎士などは所々にいたものの、他の人とすれ違うことはほとんどなかった。
リアは国賓でもないし、本当に王子が留学先の学友を連れてきただけという扱いなのだろう。
お金持ちの友達の別荘に来たと思えばいいのかな?
リアも徐々に緊張が取れてきて、そんな気分になってきた。
離宮の案内が終わり2人で昼食をとり、食後のお茶を飲んでいる時にジークフェルドが突然”そうだ”と言い出した。
「どうかされましたか?」
「午後のこの時間は人がいなくなるから騎士団の訓練場を見に行かないか?俺が小さい時から入り浸っていた所なんだ。」
男の子が好きな女の子に自分の基地を見せびらかしたい。
そんな気持ちからの提案だ。
ジークフェルドにキラキラと期待に満ちた視線を向けられ、リアも笑顔で頷いた。
「はい。見に行きたいです。」
騎士団は食後に一定時間休憩を取ることが決まっているため、訓練場は一時的に人がいなくなるのだ。
訓練場は真ん中に大きな闘技場があり、周囲を回廊が取り囲むつくりになっていた。
2人で並んで人気のない回廊を歩いていると、前方の角から3人の若い男性が歩いてきた。
「あれ?ジークフェルド殿下じゃないですか。」
そのうち左端にいた人物が声をかけてきた。
その人を見て、リアは息をのんだ。
今まで見たことがないくらい格好良かったのだ。
3人とも背が高くスリムなのに筋肉がついた均整の取れた体格をしており、
黒色の飾りや金ボタンがついた白い騎士服を着ていた。
他の2人もとても整った容姿をしていたが、話しかけてきた人物はひときわ群を抜いていた。
金の巻き毛に深青の瞳。
白い騎士服を着て、甘い顔立ちに微笑みを浮かべる姿は本物の王子様のようだった。
クリスもジークフェルドも十分王子様に見えるのだが、目の前の人物は何か次元が違っている。
背後にバラをしょって白馬に乗りお姫様を助けに行く物語の王子様のような雰囲気が漂っているのだ。




