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ひみつの姫君 ~男爵令嬢なのにくじ引きで王子のいる生徒会の役員になりました!  作者: らな


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第47話 文化祭

この時より、さかのぼること30分。


「リアの劇も終わったので、生徒会室に戻りますか?リアにも出し物が終われば部屋に来るように伝えていますし。」

ルーファスに聞かれ、クリスは少し考えた。

「いや、リアも楽屋に行ったり、着替えもあるし多少時間がかかるだろう。僕たちもせっかくだから文化祭を見て回ろう。」


生徒会の男子4人で、見回りも兼ねてウロウロしていると大きな歓声が聞こえた。

”でっけえー‼”

そちらに目を向けると、3人の巨大な男たちが並んでまっすぐあるいていた。


「あれ、リアちゃんが言ってたワッツ3兄弟ですね。本当にみんな大きいなあ。」

ヘンドリックが目を丸くしている。

「うわあ。まじでデカいな。リアのやつ、本当にあんなのと試合したのか?ウサギと象の戦いみたいじゃないか。」

ジークフェルドもあきれた目で見ていた。


皆の注目を集めながら歩く兄弟は目的地に着いたようだった。

そこは人だかりになっていた。

兄弟の一人が何か話すと、人だかりが左右に分かれ、中からイーリスとリアが現れた。

二人は衣装のままで、イーリスはつるで編まれたカゴを持っていた。

二言、三言言葉を交わした後、男の一人がリアを抱き上げ、高い高いをしだした。

リアは慌てているようだった。


生徒会の面々は、少し離れた所からその様子を唖然としながら見ていたが、クリスが動いた。

「少しクギを指しておいた方がいいかな。」

そしてリアたちの方へと足を進めた。


王子達一行が近づいて来たことに気付き、人だかりの一部から声があがった。

”王子たちだ。”

”どうされたんだろう?”

それには構わず、クリスはリアだけを見て言葉を発した。

「リア、お疲れ様。劇を見たけど、なかなか面白かったよ。僕たちは今から生徒会室に戻るから、リアも用事が片付いたら来てくれるかい?文化祭の関係書類がたまってるんだ。」

リアは高い位置から王子たちを見下ろしながら反射的に頷いた。

「じゃあ、また。」

それだけ告げると、クリスたちはさっさときびすを返し、立ち去って行った。


”なんだ、仕事の話だったんだな。”

”そういえば、ちびっこって、生徒会役員だったよな。”

周囲の生徒はそれで納得したようだった。


イルはさっとリアを地面に降ろすと、こわごわクリス王子の後ろ姿を見送った。


今、おれ、牽制された・・・よな?


王子はリアにしか声をかけていないし、内容も普通の業務連絡で、口調も穏やかだった。

しかし、イルは目で王子に威圧されたように感じた。

3兄弟の中でも、イルが一番勘がいいのだ。


イオ兄さん。この子を好きになっちゃ、やばいんじゃないか?


イルが王子の方に顔を向けている間に、妹たちの中で話が進んでいたようだった。

「じゃあ、リア.ここは私がやっておくから、楽屋で着替えて早く生徒会に行っておいで。」

「うん。ありがとう。頼むね。」

リアはイーリスに礼を述べた後、イルたちの方を向いた。

「お兄さんたちも見に来てくださって、ありがとうございます。また、お家に遊びに行かせて下さいね。じゃあ。」

そう言うと、リアはパタパタと走って建物の中へと消えてしまった。


イオは残念そうにその後ろ姿を凝視していた。


これは、家族会議だな。


ポーっとする兄を見て、イルはため息をついたのだった。



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