第57話 お茶会
お姉さま??
私と亡くなられた妹姫さまを混同されているのかしら?
妹姫さまが亡くなられたことを、いまだにこんなに悲しむほど大事に思っておられたのね。
リアはしんみりした。
大事な家族が亡くなる悲しみは心から理解できるからだ。
それに私『おねえさま』は得意かも。
文化祭でシンシアの厳しい演技指導を受けたのだ。
リアははりきった。
上を向き、目をうるませ、甘えるようにささやいた。
「おねえさま・・・。」
エミリアは息をのみ、がバッとリアをきつく抱きしめた。
「ああ、ユーフェミア。一目でいいから会いたかった。会いに行かなかった私を許して。」
息がとまるんじゃないかと思うほど、強く抱きしめられた。
そして柔らかい王妃の胸に頬を寄せていると、リアも亡くなった母に抱きしめられているような感覚になり、自然に涙がうかんできた。
しばらくしてエミリアは満足したのか、腕をゆるめ再びリアを見た。
「あら、ごめんなさい。苦しかった?感極まってしまって、力が入りすぎてしまったかしら。」
涙をうかべるリアを見て、エミリアは申し訳なさそうな表情を浮かべた。
それに対し、リアは首を横に振った。
「いえ・・・。あの・・・、王妃様が1年ほど前に亡くなった私の母に少し似ておられて・・・。それで、私も母を思い出してしまって。」
リアは泣かないように目に力をこめた。
エミリアは目をみはり、再びリアを優しく抱きしめた。
「そうね。あなたもお母さまを亡くしたのよね。寂しかったら代わりに私を母だと思ってくれてもいいわよ。」
いえ、一国の王妃様に対して、さすがにそれは・・・。
リアが内心焦っていると、エミリアはリアの身体を離し、東屋の椅子をすすめてきた。
「あなたのことをもっと色々聞きたいわ。お話しましょう。」
好きなものや食べ物、趣味や領地でどんな暮らしをしていたか。
そして母のこと。
尋ねられることに答えていくうちに、緊張もほぐれ和やかな雰囲気でお茶会を楽しむことができたのだった。




