第67話 定期テスト その2
「そ、そんな・・・」
アンドレアは茫然としている。
ヘンドリックの実力が本物だと理解したのだ。
ルーファスを除けば、断トツで1番だと思っていたのに、譲られていたとは・・・。
プライドを傷つけられ、アンドレアはヘンドリックを睨みつけた。
クリスはそれに気付かないふりをし、おっとりした口調で続けた。
「良く出来るだろうとは思っていたけど、予想以上だったよ。数学の最後の積分の問題を完答した上に、別解を書いてボーナス点を10点もらったらしいね。解答のすばらしさに数学のゲロフ先生がびっくりされていたよ。」
あの積分の問題を完答の上、別解まで?
アンドレアが手も足も出なかった問題だ。
周囲の生徒もざわめいている。
”つまり、全部満点ってことだよな”
”すげえ。ボーナス点?”
”そんなシステムがあったんだな。びっくりだ。”
「納得してくれたかな?アンドレア。」
王子にニッコリと笑いかけられ、アンドレアはうなだれた。
「はい・・・。」
その後、少し離れたところからその様子を見ていたルーファスとジークフェルドの2人と合流し、4人で生徒会室へと向かった。
「私の完敗だな。今回はおまえに負けないよう、いつも以上に頑張ったんだがな。まさか510点なんて詐欺だろう。」
ルーファスが苦笑しながらヘンドリックに話しかけた。
ヘンドリックは居心地が悪そうにほほ笑んだ。
「ヘンドリック、おまえ学院に通う意味なくないか?アルノーには飛び級制度はないのか?」
ジークフェルドがクリスに尋ねた。
「今のところないけど、特別優秀な生徒向けにそういう制度を作ってもいいかもしれないね。一度、父上に提案してみるよ。」
※
4人が生徒会室に入ると、程なくしてリアも入室してきた。
「あ、ヘンドリック先輩。聞きましたよ。510点!すごいですね‼」
リアは自分がその点を取ったかのように興奮している。
「ハハ。ありがとう。」
ヘンドリックは照れながら礼を述べた。
各自、自分の机に移動しカバンを置いたり書類を出したりしながら会話を続けた。
「ルーファス先輩も2位ってすごいですよね。2年生は上位3人が頭一つ抜けてるって、同級生の子が言ってました。」
リアにキラキラした尊敬の眼差しを向けられ、ルーファスもまんざらではなさそうだ。
「ああ、そうかな。」
「3位の先輩も偉いですよね。とってもいい人だし。」
「「「「えっ?」」」」
リアの最後の言葉に部屋にいた全員が反応した。




