第50話 ラブレター
翌日の昼休み。
リアはシンシアとイーリスと一緒にルーファスに会いに2年生の教室へ行ったが、ルーファスに無言の笑顔を向けられた。
察しのいいシンシアたちは、”ご馳走になったお礼なら、先輩と二人の方がいいんじゃないかな。今日は、私たちは遠慮しとくね。”と言って、さっさと別の場所へ行ってしまった。
リアは焦った。
二人っきりというのは想定外だった。
リアの友達や、先輩の友人やヘンドリックたちと一緒に食べ、先輩の分をリアが払うつもりだったのだ。
しかし、今さら断るわけにもいかず、ルーファスと二人で食堂に行くことになってしまった。
「リアは学食で何が一番好きなんだ?」
「えっと、パスタランチが一番好きです。あとはハンバーグ定食とか・・・。」
「じゃあ、今日はパスタランチにしようかな。」
二人で並んで座りランチをしているとチラホラと視線を感じた。
驚いた表情をする者、コソコソ内緒話をする者・・・。
何を言われてるんだろう?
リアは落ち着かない気持ちでパスタを口に運んだ。
今日のリアは、メガネはかけているが髪をおろし、ルーファスに貰ったバレッタをつけている。
”あのバレッタ、カルティオの・・・”
”ルーファスの色だな。”
”ちびっこ、文化祭で見てすごい可愛かったから、いいなあって思ってたけど、ルーファスも狙ってるのか・・・。”
ルーファスは周囲の反応を見て、おおむね満足していた。
リアに自分の色の髪飾りをつけさせ、二人っきりで学食を食べる姿をみなにアピールし、自分がリアを狙っていることを周知させる。
リアが2年生の教室に来た時、部屋の中にハリルがいることは確認している。
彼も、その光景を見ていただろう。
食べ終わると、ルーファスは1年の教室まで送ってくれた。
「今日は二人で学食を食べれて楽しかったよ。また、ピエール・エミルにも一緒に行こう。」
文化祭の劇を見て、1年生の男子の中にもリアを狙っている奴はいるはずだ。
ルーファスは1年の教室の前で、二人の仲をアピールすると、あっさりと去って行った。
後日、ハリルに直接会いに行ったリアは、真っ青な顔で交際を断られた。
「ああ、ごめん。人違いで・・・。僕の勘違いだったみたい。ごめんね。」
人生初の告白にウキウキしていた乙女心を返してほしい・・・。
その日の夜、リアは寮のベッドの上で枕に八つ当たりしたのだった。




