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ひみつの姫君 ~男爵令嬢なのにくじ引きで王子のいる生徒会の役員になりました!  作者: らな


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第59話 王子たちのお茶会

「ヘンドリック。おまえ、テストで不正をしていたそうだな?」

そう言うルーファスの表情は険しい。

「不正?そんなことはしてないよ。」

わざと間違えたり、白紙で出したりはしたが、それを不正と言われると心外だ。

いつも温厚なヘンドリックも流石に険しい顔で反論した。

「わざと間違えるのも不正っていうんだ。」

ルーファスがいまいましそうに言った。


「!」

なぜ、わざと間違えていることがバレたんだ?


ヘンドリックが混乱しているとクリスが話しかけてきた。

「ルーファス。君の気持ちは分かるけど、落ち着いて。ヘンドリック。昨年、君とモーリス教授が学院の裏庭で話しているのを、僕がたまたま聞いてたんだよ。」


おじさんとの会話・・・。


それを聞いて腑に落ちた。

しかし、それがバレたとして、なぜルーファスにこれほど責められねばならないのか。

自分を睨みつけるルーファスをチラッと見て、疑問に思った。


「譲られて1位をとっても全く嬉しくない。正々堂々と勝負して負けた方がすっきりする。」

ふいにクリスがそんなことを言い出した。

ヘンドリックがクリスの方を見ると、クリスはいたずらっ子のような表情をしていた。

「これを言ったのはルーファスだよ。」


ヘンドリックはチラッとルーファスを見た。

彼は無言でお茶に口をつけている。


ああ、彼はそういうタイプかもしれないな。


ヘンドリックはそう思いつつ、言葉を紡いだ。

「ルーファスはそうかもしれませんが、そうでない者もいるでしょう?」

「アンドレアとかか?」

クリスに問われる。


そこまで調べているのか。


「私の父はアンドレアの父・現ディアブロン侯爵と同じ学年で、彼より成績が良かったという理由でいびられ続け、精神を病んでしまったんです。どうにか学院は卒業しましたが、爵位を継いでからもそれは続きました。精神の不安定な父をずっと見てきて、僕は決意したんです。目立たないようにしようと。」


ルーファスもジークフェルドも黙ってヘンドリックの言葉を聞いていた。

「君の言い分は分かるよ。でも、国を治める立場の僕からしたら、それは困るんだ。」

「えっ?」

ヘンドリックは顔を上げ、クリスを見た。

「有能な人物が、その身分の上下だけで才能を潰されたり、発揮できないことはまともな社会じゃないだろう。国にとっても損失だ。」

「でもっ」

ヘンドリックは思わず、クリスに反論しそうになったが、相手が王子だということを思い出し、言葉を止めた。

「いいよ。思ったことを言ってみて。別に怒ったりしないよ。」

一瞬迷ったが、クリスに促されてヘンドリックは言葉を続けた。


「でも、実際、子爵家の僕がディアブロン侯爵家に逆らうと、将来が閉ざされる可能性があるんです。僕は次男なので爵位は継げないですし、将来文官になりたいと思っています。でも、アンドレアににらまれると就職も出世も難しくなるかもしれない。彼の父親は重臣ですし。」

クリスも頷いている。

「そして彼自身、身分がある上に優秀なところもあるので、将来僕の上司になる可能性だってある。これは殿下方やルーファスには一生分からないかもしれませんが、大人しくしておくことが、一番自分にとって得になるんです。」


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