第34話 王子達の密談
リアたちが帰宅し、生徒会室にいるのはクリスとジークフェルドの二人になった。
「なあ、リアの言ってた商人ってローゼンハイム将軍のことだよな?」
ジークフェルドの質問にクリスは頷いた。
「たぶん、そうだろうね。将軍は昔ユーフェミア叔母上の護衛騎士だったんだろう。彼が時々様子を見に行ってるって、母上から聞いたことがある。」
「父親みたいって言ってたな。」
ジークフェルドがブルっと肩を震わせた。
「リアはすごく懐いてそうだったね。」
「信じられないな。リンドブルムの騎士団だとニコリとも笑わない鬼将軍で通っているのに。俺もここに来る直前まで騎士団でめちゃくちゃしごかれたぞ。」
ジークフェルドはしごかれた当時のことを思い出したのか、眉をひそめた。
「忠誠を誓った主君の娘だ。大切に守ってきたんだろう。」
ジークフェルドは母国にいるロイス・ローゼンハイムのことを思い返していた。
こげ茶色の短髪に、こげ茶色の瞳を持つ彼は、男らしく精悍な容姿の男だった。
兄が急逝したため、実家の爵位を継ぎ、公爵位も持っている高位貴族でもある。
190近い長身に、がっしりした体型の大男で、ニコリともしないその愛想の悪さもあり、部下からは非常に恐れられていた。
しかし、理不尽なことを言ったりしないし、頑張っている部下はきちんと労い評価してもらえるので、皆の信頼は厚く、尊敬されていた。
「リアが変なお婿さんを連れてきたら、将軍に張り飛ばされそうだよね。」
クリスがクスクス笑った。
「・・・まあな。」
思わず、自分が将軍に張り飛ばされるところを想像してしまい、ジークフェルドは憮然と返事をしたのだった。




